20 迫る狼
「――父上!!」
ハイドラスが慌てた様子で玉座の間に駆け込むと、そこには危機迫る表情で事情を説明していたファミアと落胆しているエリン、側近のユーキルの姿があった。
するとファミアがハイドラスの元へと近付いていく。
「ファミア……無事――」
「ではありませんわ! 事情の説明を願えるかしら?」
そう言って怒った様相でハイドラスの胸ぐらを掴み上げる。
ファミアは何故あんなゴーレムが動き出したのかは、ハイドラスが知っていると思っての行動。
自国が半壊するなど合って良い話ではない。
「ま、待て。私にもわかるように説明を……」
ハーメルト陛下やエリンもファミアを止めようと説得する中、遅れて来たリリアが息を切らした様子で玉座の間へ。
「はあ、はあ、はあ……ハ、ハーメルト、殿下……様。は、速い……」
「ん? 黒炎の魔術師リリア・オルヴェール……」
リリアは初対面のファミアのその様子に怯えた。
天下のハーメルト殿下の胸ぐらを掴み、鬼のような鋭い眼光で睨みつけ、高そうなドレスに身を包みながらも完璧に着こなす高圧的そうな女性。
自分との格の違いを見せつけられる。
「あ、あばばばば……」
「は?」
思わず頭に血が昇っていたファミアは、拍子抜けさせられるほどにリリアの様子が以前と違うことに気付く。
ぺたんと女の子座りで腰を抜かし、青ざめながらガクガクと震え、美しい蒼眼の瞳からうるうると涙を浮かべる姿は、以前から会っていたリリアからは想像も付かなかった。
ファミアは胸ぐらを離す。
「――がっ!?」
「ハイド。これはどういうことです?」
ファミアの高圧的な視線はリリアに向けられた。
「ひっ!?」
リリアはあわあわと隠れる場所を探すが、ここは隠れ場所の無い玉座の間。
ハイドラスの背後に隠れても意味が無いことは、先ほどの光景から明白。
ハーメルト陛下の背後なんて論外。ファミアを止めようとする同じ高貴な服装に身を包んだ少年エリンも該当しない。
ファミアやエリンを守るように気配を放っている黒マントの男ユーキルなんて、怖くて近付けないリリア。
しかもリリアは腰を抜かしてしまっている。
だからその場で丸まって身を守ることにした。
「た、食べても美味しくありません!」
「……」
ファミアは思わず――こいつは何を言っているのかしらと内心思ったことを、
「誰かしら? このヘタレ泣き虫は?」
数十倍の悪口と共に尋ねた。
「ふう……っ!」
それを聞いたリリアは更に涙を滲ませ、ハイドラスはその光景に救われたのか呆れたのか、ため息混じりに答えた。
「……そのリリアは別人だ」
「? 以前のヘレンという娘もこういう性格ではなかったと思うのだけど……」
南大陸からハーメルトに行く際の別人ヘレンの印象は明るく人当たりの良い性格。
まるで正反対な性格だと批判するが、
「そっちではなく、元々のリリアが帰って来たのだ」
「は?」
ファミアには鬼塚の話は一切していなかったので、言っていることがわからない。
学園長や生徒達同様に、異世界のことを隠したいと思ったが、ファミアはこちらの嘘など簡単に見抜きそうだったので、ハイドラスは本当の事を説明した――。
「――つまり何? わたくしが今まで接していたリリア・オルヴェールはその異世界人で、本物がこれだと……」
ファミアはそう言って、小動物のように怯えるリリアを指差した。
「これとか言うな。それでも異世界を渡る魔法を作った天才魔術師だ。それに術式の改変なども行える技量も持つ。優秀なんだ、それでも……」
するとリリアは余計に涙顔になっていく。
「ど、どうした?」
「わ、わかっております、ハーメルト殿下様。私は所詮『それ』呼ばわりされるほど下等なんですから……」
「そんなことでいちいち落ち込むな!」
「なんだか面倒くさい性格なんですね」
するとハーディス達に呼ばれたアイシア達が合流。
「リアーっ!」
「リリアちゃんっ!」
ピクンとお耳が反応したリリアは、すぐ様リュッカに飛びつく。
「リュッカさぁん! こ、怖かったですぅー!」
「は、はあ……」
リュッカはちらりと見た先には、リリアが苦手な女性のタイプとしてるファミアが目の前にいた。
なんとなく怖がった理由を察すると、
「お久しぶりです、ファミア様」
「わたくしの顔を見て察しないでくださいな」
ファミアもその辺は簡単に見抜き、少し不機嫌そうに言うと、リュッカ達はペコペコと謝り、ファミアがここにいる理由を語る。
「ラージフェルシア付近の湖にて、古代兵器と思われるゴーレムが突如として出現しましたの」
「「「「「!?」」」」」
「心当たりが……あるようですわね」
ファミアは集まった全員を見渡し、その表情から察した。
「あの男は南での戦争だけでは飽き足らず、今度はこちらでもめちゃくちゃするつもりですのね!」
「その原因だが、奴らのアジトは古代兵器のゴーレム内だったと最近わかってな。今さっき話した異世界の件があっただろ?」
「ええ」
「一週間ほど前にもクルシアはここでその事件を起こしている。異世界の扉を開ける魔法をな。おそらくもう一度開けるつもりなんだ……」
先程リリアと話していたことがこんなにも早く現実になるとは、ハイドラス達も思っていなかった。
「それで、被害の方は……?」
恐る恐る尋ねるリュッカに、ファミアは少し首を横に振る。
「わたくし達は駆け込むようにこちらへ繋がる転移魔法陣で避難してきましたの。古代兵器のゴーレムではないかとこの子が言ったものでね……」
そのエリンは、酷く落ち込んだ様子だった。
初対面のリュッカ達だが、ファミアと一緒に来て、ユーキルが目を離さないところを見ると、この子のある程度の立場は理解できた。
「確か以前、弟さんがおられるとか……」
「ええ、その弟よ。ご挨拶なさい」
呼びかけられるエリンだが、一向に反応しない。
「エリン!」
「――は、はい! 姉上!」
「心配なのはわたくしも同じこと。あの光景を見れば……言葉を失うのも理解はできます……」
「あの……光景?」
報告を知らないリュッカ達は首を傾げるが、ハイドラス達はその心中を知るところにある。
国の半壊など合って良い話ではないし、まだ幼い彼には過酷な現実だ。
「ですが貴方はラージフェルシアを継ぐ男。毅然としていなくてどうしますか?」
「あ、姉上……」
「国のトップになる人間がそんな顔をしていては、民は着いてきません! こんな時だからこそ、胸を張り、堂々となさい! 自分が居れば大丈夫だと、振る舞いをお見せなさい!」
中々厳しいことを言うファミアだが、ハイドラスからしてもその言葉には奮い立つものがあった。
国を背負うことは生半可な覚悟で望んでいいものではない。
以前、テテュラにメルティアナを人質にとられた際、妹一人救えない人間に、王位を継ぐ資格がないと思ったように。
「厳しい言葉ではあるが、ファミアの言う通りだ」
「ハイドラス様……」
「エリンがついて来いと背中を見せれば、ラージフェルシアの住民達も安心していられるし、助けてもくれる。私がそうだった……」
その人質にとられていた時、救い出してくれたのは、フェルサとアルビオだった。
フェルサはともかくとして、アルビオは自分のことを強く信頼してくれていたからこそ、あの場に助けに駆けてくれたのだ。
それはハイドラスが行なってきた行動が、アルビオにも影響を与えたものの証明だと信じている。
「王とは国の代表。頑張ってくれる民のために先陣を切って国の舵取りをしなければならない。ならばその先頭ですくんでいるわけにもいくまい。お前の父はどうだった?」
「父上……」
残ると言った自分を送り出した父は、そんな不安げな印象は無かった。
毅然として振る舞い、部下や自分達を導こうとした姿が印象的だった。
するとエリンは、バッと顔を上げるとシュビっとお辞儀した。
「失礼しました。わたくしはラージフェルシア王国王子、エリン・ラージフェルシアと申します」
自分達より年下でありながら、立場の理解力とその切り替えはさすがは王族だと、リュッカ達も微笑んだ。
「よろしくお願いします、エリン様」
「それで……国の状況は?」
「……我が国は半壊したように思えます」
ハッキリと確認はしていないようだ。
するとファミアが詳しく話した。
「我々は転移魔法陣でこちらへ避難する際、光線のような迎撃を受け、町が破壊される光景を見送りました。被害の詳細は不明とするところですが、あの攻撃を考えれば……」
少し大袈裟に話すのにも納得がいくところだった。
古代兵器の光線なんて聞いたら、魔導砲をイメージするところがあった。
何せあの妖精王ゴーレムを破壊するほどのものだ、それに似たものと捉えられる。
「陛下。アイナの部隊は……?」
「うむ。今動かしている」
アイナの風の魔術師団による情報収集は、ハーメルト陛下の指示の元、遂行されていた。
「さて、オルヴェール」
「は、はい」
「その古代兵器を動かした理由としては、やはり扉を開けるつもりだと思うか?」
「お、おそらく……」
「となると必然的に奴らはこちらへ向かってくるな」
みんな一週間前のことを思い出す。
「クルシアが再びあの魔法を使うなら、その媒体にリリアちゃんがいるってことですね?」
「その通りだ。いくら魔力を溜めようと、その道筋を作れる存在を確保できないではな」
それに罠によって獲得したデューク達の情報だけでは不十分だろうとのこと。
地図を広げて、ラージフェルシア王国から王都ハーメルトまでの直線上をなぞってみた。
「奴らのゴーレムはかなり巨大な物と聞く。ならば障害物など無いに等しいだろう。なれば……」
すると進行先にはドゥムトゥスとアルミリア山脈、タイオニア大森林というルートとなった。
そのことにアイシア達も絶望する。
「そ、そこは……」
「パ、パパ……ママ……みんな……」
「狼狽えるな! やらせはしない! アルミリア山脈付近の村や集落は勿論だが、ドゥムトゥスもやらせるわけにはいかない」
「まあどちらにせよ、ドゥムトゥスの手前で止めねばなりませんわね」
するとハイドラスはハーメルト陛下に跪く。
「陛下。此度の作戦の全権をわたくしに。必ずや止めてみせます」
「うむ。任せるぞ」
「は!」
バッと立ち上がると、ハイドラスは先導するように指揮を取る。
「ここにいる全員、ハーメルトが第一王子、ハイドラス・ハーメルトの指示の元、迫り来る古代兵器を食い止め、その首謀者を……今度こそ捕らえる! 皆、私に力を!」
「「は!」」
「「はい!」」
「「おおっ!」」
するとハイドラスは、ハーディスとウィルクには関係者各位に話が出来るよう、取り繋いでほしいとの指示。
アイシアとリュッカはアルミリア山脈付近の村や集落まで急ぎ飛んで、ゴーレムの予測移動箇所を避ける避難誘導。
オリヴァーンは王都ハーメルトの守りの強化。アイナの部隊は各位に情報伝達役。ヴァートはハイドラス、リリア、アルビオ、ファミア、エリン、ヴィ、ネイと共にドゥムトゥスへ向かう。
フェルサは冒険者ギルド、ナタルは学園や貴族達に連絡。協力や避難などを呼びかけることとなった。
***
「そ、それは真ですか!?」
「ああ……」
ハイドラス達は転移魔法陣でドゥムトゥスまで移動。早速、国のトップとの会談が始まった。
アイナの連絡では――こちらへ来るまでに少し猶予がある様子だと判断されていた。
何でもゴーレムが正常にこちらへ走ってきてはいないとのこと。
よろついては鳴き叫びながら、急に走り出すの繰り返しだそうだ。
まるで何かに抗っているかのようだそうだ。
「――ですので、こちらを拠点にあの古代兵器に対応しようと考えております」
「そ、それは是非! 願ってもないことです」
「と言っても、具体的な解決策が思いつかないのが現状。ヴァートの部隊に足止めとして城壁魔法の準備を進めているが、情報にあったゴーレムをどこまで足止めできるか……」
アイナは水晶型の魔石で投影し、ゴーレムの姿を映して報告していた。
大きさは妖精王ゴーレムと同格ほどだが、あちらとは違い、根を張ってないため、地脈からの魔力供給はないと判断。
ただ狼のような姿をしたゴーレムには夥しいほどの術式が書き込まれていた。
「俗に言うルーン・ゴーレムですね。術式の方はどのようなものが――」
「……サ、生贄かと……」
そのリリアの言葉に、ドゥムトゥスの重鎮達はガタッと椅子を立つ者などが現れ、その魔法には縁があるとハイドラスは呆れる。
「またそれか。困ったものだ……。オルヴェールはあのルーン・ゴーレムをどう分析する?」
大精霊から情報を得られない以上、見たものから推察する他なかった。
分析力に長け、魔法術式に詳しいリリアの見解を尋ねた。
「は、はい。あのルーン・ゴーレムは辺りの魔力を生贄によって食い散らかされているものと考え、ます。そのエネルギーを首謀者クルシアは、目的の魔法術式に流し込んでいるものと考えられ、ます」
ファミアはその分析に感心しながらも、バッと扇子を開く。
「つまりは城壁魔法を展開しても崩落するし、近寄ることもできないと?」
「い、いえ。城壁魔法に関してはあらかじめ発動しておけば問題ない、かと。近寄る方は、その……魔力量の多い生物なら何とか……」
魔力の維持によって形成されるものならば問題はあるが、キャッスル・ウォールといった一度発動すれば良いものならば、そのまま維持できるため、生贄の影響は受けない。
ただ魔力保持者は基本、近づけば吸われてしまうので、近寄ることは困難を極める。
「口から吐いている光線については?」
「あ、あれは魔力です。おそらくは精霊達を魔力そのものに変換し、攻撃を行なっていたものかと……」
ちらりとアルビオの方を見るリリア。
精霊を従える者が聞きたい話ではないだろうなという、顔色を窺う視線。
あのデス・フェンリルのことを大精霊が頑なに語りたくなかった理由が表沙汰になった。
要するには吸収された仲間が武器にされて飛んでくるのだ。される方は気が気ではないだろう。
だがここでふと疑問が湧いた。
「おい。クルシアは魔力を集めるために、あのルーン・ゴーレムを動かしている……だよな?」
「は、はい。殿下」
「ならば明らかに魔力消費の激しそうなあの光線を撃ち出す理由はなんだ?」
異世界の扉を開けることが前提の割には無計画だと話すハイドラス。
だがハイドラスの疑問はそれだけではなかった。
今まで周到な手段でこちらを奔走してきたクルシアにしては愚策とも捉えられた。
「さ、さあ。道化の王冠に何かあったとしか……」
道化の王冠の事情などほぼ知らないリリアの返答はこんなものだった。
「もしくは古代兵器の扱いを甘く見積もっていたのでは? 何せ数千年も前の代物ですもの。記録もほとんど残ってませんし……」
ファミアの言うことも尤もだった。
記録がないからこうしてアイナからの情報だけで判断している状況なのだから。
「後はアレですね。やはり戦力の低下、裏切りなどがあのクルシアと言えど精神面での焦りが出たのでは?」
アルビオの意見には、どうにも納得はしなかった一同。
クルシアの狡猾性を考えれば、焦燥感に駆られるのは考えにくい。
だがそんな焦燥感があるのはドゥムトゥスの重鎮達。
「殿下! 彼らの意図の分析もよろしいですが、対策を……」
「わかっている。焦るな」
するとその場に避難誘導を済ませてきたアイシア達が入ってきた。
「ここで作戦会議してるって本当ですか?」
「シ、シア!?」
「アイシアさん! リュッカさん!」
寂しかったとリリアは、ヒュバっと抱きつく。
「えへへ。リアったら可愛い」
「そんなことより、避難誘導は済んだのか?」
「はい。途中でリンナさんにお任せしてきました。我々はこちらで力になれと……」
リンナとしても住み慣れた近隣住民の危機には力になりたいと避難誘導を買って出たそうだ。
するとハイドラスは、リリアに抱きつかれてほんわかしているアイシアを見ると、
「なあ。ドラゴンで強襲というのはどうだ?」
「「「「「!?」」」」」
「へ?」
「ドラゴン種は魔力も非常に豊富だ。生贄の影響も大きいだろうが、瞬時に飛んで飛び込むくらいは問題ないのではないか?」
「つまり、アイシアさんを筆頭にドゥムトゥスの龍操士を起用して、乗り込むわけですか?」
アルビオの意見を聞いたアイシアは、パチクリとした目で自分に指を差した。
ドゥムトゥスの人達も動揺するが、
「彼女は龍の神子という血を継いだドラゴンの使い手。皆さんも西大陸にて大量のドラゴンがこちらへ来たという話は聞いているはずだ」
「え、ええ。確か、殿下が解決されたとか……」
「表ではな。本当に解決したのは彼女だ」
「「「「「!?」」」」」
「彼女は龍神王からも認めてもらうほどの乗り手だ。信用してほしい」
伝説の原初の魔人の噂はドゥムトゥス達も聞いていた話だけに信憑性があった。
「わ、わかりました。すぐにベテランの乗り手の手配を……」
「そういうことだ、マルキス。頼めるか?」
「はい! 任せて下さい!」
「それで? 具体的にはどうするつもりで……?」
ファミアの質問にハイドラスは、視線をリリアに向けた。
リリアはクルシアが動けば行動を起こすとしていた。
その視線に気付いたリリアは、こくこくと頷く。
「潜入はマルキス及びドゥムトゥスの龍操士、私とオルヴェール、護衛にヴィとネイ。君達も来てもらう」
「「!?」」
デューク達のためにハイドラスについてきた二人だが、さすがに驚いた。
「い、いいの?」
「ああ。おそらくオルヴェールは、例の魔法を使う。そうだろ?」
リリアはこくこく。
「デューク達を迎えてやれ」
「「はい!!」」
だがメンバーに入っていないアルビオが尋ねる。
「あの、僕はどうすれば……?」
「精霊達にとって、あのゴーレムは因縁であり、恐怖の対象だろう。無理強いは良くない」
「しかし……」
「それよりもゴーレムが予想外の動きをしているんだ、ナチュタルと共に臨機応変な対策をアイナ達に頼む」
そう言われると納得してしまった。
それはフィン達も何も言ってこないからだ。フィン達もあのゴーレムとはさすがに関わりたくない様子。
だがやはり諦められない気持ちもあるようで、
「フィン。あの……」
「言いたいことはわかってる。だけど……悪いな」
「……!」
アルビオも精霊達のことを考えれば納得もできるのだが、こんな危機的な状況なのに手をこまねいている自分にもがっかりした。
「アルビオさん」
「リュッカさん……」
「私達は迫るあのゴーレムからみんなを守りましょう。精霊さん達もそのためなら全力を尽くしてくれますよ」
リュッカのその言葉に精霊達も強く頷いた。
「わ、わかりました。僕、頑張ります!」
「ファミア達はここにいる皆と作戦指揮をしてくれ」
「わかりましたわ」
「ハイドラス様! ご無事をお祈りしております」
迫り来るデス・フェンリル。
その猛威を振り払うべく、各位は行動を開始した。
 




