8、4年生 圭視点
「圭ちゃん!今日家で遊ばない?」
2、3年とクラスが離れてしまったけど4年生でまた菖蒲ちゃんと一緒になった。菖蒲ちゃんはクラスが離れてもまめに顔を出してくれて、たまに遊んでいたからまあ仲が良いと思う。
「うん、いいよ!」
「やったー!ゲームしようゲーム。」
はしゃいでいる菖蒲ちゃんの隣にいる帰り支度をしている大和君をちらっと見る。
この前、私が用事で職員室に入った時、話を聞いてしまった。先生達は大和君が菖蒲ちゃんの隣にいる時は真面目に授業を受けるからとなるべく近くにしているらしい。大和君はいわゆる問題児と言う事だ。
一瞬、菖蒲ちゃん可哀想だなって思ったけど、菖蒲ちゃんはそんな事を考えもせず大和君と遊んだりしているようだ。
「じゃあね大和バイバイ。」
「ああ、じゃあな。」
びっくりした!大和君ってあんな風に笑えるんだ。でも私を見るなりいつもの顔に戻ってしまった。残念。
菖蒲ちゃんと一緒に帰っていると色んな人に話しかけられる。菖蒲ちゃんは自分では気付いていないけど人気があるのでそんな人に誘ってもらえるなんてちょっと嬉しい。
いつも菖蒲ちゃんは誰に対しても変わりがない、クラスが離れても一緒でも、暗い子でも明るい子でも、誘ってくれるし遊んでくれる、だから人気があるんだろうな。
なんだったら先生にも変わりがない。クラスの子達は怖い先生に近付いたりしないけど菖蒲ちゃんは逆に色んな話を聞きに行く。
私はいつも最初頑張った後は受け身になってしまって大体友達が離れてしまう。そこが良くないんだろうなと分かっているけど上手くできない。
「菖蒲ちゃん今帰り?」
でた菖蒲ちゃんと一緒に帰ると絶対に現れる同じクラスの和真君。
「うん、圭ちゃんと帰るの。一緒に帰る?」
「うん、よろしく島津さん。」
「うん。」
正直、大和君より怖い。和真君は学校に菖蒲ちゃんを見に来ているのではないかという位、穴が開くほど菖蒲ちゃんを見ている。授業中も休み時間も今もずっと。
和真君、顔はかっこいいのにどこか地味であまり目立たない、多分目立たないようにしているんだと思う、菖蒲ちゃんと一緒にいる時は楽しそうに笑って話しているけど、他の友達といる時はあまり表情が変わらない。
「今日は圭ちゃんと遊ぶからここで!バイバイ!」
「あーそうなんだぁ。バイバイ。」
あの笑顔が怖い。怖いけど私の考え過ぎかも別に和真君に怒られたりいじめられたりする訳じゃないし。
菖蒲ちゃんと仲のいい男の子2人だけど、和真君と大和君は考え方が違う気がする。
大和君は多分菖蒲ちゃんを友達、いや親友位に思ってる。だから2人は傍から見てても仲が良い。
でも、和真君は違う和真君は菖蒲ちゃんを信じている?なんて言うんだろう、神様みたいに思っている気がする。だから多分、菖蒲ちゃんが死ねと言ったら死ぬと思う。って本の読み過ぎかな。
今は菖蒲ちゃんとのゲームに集中しよう!
絶対に勝つぞー!おー!