表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/23

 ディスタン公爵は有無を言わせない

いつもありがとうございます、読みにくくてすみません。

ドランバレン邸


ヴラーヴェはシャルマン王太子殿下から預かった招待状を、ドランバレン侯爵に託した。


「ドランバレン侯爵いかがでしたか、リヨン様はなんと。」


ドランバレン侯爵の表情からして、リヨン様はお茶会を断ったのだろう。


「ディスタン公爵、折角足を運んで頂いたのだが、娘は体調が優れないと言っています。シャルマン王太子殿下からのご招待ですが、お茶会の席で粗相があってはいけません、今回もご辞退いたします。」


やはりそう来たか。


「そうですか、ですがこの茶会はリヨン様の快気祝いも兼ねています。それにリヨン様は、シャルマン王太子殿下の記念すべき11歳の誕生日にご出席出来ませんでしたし。」


そうわが国、ボヌールロワイヨ王国の王太子は代々11歳の誕生日に王太子妃候補を選らび、その中からひとり妃を決めなければならない。


妃となった方は、用意が整い次第王室に上がりお妃教育を受ける。


だが今のシャルマン王太子殿下には、妃候補の方がひとりもいない。


いや敢えてあの方は選んでいない。もうすでに決めている方がいるのだ、それがリヨン様なのだ。

今回は是非とも、リヨン様に出席して頂けなければならんのだ。


普通親なら、娘が王太子妃になるかもしれないとなれば、シャルマン殿下のお誘は嬉しいに決まっている。未来の王妃になるのだから。

なのにこの侯爵は、「はい」とか「賜りました」とか嬉しそうにはしない。


変わった侯爵だ。


侯爵は、隣に座っていた奥方のヨアンナ様に言付け、ヨアンナ様は「失礼いたします。」と淑女の礼をして後にした。


暫くすると、ノックの音がし「侯爵がはいりなさい」と招き入れた。


そこにはヨアンナ様とリヨン様が入らした。


私は、リヨン様に目が離せなかった。


何と言う美しさだ。


輝くような陶磁器の肌、艶やかなゴールドとシルバーの美しいグラデーション。ふっくら艶付いたローズ色の唇、それになんとも言えない瞳色の猫目が私を見ている。


絶世の美少女だ。


シャルマン殿下が、是非手に入れたいのは良く分かる。

この令嬢が居たら、他の令嬢は霞んでしまうな。


普通にしていてこの美しさ、そりゃ殿下も他の令嬢何て目に入らないのが良く分かる。


「リヨン、ディスタン公爵にご挨拶を。」


リヨン様は私を見てほんわりと微笑んで

「初めまして、ディスタン公爵様。アンドリュー・ドランバレンが息女リヨン・ドランバレンでございます。」

ふわりとドレスを軽くつまみ淑女の礼をされた。


その所作も「美しい」 思わず声が出てしまった。

私はゴボンと咳払いで誤魔化し、立ち上がる。

「リヨン様良くお越し頂けました。私はシャルマン王太子殿下付の近衛兵隊長 ヴラーヴェ・ディスタンです、お見知りおきを。」

再びソファーへ腰掛け、リヨン様にも勧める。

「リヨン様もご存知の通り、明後日に開かれるシャルマン殿下のお茶会に参席して頂きたい。」


有無を言わせない台詞に、リヨン様は困り顔をされたが、ヨアンナ様からの後押しもあり、出席を了承して頂けた。


これで、安心して城に戻れる。


「リヨン様に了承して頂き、安心致しました。早速城に戻り、シャルマン殿下にご報告いたします。」


私は、失礼いたします。と騎士の礼をして、ドランバレン侯爵邸を後にした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ