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12、学年レク


「照れるな堂々としていろ。あいつらはガキだ、ガキに舐められたら終わりだから。」


「ちょっとまーだそんな事思ってたの?とにかく私たちはこのカンペを読むだけ仕切り進行するだけ。ん?ていうか何この最後の告白タイムってこんなのなかったよね?」


「とにかく始めるぞ。全員集まったみたいだ。」


私と大和は体育座りで最後の確認をしていた。目隠しとして舞台にはカーテンがありそこにお笑い芸人のように出るというのがカンペの1言目だ。

やばい大和の目が死んでいる。


「ほら!早く出て!」


委員長達に背中を押されてカーテンの外に出る、マイクを握り直し前を見ると皆驚いて大和を見ている。そりゃそうだ今まで運動会もろくに参加しなかった大和が最後にこんな目立つ事をしてるんだから、皆びっくりだろう。


よし!早口はダメ、早口はダメ、早口はダメ!


「はーいこんばんはぁ。修学旅行初日は楽しかったですか?はーい。いいお返事ですね!では一応自己紹介をしますね学年レクリエーションの司会進行の2組の国分菖蒲と。」


「2組の石井大和だ。」


「はーい!では今から私達の事は菖蒲ちゃんと。」


大和を見る。頑張れ!


「大和君と呼んでくれ。じゃあ今からレクを始めようと思うが、まず今回の学年レクの説明をする。今からいくつかのゲームをしてクラス対抗で競ってもらう。勝ったクラスには点数を与える。そして1番点数を多く獲得したクラスには豪華な優勝賞品が配られるぞ。最下位のクラスには罰ゲームがあるがそれはあとのお楽しみというやつだ!じゃあ早速始めるぞ。最初のゲームは!」


「「学年、伝言ゲーム!」」


「では私、菖蒲ちゃんが1組の1番前の人に言葉を見せます。そして3組の最後の人は大和君からマイクを受け取って元気な声で言葉を言ってくださいね。これに成功すると各クラス1点ずつ入ります!前の人から聞ける回数は2回、なので勿論後ろの人に言えるのも2回です。では文章見せまーす!」


えーっと文章は、


【明日の集合時間は8時です。朝食を食べて10時には旅館を出ます。】


って先生からの注意事項か。まあ最初だし仕方ないか。1組の子に見せる。少し笑いながら覚えたようで後ろの子に伝えている。

大和は最後の子にマイクを渡せるように横で待機している。とりあえず上手くいっている。

あ、最後の子にマイクを渡した。私も答え合わせの準備をしなくちゃ。


「明日は旅館を出ます。」


だいぶ短くなったね。大和が戻ってくるのを待つ。


「はいありがとうございます。それでは答えを読みあげます。明日の集合時間は8時です。朝食を食べて10時には旅館を出ます。でしたー残念まずは各クラス0ポイントです!」


ざわざわと皆騒がしく話している。まあ少し待ってやろうまだ時間はおしていないし。


「はい、次はクラス対抗伝言ゲームです、さあ今からが本番ですクラス対抗なので張り切って勝ちに行きましょう!お題は各クラスの担任の先生に纏わる文章です。しっかり伝えてくださいね。ルールは先程と変わらず2回ずつですよ!はいではレク係の担当の人はクラスの1番前の人に文章を見せに行ってくださーい!」


1組から3組まで文章を見せ終わったようだ。皆笑いこけていて楽しそうだ。

各クラスなので割とすぐに終わった。1組から順番に大和がマイクを持ってまわる。


「はい、では1組さんどうぞ。」


大和がマイクを差し出す。


「先生は熱帯魚が大好きで100種類家で育てている。」


「はい、ではレク係さん判定をどうぞ。」


私は1番前で待機しているレク係にマイクを差し出した。


「オッケーです。」


わーっと歓声があがる。


「はいおめでとうございます。1組は1ポイント加点です。」


他のレク係の子が点数をつける。大和が2組に移動してマイクを差し出して言う。


「では次は2組さんどうぞ。」


「えーっと、先生は焚き火を見ているとあの頃を思い出して泣けるんだよ。」


どっと他のクラスから笑いが起こる。確かに意味が分からない。


「はい、判定をどうぞ!」


「残念惜しいです!泣けるんだよではなく泣きたくなるでした。」


「残念でした。2組の点数はそのままです。」


いやあの先生、闇抱えすぎ?怖いわ。また大和が3組に移動して話す。


「では3組さんどうぞ。」


「えーもう何もまわってこなかったんだけど、分かりません。」


「皆さん修学旅行が6年最後のイベントです、楽しみましょうね。でした。」


3組の担任の先生は1番まともなのに残念だ。


「残念でしたね。3組も加点なしとなりました。では次のゲームは!」




「はいという事でゲームは終わりです。では、」


「「結果発表。」」


「まず1位は、1組だ!おめでとう。優勝賞品は先生達が用意してくれたお守りだ。では1組の先頭の人前へ。」


大和が促して1組の子が出てくる1組の担任の先生からお守りが贈呈される。

1組の子達はとても喜んでくれているようだ。歓声があがっている。


「はい、では続きまして2位は、2組です。おめでとうございます。」


2組喜んでいる。罰ゲームは免れたので良しとしようって感じだ。


「では罰ゲームを受けるのは3組でーす!」


ブーとブーイングがくるがどのゲームをしても成功せず加点なしの0点なので腹を括ってほしい。

ってここで告白か。


「はい、ではクラスの中から5人選んで皆の前で告白してもらいます。勿論、好きな人でもいいですが、意外な趣味や特技等で構いません。ではその5人はくじ引きします。レク係さんお願いします!」


カンペに書かれている通りに読み上げる。告白?こんなのなかったのに。負けたクラスのレク係がくじを引いて読み上げる。なのでまた大和が横に付いてマイクを差し出す。

3組の委員長が5枚引き終わったようで、副委員長が開いて読み上げていく。あの副委員長の間宮君は友達思いで大人しく前に出てくるのが苦手だろうなっていう子の名前が出たら自分の名前を読み上げるようだ。レク係はゲームに参加していないので名前が入っていないとさっき1組の委員長に聞かされた。


「酒井、高良、前田、姫野、間宮。おーい俺かよー。じゃあ前に出てきて!」


ふむまあ全員明るいし人気者だね。結局誰かを庇って間宮君が告白するようだ。本当に良い奴だ。



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