17 不穏な動き
エルヴィントの森を抜けたアルビオとフェルサ。フェルサは再び例の薬を飲み、フェルシェンで休息を取った。
その翌日、グリーンフィール平原にある特徴ある大岩の前で待ち合わせ。
「お待たせ!」
可愛い赤いリボンがチャームポイントの金髪ショートヘアの彼女が元気に声をかける。
「コラ! はしたないでしょ?」
「ディーヴァがお堅いんだって……」
「そう? 普通ではないかしら?」
エルフは基本的に金髪なのはわかっていたが、本当にそうなんだとこの光景を眺めながら感じた。
「そういえばドタバタしていて、ロクに自己紹介もしていませんでしたね。私の名はディーヴァ。こちらがエフィです」
「これはどうも。僕の名前はアルビオ・タナカ。彼女はフェルサと言います」
このディーヴァという人は、真っ先に襲ってきた金髪ポニーテールの方。
あの時は熟練された仕草に恐ろしさを感じたが、味方になってくれるのは頼もしい。
「それでは向かいましょうか?」
「うん」
これから点々とある獣人族の里に赴く。
南大陸はざっくりと種族間で分けられたかたちとなっている。
その境界線のようなかたちとなっているのが、このグリーンフィール平原。
一応領地としては人間の所有土地なのだが、広すぎるため、持て余しているという。
いくつかこの平原にも村や町があるが、ヴァルハイツといった都会に馴染めなかったり、人間絶対主義を認められない移住者などがいると話す。
今回はそこには行かず、獣人族達が根城にしているエルドー山付近に向かうこととなる。
ここから用意した馬に乗り、駆けるアルビオ達。
「しかしお二人が僕との同行に批判的でなくて良かったです」
「まあ私はみんなほど人間は憎んでないからね」
「私の場合はそうだな……改めて考える必要があると思ったのだ」
自分の行いを反省するかのように気を落とす。
「ナディさんの言葉ですか?」
「ええ。私も貴方に斬りかかった時は、やはりレンと一緒でね。人間への憎しみの方が表立って出たわ」
それでもレンより冷静でいられたのは、レンの方が感情的だったからだろう。
「ヴァルハイツによってどれだけの同胞が苦しめ、悲しみに伏せたことか……」
「……」
アルビオはヴァルハイツの噂をかじる程度だが知ってはいる。
ハイドラスが外交に及んだ時、何かと不機嫌そうに帰って来ているのを思い出す。
ハーメルトとヴァルハイツの考えは真逆だ。互いの利益になる外交など行うことは困難だろう。
「だがその中にいたはずのあの二人が人間に対し、あんな意見を述べることに驚いた。そして、自分の視野の狭さを今更ながら気付いた。あの森の中に引きこもっていれば、それはそうだろという話だ」
エルヴィントの森がある方向に、軽く視線を向けながらそう語った。
「人間のことを知るべきだろうと、君について行こうと考えたわけだ」
「そうですか。ご期待に添えるかは別ですが、どうかよろしくお願いします」
「こちらこそ……」
「それで? どこに向かうつもり? 私達もある程度は知ってるけど……」
「とりあえず知り合いに会いにいく」
フェルサのような狼の種族は放浪の種族。
獣人にも種族ごとに価値観は違うが、そこを柔軟に関係を築けるのが、フェルサの種だろう。
ただ本人がコミュニケーションが苦手で、たった一人となってしまったことが要因で、出て行くかたちを取ったが、知り合いくらいならいるとのこと。
「では獣人の領地まで向かうでいいの?」
「うん」
この広い平原を颯爽と四頭の馬が走り抜ける。
***
しばらく走ると、エルヴィントの森とは違う、風の通りが良い森の中をひた走る。
「そろそろかな……?」
フェルサの土地勘的にそろそろではないかと話すが、森の中が静か過ぎると鼻を利かす。
「この先にはどんな獣人の方が住んでいるので?」
「猫型の獣人……だけど……」
「どうかし――」
「止まって!」
先行していたフェルサが馬を止めると、順に馬を止めていく。
スタッと地面に降りたフェルサは、スンスンと辺りの匂いを感知する。
「血の匂いだ……」
「な、なに!?」
「とりあえず馬を安全な場所へ」
木々の茂みに馬を隠すと、辺りの散策を始める。
「まさか、ヴァルハイツ軍か?」
「わかりませんが、血の匂いはどこから……?」
「向こう」
フェルサを先頭に進んでいくと、道なりに血を引きずった跡が残っていた。
「こ、これは……!?」
その血の方向を視線で辿ると、木にもたれかかる猫型の獣人の姿があった。
「――!! 貴女! 大丈夫?」
駆け寄るとその獣人はアルビオを見て、酷く怯える。
「に、人間!? こ、来ないで……」
アルビオはその彼女に手を差し伸べることができなかった。
落ち込んでいるアルビオを横目に、おそらくは人間の襲撃にあったのだろうと、詳しい話を訊き出す。
「何があったの? 教えて」
「黒狼族の……じ、実は、人間の三人組が襲って来て、次々と……みんながおかしくなっていったの!!」
「おかしく? そこを詳しく……」
具体的な話を訊こうとした時、彼女の表情が一変する。
「あ、ああ……」
瞳孔がこちらではなく、背後を見ていることに気付き振り向くと、
「獣人ちゃん、めぇっけ!」
銀髪の褐色肌の娘バーバルが乱暴な口調で、指を鳴らしながら近付いてくる。
「こんなところまで逃げてんじゃあ……ん?」
バーバルは予想外に人が多いことに気付き、細い目付きでジッと見る。
「獣人がもう一匹に、エルフが二匹。それに人間……?」
「貴方……何者ですか?」
「はあ? テメェこそ何者……」
バーバルはあることに気付き、
「待て。黒髪の人間だとぉ? お前さん、まさかとは思うが、勇者の末裔とか言われてねぇか?」
「だったら何です!?」
アルビオはこの獣人を痛めつけた出あろう彼女に、敵意を待って答えた。
「はあ!? マジかよ!? 来るたぁ聞いてたが、まさかな……」
「!?」
バーバルは、へえへえと言いながら品定めすると、納得がいった様子で腕を組み、うんうんと頷く。
「そっかそっか。それなら――」
「!?」
「見せてもらおうじゃねえか!!」
右ストレートがアルビオのヘソの辺りにめり込む。
「――あがあっ!?」
そのまま軽く突き飛ばされる。
「貴様ぁ!」
ディーヴァが素早く剣を抜くが、
「ディーヴァさん! 彼女の相手は僕が! 皆さんは彼女を保護して!」
制止する声にビタっと止まる。
「そうこなくっちゃな」
フィンとルインを剣に変えて構える。
「お相手致します!」
「面白え! 来な!」
バーバルは両手に集中して魔力を有している。だが肉体型の魔力回路ではない。
アルビオが翔歩で近接戦に持ち込む。
「はあっ!」
「んんっ!!」
激しい攻防が繰り広げられる中、違和感が絶えないアルビオ。
彼女の魔力回路は精神型のものだ。だが、それでも速さを追求したこの型でもやり合えていることに疑問が付き纏う。
もしかしたら、接近し過ぎているから、反応速度で対応しているのかと考え、後ろに飛び、適度な距離を取る。
「はっ! どうした!? ビビってんのかぁ? あぁ?」
「貴方が何者かわからない以上、出方を窺うのは普通では?」
アルビオはフィンとルインを装備していることもあって、最速の状態で動ける。
幸い、バザガジールほどの脅威は感じない。
だが今までにない戦い方をする人だとも認識している。
精神型で接近戦をする人間は別に珍しくはないのだが、攻防していた時に向こうの攻撃力が上がっているように思う。
「まあお前さんの意見も尤もだ。こっちが一方的に知ってるのもな。だがよ――」
楽しそうな笑みを浮かべながら、再び殴りかかってくる。
「男ならドンと構えて、止めてみなぁ!!」
正直、好戦的な性格だったので、情報を漏らしてくれるのではと期待したのだが、そう上手くもいかないらしい。
エルフ達の事前情報によれば、攫い屋という話だ。最悪、その筋を当たればいい。
だがその前に……、
(何だ? さっきから攻撃力が……)
「そろそろかぁっ!?」
再び右ストレートが飛んでくる。
今度はしっかりとガードするのだが、その受け身に使ったフィンが痛みを覚える。
『――がああっ!?』
「フィン!?」
思わずフィンが元の姿に顕現した。
「はっ! 本当に勇者様たぁな!」
「貴女……フィンに何を!?」
「――パワー・プレッシャーさ。アルビオ」
アルヴィがフィンと入れ替わるように顕現する。
アルヴィが出てきたということは、地属性の魔法なのだと判断できる。
「地属性の魔法か、なにか?」
「そうさ。ルインやアルビオも見てみな」
ルインの剣にも、自分のお腹部分にも変な紋章がぼんやりと浮かんでいた。
「これは……?」
「種明かしが早えよ。全属性の精霊がいるってのは、目障りだなぁ。その精霊の言う通りだ。パワー・プレッシャー……触れたものに重圧をかけていくシンプルな魔法だ。そのポインターは目印みたいなもんさ」
「なるほど。さっきから攻撃を受けたり、受け流すたびに拳に重さを感じたのはそれか」
「――まあな!」
そう言うと、ルインを集中的に攻撃する。
先程のように解除しようとしているのだろう。精霊は基本的に痛みを知らない。
しかも一発の威力がどんどん上がるでは、アルビオの負担も大きい。
シンプルだが、長期戦は非常に危険だ。
「ならば――光の精霊よ! 我が呼びかけに応えよ……」
「魔法かぁ? 付き合うぜ! ――地の守人共っ! 集いてアタイの言うことを聞きやがれ!」
「!?」
バーバルの詠唱に驚いたが、よく考えれば精神型である彼女が魔法を唱えられることは自然だったことに気付く。
「くっ……七色に光る浄化の刃、我が心を示す輝きを放ち、顕現せよ!」
「――大地の海、唸れ! 揺るぎし体動を胸に激震せよ!」
「――貫け! セブンズ・ソード!!」
「――目覚めろ! ジャイアント・プレス!!」
森の一帯を捲り上げるほどの土壁がアルビオ達を潰そうと、襲いかかるが、それを虹色の光放つ刃が綺麗に亀裂が入り、崩れるように急所をつく。
すると土壁はそのままガラガラと崩れ落ちるが、バーバルはニッと口元が緩む。
「楽しいなぁ、おい! やっぱりテメェとやり合うのは、たまんねぇなぁ」
「……」
この人、攻守のバランスが取れた戦い方をする人だ。
精神型だからと、油断した相手にはパワー・プレッシャーで押し潰され、それの対応を取ってもこの魔法だ。
バルドバさんと似た戦い方をする人だが、あの人と違い、ちゃんと身体が動く人だ。
「さて――」
『ちょっとぉ!! ウチの知らんところで何してんのよぉ!!』
バーバルの懐から、キィーンと耳鳴りがするほどの声が響いてきた。
「煩えな、ジルバ。今いいところだから黙って――」
『そんなわけにいくか、アホっ! ウチらはもう仕事は終わってんのよ!? さっさと戻って来る!』
「まあまあもう少しいいだろ? 思った以上に勇者の末裔が可愛くてさぁ……」
「か、可愛い……?」
その一言に思わず、ズリっと拍子抜けする。
バーバル的に童顔のアルビオは、可愛い男の子に見えるようだ。
すると通信を行なっている魔石から、間の抜けた声が聞こえてくる。
『は? 勇者の末裔? 何言って――』
「ほれほれ、勇者様ぁ。答えてやれよ」
「ど、どうも?」
『……』
すると大きく咳き込み、
『フフフ、勇者の末裔と遭遇するとは、妾も強運ですわね。アッハハ!!』
一人称を妾に変えて、高飛車な喋り方になった。
アルビオはこの奥で話しているのは、子供ではないだろうかと思うくらい稚拙な変わりようである。
『ですが残念ながら妾、捕まってやるわけにもいかん。とりあえずはご挨拶だけでも……』
「はあ!? もっとやりてぇぞ」
『煩いですわ! 勇者の末裔はあのバザガジールともやり合った実力者。とっとと戻ってらっしゃい!』
「待て! 君達は何者だ? どうしてこんなことを……」
「そうだ」
「!」
バーバルの首元に剣が突きつけられる。
先程の獣人を安全な場所に保護したのか、ディーヴァとエフィが参戦。
「確かに貴女は強いみたいだけど、エルフの女剣士二人と勇者の末裔さんを相手取るのは、贅沢なんじゃない?」
「だ……そうだが、どうするよ? ジルバ?」
『ウチの名前を言うな!? バカタレ!! バレるやろ?』
確かにメンバーの名前から、どこの攫い屋か調べることは、アルビオならば難しくない。
ハイドラスという王族の情報網を使えば容易い。
すると断片的にだが話してくれた。
『妾達はある雇い主に獣人族の里を襲ってくれと頼まれただけ。それ以外は何も知りませんわ』
「雇い主って誰のことです?」
『ハッ! 話すわけありませんわ! 勿論、妾達のこともね!』
すると森の中から人集りが現れる。
「獣人族の方々?」
目の前に現れたのは猫型の獣人が老若男女問わず、現れたが様子がおかしい。
ウウウウ……と唸り声をあげながら近寄ってくるのだ。
「おい、ジルバ。早速、使ってんじゃねえよ」
『誰のせいだと思ってますの! さっさと避難なさい!』
「まさか、これは……」
『ええ。お優しいと噂は聞いてるわ、勇者の末裔様。妾の虜になった可愛いペット達のお相手、務まるかしら?』
すると我を失った獣人達は、険しい形相でアルビオ達に飛びかかる。
「――ガアアアッ!!」
「ぐっ……や、やめて! やめて下さい!」
「正気に戻れ!」
「はわわ……」
するとバーバルはその混乱に乗じて、舌打ちしながら退散する。
「おい! 勇者の末裔! 今度会った時はもっと可愛いがってやるよ。それじゃあな!」
「なっ!? 待てっ!」
『その獣人共はくれてやりますわ。せいぜい頑張ってくださいまし。それではごきげんよう!』
「なあっ!? くそぉ!」
悔しがるディーヴァの前には、牙を剥き出しにする獣人族の姿が。
追いかけるにしてもこの住民達をなんとかしなければと、必死に抵抗する。
「アルビオさん! 何とかなりませんか?」
「彼らの精神に訴えかけてみます。ザドゥ!」
その呼びかけに応え、ザドゥだけが顕現。
すると前とは違い、大鎌の姿へと変わり、大きく振りかぶる。
「お二人共、飛んで!」
その指示通りにタンっと跳ぶと、
「ザドゥ! 幻惑を与えて!」
「承認」
アルビオは無数にいる獣人を刈り取るように、大きく斬り裂く。
「ちょっ!? 何を!?」
案の定というべきか、バタバタと獣人達は倒れていく。
「落ち着いて……」
「これが落ち着いてなど……?」
すると獣人達は我を取り戻したように目を覚ます。
「こ、これは……」
「攫い屋という情報がありましたので、おそらくは精神系、洗脳術でしょうか。そう考えたので、干渉しただけです」
この洗脳術は闇魔法の一種だと考え、ザドゥの精神攻撃で中和を図ったのだ。
襲撃した村人のほとんどだと思われる人数を操るのだ。ザドゥのように強力な精霊でなければ解呪は難しいと考えたのだ。
「わ、私は……」
すると先程の獣人がフェルサと共に現れ、
「み、みんなぁ……よ、良かったぁ!!」
堪らず駆け出し、母親だろうか。無事であることを確認するように、涙を流しながらギュッと抱きしめた。
***
「助けて頂き、感謝致します」
「い、いえ……」
騒動がひと段落ついた一同は、まだ半壊している獣人の集落に案内された。
ここはその村長を務める猫型の獣人のお家の紹介に預かる。
「フェルサも久しいな。元気そうで何よりだ」
「ん」
「さて村長殿。詳しいお話をお伺いしても?」
ディーヴァのその質問に、顔を落として答える。
――最近、獣人族を襲っている攫い屋というのは、彼女達で間違いないようだ。
話によると、妾と自分を呼び捨てる娘の鞭がひとたび触れるだけで、気が遠のいたという。
おそらくは洗脳術のトリガーになっているのだろうが、奴隷術や洗脳術のような精神系の魔法をそんな簡単に扱うことは難しい。
仮にそれができるのであれば、それこそ人形使いくらいである。
だがそれを彷彿とさせる能力に身震いする思いだ。
「俄かに信じ難い話だが……」
「はい。僕らは実際、襲われたわけだし……」
「め、面目ない」
謝らないで下さいと気を遣い合うが、話を戻そう。
「彼女達の目的とか、雇い主について、何か話していませんでしたか?」
彼女達、攫い屋というわりには、情報がガバガバだったように思える。
特にジルバって女の子に関しては、雇い主の用件を簡単に答えたのだ。
ぽろっと口から零れていないかを確認したいが、彼女達は上から目線での高飛車な喋り方しかしておらず、話の内容に、そんな情報はなかったと話す。
「このエルフ達から聞いた。最近、その女達と共にヴァルハイツからも襲撃を受けてるって……」
「あ、ああ。我らの本里を襲われるのも時間の問題だ。何より厄介なのは、ヴァルハイツ軍の生物兵器だ」
「生物……兵器?」
とんでもない物騒な言葉に一同の緊張感が増す。
「ええ。生物兵器にも様々な種類があるようで、共通するところと言えば、強靭な肉体と希少種や変異種以上に凶暴であることです」
その表情から魔物のような姿をしているのだろうと、連想できる。
「我々もなんとか対応していた矢先に、我らを簡単に洗脳する娘達が現れ、もうどうすれば良いやら……」
意図的に追い詰められたように感じる。この感覚、覚えのある嫌な感じだ。
あの男の言葉を思い出す――。
『君達を歓迎するために、色んな催しを考えておいたよ。原初の魔人を利用し、最高のシナリオをさあっ!』
――嫌でもクルシアの顔が過る。
だが証拠がない以上、下手に狼狽えている獣人の村長を不安がらせるわけにもいかない。
「わかりました。族長様からは状況次第では保護してきて欲しいと言われています。これを……」
するとディーヴァは手紙を渡す。
「これを持ってエルヴィントの森へ向かって下さい。きっと匿って下さいます」
「そ、それは有り難いが……良いのですか?」
「構いません。同じヴァルハイツに苦しむ者同士、困ったらお互い様です」
村長も命には変えられないと早速、村の人達を呼び集め、事情を説明し始める。
「……」
「どうしました?」
「い、いえ。今回は何とか無事で済みましたが、これが続くとなると……」
「……さっきの話を聞くに、もうやられてるところの方が多そうだけどね」
そんな嫌な予感を孕みながらも、少しの巧妙が見えたと喜ぶ、獣人達を見て、やはり安堵は抜けなかった。




