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4、小学生になりました。


「菖蒲は本当に言う事を聞かない。ちょっと前までずっと後ろをついてすぐに泣いてたのに、1人でお留守番できるとか、普通に隠し事するとか、駄目って言った事全部破るし、本当に学校でやっていけるのか?先生の言うことちゃんと聞けるのか?」


お兄ちゃんは小学2年生でこの小言の量、お母さんもニヤニヤして見てるだけでは無くて止めて欲しい。


「あのお兄様お言葉を返すようですがお兄様の駄目な物リスト多すぎですよ。あんな物もう破れと言っているような物です。」


こちらもぷりぷりと怒ってやる。いくらなんでも縛り過ぎである。お兄ちゃんは呆れたように深くため息をついて私を見る。


「後1人部屋はまだ絶対にダメからな。はぁ心配だ。学校でもしっかり菖蒲を見ておくから。」


「お兄ちゃんは本当に頼もしいわぁ。菖蒲もこれで安心して学校に行けるわね!」


お母さんはいつもおおらかで可愛らしい。でも絶対にその反応は間違っているぞ!母上!

お兄ちゃんも子供らしくしたまえ!


明日から小学生、出会った攻略キャラは2人まあ変わった事もなく人生を謳歌している。とても悲しいけどれんちゃんとは小学校が離れてしまった。

和真君とはお兄ちゃん同士が仲良しなので1番一緒に遊んでいる友達なのだけど相変わらずあまり話が弾まない、何をするにも私が決めて反対もしないしゲームをしても打ち負かすぞという意気込みも無い。なので読書をしたりひらがなや漢字を勉強をしたりしている。



「机に名前が貼ってありますその席についてくださいね。」


入学式が終わって教室に入ってきた。残念ながら和真君とはクラスが離れてしまったので知り合いがクラスに1人もいない。とりあえず前後左右に挨拶しよう。これは最初の基本だよね。

えーっと前は神田恵ちゃん。


「ねえこんにちは!私国分菖蒲仲良くしてね。」


「うん、私は神田恵!恵でいいよ。」


「ありがとう恵ちゃん。恵ちゃんどこの幼稚園?」


「私はフラワー幼稚園だった。菖蒲ちゃんは?」


「私はわんにゃん幼稚園だよ。」


「私も一緒!」


と会話に入ってきたのは私の隣の席の島津圭ちゃんだ。


「あっ圭ちゃん筆箱一緒だ!」


私の筆箱と圭ちゃんの筆箱は同じ物で少し盛り上がった。圭ちゃんは猫組の子だったらしい。

3人で話をしているとすぐに先生がきて話すのをやめた。2人共いい子そうで良かった!新しい場所は緊張するけどわくわくする。


「うるせえなぁ。」


ん、この声聞いた事ある。松下さんじゃない?恐る恐る声の方へ向くと少し猫目の男の子がいた。椅子をグラグラさせながら腕を頭の後ろで組んでいる。私と目が合うと不機嫌そうに続ける。


「ぴーぴー鳴いて鳥かっての。」


ほお煽りの能力があるね。いいよ。でも恵ちゃんと圭ちゃんは怯えてしまっている。これは嫌だなぁ。折角の入学式なのに嫌な思い出にしたくない。どうすればいいかな。


「うるさくしてごめんね。でも君もガタガタうるさいよ、クワガタか。」


これでいいだろう。煽りには煽りで返す。それが礼儀。


「お前、なんだと。誰に言ってるんだよ!」


後はフル無視作戦。煽り耐性は低いようだね。授業の間ずっと睨んでくるのを無視する。初日はお昼までなのであっという間に終わり、帰る準備を始める。


「おい、聞いてんのか?お前女の癖に。俺に喧嘩売ってんのか?」


あんまり無視するのもいじめっぽいか。恵ちゃんも圭ちゃんもご両親と帰ったので少しお話をしてみよう。


「何?」


睨みながら聞き返し、名前を確認する為に机を見る。

石井大和。ん?この名前見た事ある。どうしても悠斗君のスチルを全部出したくて1枚だけどうしても出なくて攻略をそこだけ見たら悠斗君とのデートで難解な選択肢を選んでいくとヤンキーの石井大和が出てきて悠斗君がからまれてしまうんだよね。あのスチル攻略見ても出すの大変だったわ。

まあ彼は攻略キャラの1人ヤンキーの大和君だ。じろじろと見られて居心地が悪いのかまた彼は怒ってしまう。


「喧嘩売ってんのか?」


「いいえ。でも他の子達を怖がらせるのやめてくれない?みんな初日でナーバスなの。あなたもそうだと思うけど。」


「何を言ってるんだ?ナーバスってなんだ?」


「うーんといつもは気にならない事が気になるみたいな感じ。」


多分。


「ああ、だからお前らが喋ってるのにイライラしたのか?別にいつもはそんな事に怒らない。それに今はそんなにイライラしてない。」


いや、素直すぎない?ヤンキー要素どこにもないよ。めちゃくちゃ可愛いけど顔に出さないように話そう。


「そうなの?どういう事にイライラするの?」


「んー。あの担任ヘラヘラしてるのが気に食わない。それに周りがガキすぎてイライラする。」


「あの先生は1年生相手だからわざと笑ってあげてるの、1年生相手に鬼みたいな顔の先生だったら全員登校拒否になるわよ。後、1年生はガキだから許してお願い。」


「ふっはっはそうだよな。俺もそのナーバスってヤツかもな。後、登校拒否ってなんだ?お前知らない言葉をたくさん知ってるな。ガキのくせに。」


そう言って笑っている。登校拒否は流石に難しかったか、気を付けよう。


「じゃあ帰ろうか?」


「一緒に?お前親は?」


「今日はどうしても用事があってこれなかったの。仕方ない本当に大事な用事だから。」


お母さんはお母さんの祖母、私からみたらひいおばあちゃんが倒れてしまったらしく病院に行ってしまった。


「そうか。俺のとこはどっちも仕事で夜までいない。」


「そうなんだ。あっそうだ帰りに駄菓子屋寄らない?お腹空いたし!ちょうどいい!」


「お前たいがいだな。」


「いいんだよ。法律を破るわけでもなし、子供はのびのびと生活すればいいんだから!」


「お前本当に変わってるな。ああ、俺石井大和。大和でいいぞ。」


「私は国分菖蒲、菖蒲でいいよ。」


「じゃあ菖蒲、くじ引きも付き合えよ!」


「いいよ。大和君絶対にあんたよりは良いのを引いてやるから!」


「大和でいいって!後絶対に俺の方が良いのを引くぞ。でっかいスーパーボールとか当ててやる。」


「じゃあ大和!早く行こう!」


結局、くじ引きを1回ずつ引いて私は小さいビー玉を大和は本当にでっかいスーパーボールを当てました。くじ運が悪いのは転生しても変わらなかったようですね。


家に帰って大和オススメの駄菓子をもぐもぐと食べていると案の定お兄ちゃんに見つかり、どちゃくそ叱られましたとさ。



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