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リオンSide 仲間はずれはちょっと

お越しいただきありがとうございます!


なんとブックマークが100超えました!ありがとうございます!これからも更新頑張ります!

 初めて食堂に連れて行ったイズナは可愛かった。小さな手を洗う姿はアライグマより可愛かったし、食べ物を口にする姿はひな鳥よりも愛らしくてついついラパンと競うように与え続けた。


 獣人にとって求愛給餌という行動がある。特別な異性に対して自分は相手を食に困らせることはない!という本能的なものである。


 ラパン……もしかしてそれ求愛給餌じゃないよな。弟妹のようでと言っていたが、本当だよな。まさか異世界から強制的に呼び出された少女相手に盛ってないだろうな……。


 俺は……俺のは保護欲だ。力のあるものが群れの中にいる弱いものを守るのは当然だ。


 当然……だよな?


 頬袋に詰め込んでモグモグしてる姿はずっと見ていられる。


 なんで今膝の上に抱いてないのか不思議になるくらい可愛い。


 そんな姿を愛でつつも卓の会話は公開訓練の話になる。


 市民に開かれた政治、といえば聞こえはいいがこの公開訓練は出会い目的にやってくる者も少なくないので観覧席でトラブルも多い。


 先月の熊と牛獣人の令嬢がヒートアップした際の取っ組み合いはすごかった。手を止めた騎士が密かにどっちが勝つかとか、誰を狙っているかなど賭け始めた時には頭を抱えた。


 もちろん胴元は絞めて……罰を与え回収した賭け金は隊長権限で団全員の昼食デザートに変えた。


 そんな会話を黙って……というか喋れないくらい口に詰め込んでいたイズナはメモを取り出していた。羽ペンとは違う珍しい筆記具に視線が集まっているとも知らずに、会話の注意点をメモをとると、やっと空になった口でいくらか質問をしてさらにメモをとっていた。


 ひとしきり書き終えたイズナは丁寧に手を合わせて何かをつぶやいてお辞儀をするとイスから降りて何故かテケテケとネージュのもとに駆けていく。


 「どうしましたか?」


 「あのね……。」


 と、耳打ちをしようとしてイズナは動きを止めると卓につく俺たちを見回してもう一度メモに何かを書き始めた。


 小さな手でちまちま書く姿は愛らしい。懸命に動かすその目は真剣そのもので、そこに怪しいものはないのだが……。


 イズナはそれをネージュに見せる。


 「私でよろしいのですか?もちろんそれは構いませんが。ですが来月までにできますか?」


 するとまたカリカリと音がしてまたネージュにメモを見せる。


 「3日……ですか?そんなに早く?」


 カリカリカリカリカリカリカリカリカリ


 「ええ、たしかに今のところ何か強制される事案もありませんが……。」


 カリカリカリカリカリカリカリカリ


 チラっとこっちを見たイズナがまたそっとメモをネージュに見せながら目を伏せた。


 (なんだ?)


 見せられたネージュもニコニコ笑ってこちらを見たあとにイズナに向き合う。


 「わかりました。」


 なんだなんだ。




 夜、イズナが眠ったのを見届けてからそっと部屋を抜け出した。向かった先はもちろんネージュの部屋である。


 「おや、来ましたね。イズナは?」


 「もう寝た。」


 「そばにいなくて大丈夫ですか?」


 「夜勤のものを一人置いてきた。」


 「そうですか。」


 それ以上何も聞かずに部屋に入れてくれた買って知ったる他人の部屋……といっても間取りは自分の部屋と変わらないので入ってすぐにある応接セットに腰掛け用として先客を見つける。


 「アルタもきてたのか。」


 「そりゃぁ、嬢ちゃんがネージュと内緒話すりゃ気になるでしょ。」


 そう。一体何を話していたかイズナに再三聞いてみたが内緒とはぐらかされたされたのである。


 「で?イズナはなんだって?」


 「全くせっかちですね。」


 苦笑するネージュだがそんなことにかまってられない。会ってまだ一日の人物の不審行動を気にする事よりも、自分が疎外されていることが面白くない。


 「で?どうなんすかネージュさん。」


 どうやらそれはアルタも同じだったらしい。ぶどう酒片手に顔が憮然としている。


 「来月の公開訓練の案内配布物を作らせてほしいと言われました。」


 「配布物?」


 「はい。受付と観覧席に関する案内状を作るので確認してほしいそうです。問題がなければ採用してくださいとのことでした。」


 「まさか、3日といったのはそのことか?」


 「はい。3日で原案を作ると。」


 「できるのかそんな事?」


 子供がそんな事言い出すだけでも驚きなのに。


 「私もそう思ったんですが、何かしなければいけない仕事は私に今ないでしょう?っと。」


 「なんでネージュさんに言ったんすかね?隊長じゃなくて。」


 「ええ、それも気になったので聞いてみました。すると、事務方の取りまとめはネージュさんじゃないんですか?と。一体何を見聞きしたらそれに気づいたんでしょうねぇ?」


 困ったような、しかしそれでいてどこか楽しそうなネージュは久々に見る。


 「それでなんで内緒なんだ?隠すことでもないだろう。」


 「ああ、それはうまくいかなかったら格好悪いから他の人には内緒にしてほしいと言われました。」


 「格好悪い?」


 「おそらくですが、彼女の常識とこちらの常識が一致せず、彼女の作った案内状が採用されなかったときを考えているのでしょう。」


 確かに所変われば常識は変わる。まして種族が違えばなおさらだが、そこまで考えて行動するとはどうやら彼女は慎重派らしい。


 最後のメモをネージュに見せた姿を思い出して何やら心臓のあたりが暖かくなるのを感じた。


ご覧いただきありがとうございまいした。


今回はリオン視点です。どこまで書いたもんかなぁ。と、思ったのですが、ひとまず切りのいいとこで止めてみました。

先はまだまだ長いぜっ!

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