霧島、食堂にいくってよっ に!
あけましておめでとうございます。
年末は更新できませんでしたので少しずつ再開していきたいと思います。気長にお付き合いしていただけると幸いです。
よろしくお願いします。
食堂の一角にある丸テーブル。
幼女転生漫画よろしくイケメンの膝の上にっ!!
とはいかなかった。
なぜならここには小型系の獣人さんもいるために椅子のサイズが豊富だったからだ。
どこかのレストランにあるおこちゃま椅子よりちょっとシンプルになった作りの椅子に堂々と陣取ってポシェット型出したタオルを膝に広げた。
目の前にはソーサーほどの大きさの皿にちょこんと乗ったおかずたちと小さな丸パンに気持ちほどのスープ
ちょっと欲張りすぎたかな。とは思いつつやはり小型獣人用の小さなフォークではむはむと咀嚼してると横から大きなスプーンに刺さった人参グラッセが差し出されて反射のように、はむっ!ともぐもぐすればクスクスと笑い声が聞こえる。
「ラパン……。」
呆れたようなリオンの声に楽しげなラパンの声が響く。
「いやぁ、つい弟妹たちを思い出して構いたくなるんだよねぇ。小さな口でもぐもぐしてると可愛いよねぇ。」
もっしゃもっしゃしてるので返事ができないが、せっかくだからよく見えるようにサービスしとこう。
消して喋らないがラパンの瞳をじっと見上げてハムハムしてみる。
「あーかわいい。癒やされる。リオンこの子1日貸してよ。」
「おもちゃじゃあるまいしかせるか。」
そう言いながらリオンさんが小さく切った肉を差し出してくれるのでやはりぱくっお口を開けてもぐもぐすると細めた瞳に見つめられた。
お肉が柔らかい。美味である。
自分のフォークで今度こそ食べようとするとまた人参が差し出された。
子供の体とは恐ろしい。
ほぼ条件反射で口元に出されたものを頬張るのである。
「だって今日はおれんとこ訓練公開日だったんだよぉー。騎士たちの様子を見たいって家族の気持ちはわかるよ?でもさ、結婚相手探しているご令嬢方が押し寄せてその家族威圧しながらライバル令嬢と揉めたり罵り合うんだよ。もう訓練どころじゃないよ。」
はぁ、と大きなため息をついたラパンは人参を口に放り込んだ。
あ、おにいさんそれ間接き……なんでもないです。あざーっす。
人参を飲み込むとまた肉が差し出されて唇をちょんちょんとされるので口を開ければ向こうから飛び込んできた。
「あー今日は1番隊と2番隊だっけ。うちは来週だわ。月一回のこととはいえちょっと滅入るよなぁ。」
月に一回部外者が見れるとは随分開かれているんだな〜。それだけ平和ってことだろうか。と関心しつつも咀嚼する口は止まらない。
「事務方すら過剰整理に駆り出されますからね。立ち見で乱闘騒ぎになることもしばしばですし。」
ご令嬢乱闘するんだ!?本当にご令嬢か!?
熊獣人と牛獣人の乱闘は小型系騎士の打ち合いより白熱したなぁってどこからか聞こえた。
やるな令嬢。
「近衛の訓練はあまりにひどくて公開禁止にしたらしいけど訓練公開の嘆願書来てすごかったとか。」
う〜ん。と腕組しだしたのでやっとお口の中が空っぽになったので口を開く。
「かんらんちゅうのちゅういじこうはつうたつしないんですか?」
「書面配布は毎回しますがそれも無意味ですね。読まなかったり従者のみ読んで肝心のご令嬢が読まなかったり。」
「しょめんはいふはいつですか?」
「公開前日に騎士に配布し家族に渡されます。」
「とうじつはくばらないんですか?うけつけとかしないんですか?それはそれでぶようじんなきもします。」
「受付はありますよ。ですが大体は従者がします。」
「かんらんせきはじゆうせきですか?」
「そうです。」
「つぎはリオンさんたちがらいしゅう?」
「ええ。うちと4番隊です。」
「そうですか。ちなみにいまくばっているちゅういじこうはどんなことですか?」
「そうですねぇ。」
問われてネージュさんは天井を見上げたがよどみなくこたえていく。
けして識字率は低くないという。単純に文字を追うのが面倒なのだとか。
ふむふむ。と頷きながらポシェットから出したメモ帳にシャーペンでガリガリと書き込んでいく。
何やら視線を感じるが気にしな〜い。
「ほかにきをつけてほしいこととか、みなさんからこうしてほしいってようぼうはないですか?」
「飲食されるときついかなぁ。こっちは腹すかしてんのに肉の匂いしたりとか。」
「今日はティーセット持ち込んだ令嬢が平民押しのけて広げてたからな。」
さらにどこからか「ないわーないわー」と囁きが聞こえた。
ないのか。まぁ推しを見たい気持ちはわかる。わかるけど推しを困らせちゃだめでしょ。
「そういえばリオンさんたちとラパンさんはおなじせいふくなんですね。」
「ああ、近衛と騎士では制服は違うが騎士は所属する隊でタイの色が違うんだ。」
そう言いながらひらひらして見せてくれたラパンさんのタイはラベンダーブルー。対するリオンさんたちは揃いのイエローウォーカーである。
「なるほど。」
タイの色をじっと眺めながらにっと笑った。
何かのイベント運営って大変ですよね。本当毎回ありがたいです。ありがとうございます。昨年はコロナでだいぶイベントごとが中止になりましたが今年は開催されますように〜。