14 属性について
「話! 話を戻そうか!!」
バッとアイシアを突き放しながら話を戻そうと言い放つ。
「うん、そうだね。お友達の頼みだし――」
「――その同情する感じやめてっ!!」
くすっと笑うとゴメンと軽く謝る。そしてやっと話が戻ってくる。
「属性の話だったね? ってあれ? さっきの話に当てはめると知ってるんじゃ――」
「そこの部分はあんまり知りたくなかったから、うろ覚えなの! だから教えて!」
ちょっと強めに剣幕を込めて言い放つ。
「わ、わかったよ……」
こほんっ。
「属性は基本、一つしか持ってないから話し始めたよね?」
「うん、そうだよ。そこから私がどれだけスゴイのかって話だったよね?」
「うんうん」
理解している部分を先ずは確認。
「そもそもの話をするよ。属性の恩恵は七歳になると恩恵の儀を行ったでしょ?」
恩恵の儀ということを知らないが同意を求められたので一応頷いてみる。
「う、うん」
澄ました顔で知ったかぶりをする事にした。
「あれって授かるのではなく、身体の中に眠る六属性の恩恵を覚ます儀式の事なんだよ」
「つまり?」
「親の遺伝とかが関係してるんだって」
急に科学の話。要するにはアレだ。子供が親のどこかを似るように属性も遺伝されるんだ。リリアの両親の属性を詳しくは知らないけど、どちらかが火、どちらかが闇だったのだろう。
この場合、母が火。父が闇って感じに思えるけど。
「だけど、二つ持ち……双属性以上は色んな要因が関係してるんじゃないかって言われているらしいの」
「色んな要因?」
「例えばその人の性格とか環境とか……なんだったら未来の自分を予想して目覚めるなんていう学者さんもいるんだよ」
「へえ〜……」
この時、痛烈に心当たりを感じた。
元の彼女は被害妄想の激しい引きこもりぼっち自殺志願者だ。激しい闇を感じる。
「しかも属性って一言に言っても特性も様々で、得意な用途が性格によって変わるらしいとも言われてるね……」
片方の眉をヒクつかせながら恐る恐る尋ねる。
「特性って?」
「その属性によって起きる身体に身につく効果……かな。後は得意な呪文とかそういう感じのものです」
「例えば私とリリアは火属性だから細菌系の病気にはかかりづらいとか、リュッカは地属性だから身体が他の属性の人より丈夫とか色々だよ」
へえー……所謂スキルってところか。じゃあ闇は?
「えっと、闇の特性とかわかる?」
「闇は確か……夜目が利くとか眠くなりにくいとか。ごめんね、詳しくはあまり知らないの」
「ううん、いいの。ありがとう」
「ていうかリリアちゃんの方が詳しいんじゃないの? 生活してれば感じなかった?」
そんな余裕ありませんでしたっていうかさすが闇。引きこもりスキルが高いな。
顔を引きつらせながら苦笑いで返した。




