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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
2章 王都までの旅路 〜残念美少女から普通の美少女になります〜
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13 友達の作り方

 

「あっ、話の腰折ってゴメンね」


 リュッカの属性の話を途中でぶつ切りにしたのを謝る。


「ううん。別に大丈夫ですよ――」


 何かに納得のいかないアイシアはさらにリュッカの話をぶち切る。


「さっきからリュッカ敬語! リリアちゃんとは歳も同じそうだし、フレンドリーにいこうよっ!」


「……いや、シアまだ会って間もないし――」


 正直、俺自身としては女の子とどう話したらいいか探り探りな分、彼女達には気を遣わず話してほしい。


 だけど自分から歩み寄らないとダメか。この出逢いを無駄にしないためにもね。小さく気付かれないように息を吸う。


「そうだね、アイシアちゃんの言う通りだよ。間もないとはいえ、私も仲良くなりたいし。まずは形からって事でどうかな?」


「そ、そうですか……?」


「ほ〜ら〜。そこっ!」


 アイシアはビシッと指差し、指摘する。


「ううっ……そ、そうかな」


「そうそう。私と接してる時みたいな感じで」


「まあ、急には無理だと思うから少しずつね……」


 すると後ろの方からすすり泣きが聞こえてきた。そっと振り返ってみるとバトソンが泣いていた。


「バトソンさんどうしたの!?」


「いや、まさか……あのリリアちゃんがそんな事言うなんてねぇ。さっきの魔物退治といい、この会話といい、リリアちゃん……ぐすっ……本当に変わったんだねぇ」


 まるで自分の娘の成長を感じてるかのように感動していた。


「お、大袈裟だよ、バトソンさん!」


「あのリリアちゃんって?」


 やべっ! 前のリリアちゃんの印象はあまり教えたくない。


「ああっーー!! えっと――」


「村にいた時のリリアちゃんは友達も一人もいなくてね……」


 俺の誤魔化しをスルーして話を始めた。


「いつも家に引きこもって魔法の勉強か外に出ても自殺の仕方を検討するかだったから、こっちとしてはヒヤヒヤものだったよ」


 二人共、信じられないと顔に書いてあるように唖然としているが、その表情は無理もない。


 引きこもりぼっちの自殺志願者と勇敢に魔物を撃退した美少女魔法使いじゃ、どう考えたって印象が一致しない。


「あの……あのね」


 何とか言い訳しようと焦っていると同情するかのような優しい表情でこちらを見る。


「……色々あったんだね」


「気を遣わせてごめんなさい。そうです……じゃなかった、そうだよね、闇属性に二つ持ちだもん……色々あるよね」


 立場が逆転してしまった。するとアイシアは優しくハグしてきた。


「大丈夫。私達がお友達になってあげるからね」


 きゃああ〜〜〜〜っ!! 女子に抱きつかれたっ!! 母親以外の……女子っ!!


 胸の柔らかい感触がぶつかり合って、ふわっと女の子特有の甘い匂いもぉ〜。そして耳元で囁かないでぇ〜!


 顔が一気に耳まで真っ赤になる。自分の免疫力の無さが悲しい。


「あ……ありがとう……」


 ――こうして人生初の女友達が出来ました。なんか思ってた展開と違う。心の中で嘆いていたのは内緒です。

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