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霧島、制服作るってよ!

お越しいただきありがとうございます。


楽しんでいただければ幸いです!おかげさまでブックマークが130超えました!!何ということでしょう{古ッ!)

ありがとうございます!

 ときは少し遡る。


 公開訓練の準備にイズナは勤しんでいた。


 初めて見る様式の建物はいつ見ても楽しくてソーラー充電器でいつでも使えるようにしていたスマホを持ち出してあちこち写真を撮って……撮りまくっていた。


 そばにいた騎士たちは最初こそそのシャッター音や見慣れぬガラス板に驚き興味津々でいたが、訓練場の写真を撮った数日後に『こう使うの』と目的を教えるために公開訓練の見学マニュアルのようなマンガを見せた。


 その背景を書くために写真を撮ったことを説明した。


 もちろんこれはネージュにも見せて説明している。同じように使いたいのであちこち写真を撮りたいが構わないだろうかと許可もとっていた。


 警備上の問題で撮影していけない場所はないかと言う確認も忘れない。そのときのネージュは大分驚いた顔をしていたがそこは誰しも考えるのでは?とイズナはあえて突っ込まないことにした。


 見学関連のマンガは早々に書き終えた。正直やることがない。それでも変わらず夜は眠れないから困る。


 なので、先日のお茶会?以来団長閣下の奥様が度々午後のティータイムに呼んでくださる。


 大概はお茶してお菓子食べたところにお勉強の終わった団長の二人の息子さんが乱入して遊びに変わりいつの間にか木陰で昼寝という流れができてきていてすっかりもとの世界のように夜型生活が身に付きつつある。コワイ。


 公開訓練イコール、アイドルのコンサートと早々に位置づけたイズナにとってファン(見学者)のマナー違反は許せなかった。


 お箸の国に生まれた人間としてアイドル(騎士たち)に迷惑をかるようなファンはファンと認められない。


 と、謎の正義感が燃える。


 しかし、何事も規律だけではだめなのだ。ルールを守った楽しみ方は大事だ。


 そこで考えたのがファングッズである。


 夫婦や婚約者のお揃い、兄弟や友人の色違いといった持ち物を合わせて愛情を表現する文化があるというのは学んだのでいっそそこを利用しようという考えだ。


 好きな人と同じ色を身につける。しかも公式グッズともなればお喜び間違いない。


 ってな具合に幼児化した体に惹きつけられるような単純発想で始めたリボンと扇子作戦は団長夫人のとこの侍女たちを大いにわかせた結果大分広がった。


 その中で幾人かの侍女が日頃の感謝を伝えたいが顔も名も知らぬ女からの突然の手紙など不快にさせそうで怖い。となんとも乙女な話題を提供された。


 見た目幼女なイズナだが本来は三十路超えたおばちゃんである。二十前半の娘たちが頬を染める姿は初々しく愛らしいのでついついファンレターなるものを教えてあげた。


 しかし初めてを取り入れるのはなかなか難しい。そこで、彼女たちに『協力』と称して頑張る騎士に短いコメントとハンカチのプレゼントを提案した。


 手紙の用紙はこちらで決まった記入用紙があると説明して、侍女長さんにお願いして「侍女さんたちに手伝って」もらうことにした。


 それから差し入れのハンカチは布は用意して決まった色で刺繍だけしてもらうことにした。さすがは王族に使える侍女で彼女たちは見事なまでの刺繍を刺してくれて終いには誰にあげるとかじゃなくてただ楽しんでいた。


 それでも手紙だけは渡したい相手だけにと添えた。無理強いしてラブロマンス誕生ならいいがストーカー誕生物語を発生させるわけにいかない。


 当たり障りのない文章で自分が書けばいいのだ。


 これらの費用は団長がしっかり予算から出してくれるといったので遠慮なく楽しんでいる。


 さらに調子に乗ってうちわを提案した。うちわの作りを図解で説明すると団長夫人が木工師のなかに竹細工の専門職がいるからと呼んで生産をしてくれることになった。


 試しだからたくさんいらないだろうと思っていたのだが、とりあえず100枚と言っていた。多くない?


 サンプルといいながら出来上がったうちわに団長用にいくつか言葉を飾った『団長尊い!』『顔が良すぎる!』『圧倒的勝利』『一生ついていく』『団長笑って』『団長抱いて』『しんどいオブザイヤー』の日替わりである。


 帰宅した団長にそれを見せたら大分反応が良かったらしく、『団長抱いて』の日には玄関口から俊足で奥様へ距離を詰めるとハグしてしばらく離してもらえず、空腹の息子たちから非難された上にその日は朝まで寝かせてもらえなかったと頬を染められた日には口から何かが飛んでいった。


 その話は既婚者組の侍女がたいへん湧いた。わざわざ恥ずかしいことを口にせずとも熱い夜が過ごせるというのはマンネリ化した夫婦にはかなりいいらしい。


 そんな話を聞けばそういえばこの世界の夜事情とは……?とかなり耳年増なことになってマンネリ防止には3パターンあると教えた。


 一つは清楚系の王道下着でおとなしくされるがままになること、2つ目は着る意味あるのか?と疑いたくなるようなエロ下着で攻めに転じること、3つ目は相手の好みに合わせた衣装で脱がせるところから雰囲気を作るである。


 厳密にはまだまだあるがいきなり手のうち全部晒しては良くないだろうととりあえず誰でも当てはまられるものを勧めてみる。


 するとエロ下着とは何か、相手の好みに合う服装とはということに話が及ぶ。


 幼女に夜を相談する熟女たちというなかなか奇妙な図ができているが会話だけ聞けば違和感がないから周囲は首をひねる。


 エロ下着については図解で説明する。ローテーブルに頭を突き合わせるそこに主従の遠慮はない。


 まぁ、とうの団長夫人が既婚者組を呼び寄せるのだから問題ないのだろうとイズナは早々に位置づけた。


 少し離れたとこにいる独身組も後学のためと興味津々である。


 そもそもこの世界に『エロい』という単語がなかった。


 それは伝わるにはかなり根気と努力が必要だった。にも関わらずやっぱり伝わらない。


 しょうがないから後日参考文献を用意するから下着の優位性は今度話すと打ち切った。


 次に相手の好みに合わせた衣装についてだ。つまりはコスプレとかイメクラの提案である。


 もちろんこれもすぐに理解などしてもらえない。そもそも獣人の彼女たちは自分の持ってる魅力を相手が勝手に好むのが普通なので相手に合わせるという発想はない。


 自然界はメスが優位だと動物番組でやっていたな。と頭の隅で思い出しながら周囲を見渡した。


 そうして、背格好の似た侍女と女騎士に制服を取り替えっ子してみてと促した。


 もちろん髪型や小物までこだわってほしいとも告げたし、ほかの侍女にも手伝いを求めて完璧な装いを求めた。


 彼女たちをまっている間にわかりやすく制服萌についての講義を行う。そうしている間に着替えが済んだらしく侍女服の騎士と騎士服の侍女が出てきた。待っていた面々は娘を褒めるように盛り上がる。


 落ち着くとイズナは二人に合図してコソコソと内緒話をする。すると二人はちょっと戸惑いつつも頷くと入り口の内側を守っていた男性騎士二人の前に立った。


 そう、最初から護衛の男性騎士がたっていた。しかしあえてイズナはそれを無視して夜のトークをした。


 女には女のネットワークがある。ならばもちろん男には男のネットワークがあって、彼らが騎士団でそれを広げててゆくゆくは貴族社会まで広まってしまえと思っている。


 わざとである。


 そんな彼らは騎士であるがゆえに護衛の態度を崩さないが態度はソワソワしているし、耳はピクピク動いている。低身長のイズナは視線的に視界に入るから仕方ないが男の象徴がうずいているのではと思わせるスラックスの張りがあるがそこは淑女として見ないふりを決めこんだ。


 騎士たちの前に立った騎士服の侍女がちょっと頬を赤らめて『シャンとしろ!その根性叩き直してくれる!』と腰に手を当て仁王立ちし、侍女の格好をした騎士が頬を染めて同僚である彼らの前で手をもじもじさせながら『ご主人様、御用はなんでしょうか』と上目使いに訪ねた。


 突然の出来事にただでさえ落ち着かずにいた彼らはもう降参するしかなかった。一人は片手で目を隠し反対の手で腹のあたりを強く握って天を仰ぎ、もう一人は低くふっかぁ〜いため息とともにヤンキー座りで俯いた。


 これはしばらく動けまい。


 そこにいた誰もが哀れな犠牲者をそうっとしておくことにした。


 「これをギャップもえといいます。ふだんせいそのなひとがおてんばともおもえるこうどうをし、ふだんいさましいひとがていしゅくになるほどそのさにやられるのです。それをかんたんにひきだせるのがせいふくをきることです!」


 びしりとだれにするでもなく人差し指をびしりと突きつけてイズナは無い胸を貼る。残念だ。


 さらに制服は何でもいいわけではないと釘を刺しておく。あくまでもあれは禁欲的だからいいのだ。あけすけないかにもはよろしくないし、場末の安物は偽物感が萎えさせるのだ。本職に負けないごっこ感が大事だとも言っておく。


 そこで後日仕立て屋を呼ぼうということになった。従来ある制服でそういったことをするのは規律と安全面から良くないとなり、ならば本職の手を借りてそれ用にちゃんと作ろうとなった。……それ用って


 雲上人の遊び恐るべし。


 数日後集まった面々によって夜の制服カタログ(笑)が完成した。侍女や騎士に限らず事務官や医務官、それぞれに階級別など本職もびっくりな本格カタログで、デザイン画の最終案を次々スマホ撮影して画像編集してできたものだ。きちんと背を糊付けして表紙もつけて改めて夫人に提出するとかなり喜ばれてそれからは仕立て屋に『例のカタログの何番目』で話が通じるようになった。


 このカタログが淑女のサロンと紳士クラブで出回るなんてイズナは思いもしなかったが、それはまだまだ先の話である。


 なお、このカタログは先日最初の犠牲者となった騎士二人にイズナからお詫びとして一冊ずつ贈呈した。もちろんカタログの通用する店の名前を添えるのを忘れない。


 せかくまとめたカタログなのでイズナも職業ごとに注文をかけてコスプレ生活を楽しむのだった。


ご覧いただきありがとうございます!


不快にならない、下品にならないシモネタを目指してみました!たぶんもう少し続く…と思います。気分を害される方がございましたらすみません。

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