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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
6章 娯楽都市ファニピオン 〜闇殺しの大陸と囚われの歌鳥〜
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05 魔導銃

 

「はあ……人工魔石ですか?」


「うん。何とかならないかな?」


 双子の兄妹は揃って首を傾げる。


 俺はアイシア達が両親に話をつけに実家へ帰っている間に、何とか西大陸側に行けないかマリエール兄妹に相談中。


 内容は闇属性持ちだとバレないように出来る人工魔石のこと。


「確かにそのような魔石があることは存じてますが……何故必要なのです?」


「えっ!? えっと……それは……」


 いくらお願いとはいえ、陛下からの直々の極秘任務。


 先生方には都合が合うように知ってはいるが、生徒達は知らないし、教えられない。


 もじもじと言い淀んでいると、ジッと顔を見つめられる。


「……」


「……なるほど、わかりました。話さない限りはご協力致しません」


「うえっ!?」


「ね? お姉様」


「そうね。弟よ」


「う〜〜……」


 俺は観念し、洗いざらい吐いた――。


「――なるほど。しかしいいのですか? それは陛下の(めい)に背くことになりますが……」


「まあ、うん。そうかもしれないけど、一応あっちは王命ではないって言ってるからね。後でちゃんと叱られるよ」


「まあ確かに、お願いなら問題ないのでは?」


「お姉様がそう言うなら……」


 そう言うとエルクは魔石を保管しているであろう、木箱を物色する。


「しかし、そのようなことになっていたとは……」


「驚きね」


「はは……」


「シドニエ氏とは何度かお会いしましたが、何も仰っておりませんで。気付きませんでした」


「まあ、口止めされてたからね……」


 結局、あの事件は召喚魔事件として片づけられた。勇者展望広場は別の魔物が召喚されたと説明。


 犯人は捕まえたと公表したが、誰がとは明言せず、無名のテロリストの仕業としている。


 あながち間違ってはいない公表だが、所々秘匿した部分が目立つように感じるが、特に誰かしらから追求されるようなことはなかった。


 追求しそうなギルドには、ギルドマスターであるハセンには真実を語り、説得してもらっている。


 テテュラの件が表立つことは非常にマズイ話だ、信頼における人物のみが知る話となる。


 そして俺達も喋らぬよう、言われていたのだが……、


(喋っちゃった……)


 いくらアイシア達が心配だからとはいえ、無用な説明は省きたかった。


「しかし、西大陸に行くのはおすすめしませんね」


「うん、聞いてる。五星教だよね?」


「それもありますが、闇属性のゲリラ組織も貴女を狙う可能性があります」


「あー……」


 魔人を倒した英雄、黒炎の魔術師なんて呼ばれてるからか。


 彼らからすれば、五星教に一矢報いる希望の星になるってか?


 勘弁して欲しい。


「そのゲリラ組織について詳しいこと、わかる?」


「わかるわけありません」


「さいですか」


 そう言いながら、エルクは一つの魔石を俺に手渡した。


「これは?」


「貴女のお望みの魔石ですよ。偽装魔石です。名の通り、属性を偽ることが可能です」


「おおっ!! ありがとう!」


「ですが、あくまで検問などの時のみ使用、後はバレないように隠すことが必要です」


「というと?」


「西大陸では、かの事件の影響で東から来る者達に対し、警戒態勢が厳しくなっているそうです。そんな物、見つかりでもすれば闇属性でなくとも投獄されます」


「な、なるほど……」


 殿下も西大陸に渡航経験のあるカーチェル劇団を利用すると言ってたほどだ。


 気を付けなければ……。


「あ、あとアレは出来てる?」


「貴女の仰っていた例の武器ですね。一応出来てますよ」


「おおっ!!」


 すると厳重に保管されているのか、靴箱ほどの大きさの木箱を持ってくる。


「こんな物を作ったのは初めてで、戸惑いましたが何とか。お納め下さい」


 パカっと開けたそこには、中々男心をくすぐる物のお目見えだ。


「おおっ!! 凄いよ! さすがだねぇ!」


 俺はその武器を手に取る。


「しかしこれ、ジュウ……でしたっけ? よくまあこんな物を思い付きましたね」


「ふふ、まあね」


 銀髪美少女が持つには少々物騒な武器だが、この世界の魔法を考えるとこれぐらい安易に使える飛び道具は必要だ。


 ましてや危険が多い西大陸に行くのだ、用意は周到であるべきだろう。


 俺が手にしているのは、リボルバー式の連発拳銃が二丁。銀髪のリリアに少しでも似合うようにカラーはホワイト。


 実は大会が終了した後、魔法使いらしい戦いができたとはいえ、後衛魔法使いはやはり、弱点にしかなり得ないと感じた。


 いくら強力な影魔法で攻防できても、それをくぐり抜けて来る者は多いだろうし、必ずしも前衛がいる状態で戦えるわけでもない。


 それにアルビオのような魔法剣士みたいな戦いにも憧れはあるし、精神型なら努力次第で出来るのも知っている。


 とはいえ、以前、鋼の剣を持てないことは実証済み。


 ならば折角だからと、この世界ではオリジナリティに見える拳銃を作ってもらっていたのだ。


 正直、ファンタジー好きの俺からすれば、邪道とも捉えられることだが、魔弾とかそっち方面も嫌いではない。


 この世界での飛び道具の中に銃系統の物は見かけたことがない。弓や鎖鎌など武器くらいだ。


 魔法という強力な遠距離攻撃があるせいか、銃の流通はないそう。


「リリア嬢のご要望通り、魔力を弾に変換できる術式を組み込んでおり、ジュウコウ……でしたか。回転しながら弾が出るようになっております」


「うん、ありがとう。早速だけど試し撃ちしても?」


「構いませんが、お気をつけて」


 俺は早速、技術校の広場で試し撃ち。


「思ったより軽いね」


「リリア嬢が扱う物という想定でしたので、軽い素材を起用しました。ですが、弾の発射時には多少の衝撃があります。撃つ際にはご注意を……。引き金を引けば魔力が自動的に吸われ、発射できます。弾の威力や速度を上げる場合はそちらで魔力調整を……」


「了解」


 要するにはリボルバーに装填されるはずの弾が、体内魔力から支払われるわけだ。


 無詠唱の魔法より気がきいている。


 正直、俺自身は銃に関しての知識はまるでないが、魔力を弾にし、撃ち出すだけの物とすれば、教え伝えることは難しくない。


 モデルガンくらいなら縁日のハズレでもらったり、何だったら水鉄砲を知っていれば十分だろう。


 それにマリエール兄妹も伊達に技術校の生徒を名乗っちゃいない。


 ある程度の曖昧な説明からも、武器として扱えるように留意してくれている。


 俺は先ず、一丁で撃てるよう構える。


「じゃあ……いくよ」


 本物は勿論撃ったことはないが、モデルガンくらいなら撃ったことがある。


 俺は引き金を引くと、ドンッと激しい音が響き、素早く(まと)を打ち抜き、貫通した。


「――つぅ……」


 さすがにBB弾とは勝手が違う。


 しっかり構えていたとはいえ、手にかかる衝撃は中々のもの。


 二丁にしてもらったのは間違いだったのではと感じたが、一発撃つのに手間取っては意味がないし、こんな棒立ちで撃つなら、今まで通りの方がいい。


 俺も方向性が違うとはいえ、シドニエと同様、魔法との二刀流が望ましい。


「どうです? 出来栄えとしては中々かと……」


「うん。正直、想像以上の出来だよ」


 この世界ではエルクの反応を見るに、ほぼ初めての武器だろう。


 シドニエの木刀以上の試作覚悟でいたのだが、さすが技術校生徒。納得の出来栄えである。


「しかし、杖はどうするので?」


「これを杖代わりにするよ。撃ち出すイメージは魔法を放つものと認識すれば、可能でしょ?」


「なるほど。細かな対処はそのマダン……でしたか、そちらで対応。それで対処が難しいところは魔法ですか。小回りが利きそうですね」


「まあ練習次第だけど、最終的にはそうできるように頑張るつもり。それに私には裏技もあるしね」


「裏技?」


「リアクション・アンサーね」


「お? よくわかったね」


 エルクより先にマルクがわかったことに驚く。


「あの術は身体が反射的に自動反応する魔法。その武器は遠距離がメインでしょうが、近距離でも使えるようにと聞いていたので、そのつもりなのですよね」


「マルクって本当に自信がある時しか、喋らないよね」


「だめ?」


「いいや」


 外国の映画やドラマはあまり観ないが、拳銃と体術を使ったド派手なアクションとかをバラエティー番組で観たことがあるから、リアクション・アンサーで身体に叩き込むことは可能だと考えた。


「なるほど。小回りが利く武器には違いありませんから、可能ですか」


「でもあの図面と曖昧な説明で、よくこの完成度に持ってこれたね」


 拳銃の絵と拳銃知識のない曖昧な説明で、ほぼ想定通りの物が出来上がったのだ。


 驚いて尋ねると、エルクが珍しく嬉しそうに、


「いえね、何故でしょう……これを見ていると、こうむずむずするものがありまして……」


「弟がほとんど作ったのよ。寝る間も惜しんでね」


「あー……」


 そういえば、エルクのゴーレムがどこぞの戦隊モノの変形ロボみたいな見た目だったことを思い出した。


 向こうの世界に連れて行ったら、真っ先にプラモとか作りそう。


 普段は大人びて物静かなエルクだが、ガキっぽいところもあるんだなぁと思ったが、自分もそうだった。


「しかしこの武器が流通すれば、戦線事情も変わるでしょうね」


「……」


 正直、俺がコレをしたくなかった理由のもう一つが武器の流通である。


 銃は戦争によって生み出された産物の一つ。それはつまり、争いの種になりうる物。


 異世界の知識は、時にこの世界の理を変えるものにもなる。


 銃のような武器も未来、作られる物かもしれないが、魔法がある以上その可能性は低かったはずだ。


 それを加速させることはできれば避けたい。


「コレについてだけど、内密にできないかな?」


「それは構いませんよ」


 拳銃を出して尋ねると、さらっとオッケーしてきた。


 その答えにギョッとした俺の顔を見て、呆れた物言いで理由を語る。


「この武器の危険性は留意しています。引き金一つ引くだけで、あれだけの速度で攻撃できる物。扱いも非常に簡単で、誰にでも使用可能。子供になんて持たせたらどうなるか……少し考えればわかります」


「そっか。ありがとう」


「それにその武器、こちらにもデメリットがありますしね」


「え?」


「かなり少ない魔力で簡単に攻撃できる影響か、魔力の減り具合の把握が希薄になる場合があります」


 残高の上限がわからなくなるやつね。


 確かに連発し過ぎるとわかりづらくはなるかも。魔法みたいに下級、中級、上級、最上級と消費がわかりやすくなっているわけではない。


 便利だからと撃ち過ぎると、思わぬ魔力消費に陥る可能性がある。


「リリア嬢のように大量の魔力保持者ならまだしも、魔力の少ない方には厳しい代物ですね」


「まあ私も魔力に余裕があるって認識を持たず、ペース配分は考えるよ」


「あと属性によって変わるようですよ。今撃たれた魔弾は火属性だったようで……」


 そう言ったエルクの視線の先を見ると、貫通している的が綺麗に穴が開いている。


 木の的のせいか煙がたち、焦げ臭い匂いもしている。


「そっか。体内魔力の属性によって違うのか」


「ええ。我々は地属性なので硬さがある一撃が撃ち出せるようで、その的は破壊できました」


「でも、私の場合は明らかに違うね。威力が低い……わけではないよね?」


「おそらく貫通力が高くなるのでは? 本来、威力が大きくなる火属性ですが、その威力自体が凝縮されることで貫通力を増したのでは?」


 弾に属性が乗るのだ、それに対する効果が出るのは面白いところ。


 だが意識せずに撃ったが、俺は双属性(ツヴァイ・エレメント)だ。火属性か闇属性かランダムで出るというのは使い勝手が悪そうだが、


「よし……」


 もう一度構えて、試し撃ちすることに。


 魔法を使う際に属性分けができるように、これも出来るはずだと撃ってみる。


(火属性を意識して……)


 まだ撃ったことがない方は後回しに、とりあえず意識すれば撃てるか試す。


 ――ドンッ!


 またしても(まと)を射抜く。中々射撃の才能があることを感じながら(まと)を見てみると、同様の結果になっていた。


「どうですか?」


「うん。ちょっと離れてて……」


 次は闇属性を試す。


 真っ直ぐ飛ぶことには違いないだろうが、念のため警戒する。


 ――ドンッ!


 三度(みたび)(まと)に命中。今度は弾自体の大きさは弾丸と変わらないものの、威力があったのか破壊した。


「ふむ」


 普通の弾が飛んだだけで何の変哲もなかったことに首を傾げる。


「地属性より威力がないですかね」


「そうなの? 見せてみて」


 俺はエルクに手渡して撃つよう促すと、エルクは新しい的を用意し、片手で撃ち慣れた様子で撃つ。


「おおっ。だいぶ試し撃ちしたんだね」


「勿論ですよ。調整が中々大変でして……」


 肝心の(まと)だが、確かに闇属性で撃ったものより、破壊できている。


「地属性の場合、重さが乗るのかなぁ?」


「まあ、受けるわけにもいきませんので。ただそれで合っているかと……」


「だとすると闇属性で効果が出ないのはおかしいよね」


「闇属性の特性の能力が作用されるのでは? 弾の音が消えるとか」


「おおっ!!」


 サイレンサーを付けずとも射撃音が消せるのは凄いと思ったが、


「……音、消えてなかったけど」


「リリア嬢は影魔法を得意とするため、それに作用されると考えればどうです?」


「まあ得手不得手は人それぞれだし……うーん……」


 影っていうとついて回る、ストーカーみたいなイメージが湧く。


「リリア嬢?」


 俺は狙いを(まと)から外して構える。


 このまま真っ直ぐに飛べば(まと)に当たることなく、壁に当たる。


 だが、


(ストーカーか……)


 (まと)に当たるイメージを持って撃ってみることに。


 ――ドンッ!


 撃った弾は真っ直ぐには行かず、曲線を描くように(まと)へと飛んで命中。


「おお」


「うん、なるほど」


「これは……」


「ホーミングだね。弾が勝手に当てたいものに当たりに行ってくれるってやつだね」


「それは便利ですね。魔法にもそんな術がありましたが、上級魔法以上の魔法に限定されてましたから……」


 シャドー・ストーカーみたいな術のことを言っているのだろう。


 どちらも長所短所はあるが、そこは使い分けよう。


「一つ属性を取っても、こう違うと面白いね」


「そうですね。火や地はともかく、風や水は闇属性同様、多様性がありますからね」


「風の場合は威力が軽くなりそうですが、今までの試し撃ちよりも速い弾が飛びそうですね」


「風属性は雷も発生できるから、電磁砲とかいけるかも!」


「電磁砲?」


「あー……何でもないです。とにかくそれは追々、使い熟すのは練習するよ」


 流通させる気は現段階ではないのだ、属性による弾の作用は後回しでいいだろう。


「それの通称はどうします? 銃ですか?」


 銃は銃だが弾は入ってないんだ、もっとらしい名前を付けたい。


魔導銃(まどうがん)でいいんじゃないかな? 魔力を弾にするわけだし……」


「わかりやすくて良いかもしれませんね。……これを」


「おおっ」


 この銃を仕舞うベルトを貰って装着。


「どうですか?」


「んー……大丈夫。ありがと」


「まあ、行くにせよ行かないにせよ、お気をつけて」


「うん。ありがと」


 ***


「うーん……闇属性持ちだというのはこれでいいと思うけど、黒炎の魔術師だってバレずにいる方法か……」


 俺は偽装魔石を眺めながら、解決方法はないものかと悩む。


 西大陸で情報は回っているとはいえ、五星教や向こうの騎士団くらいだろう。


 ギルドはそもそもバレても大丈夫だろう。そもそも機能していないとも聞いてる。


 しかし、そこにバレてしまうとアイシア達どころか、ハイドラス達にも迷惑をかけてしまう。


 とはいえ、相手はクルシアだ。力になりたい。


「うーん……」


 マリエール兄妹と別れ、唸りながら寮に戻ろうとする帰り道、ふと声をかけられる。


「おっ、お嬢さん?」


「ん?」


 そこには何だかんだとお世話になっている眼鏡売りのお兄ちゃんの姿があった。


「眼鏡売りの……」


「おう! 今は眼鏡に限らず、サングラスにコンタクトだったか。そのあたりはお任せって感じだ。これもお嬢さんのお陰さ」


「何でここに?」


 ラバで店を構えているはずではと、首を傾げると嬉しそうに返答。


「お嬢さんのお陰で商売は右肩上がり。こっちには資材を取りに来てたんだよ」


「あー……」


 荷物が見当たらないところを見ると、腰に下げているバックがマジックボックスなのだろうと確認。


「で? お嬢さんはどうしたんだい?」


「あ、いや、ちょっとね」


「ん? 珍しい物をぶら下げてるな」


 腰にしている銃を指差す。


「ああ、これも内緒」


「そっか。何にしてもまたナイスアイデアがあったら是非頼むよ」


「もう無いですよ」


「あっ、そうそう。観たよ、お嬢さんが黒炎の魔術師って呼ばれるきっかけになった事件の演劇。大変だったみたいだな」


「あ……アレ観たのね」


 あの劇のお陰か、また町では声をかけられることも増えてしまった。


 悪いことではないにせよ、注目を浴び慣れない俺からすれば困った話である。


「お友達は出てなかったな」


「劇の都合上ね。アイシア達も押し寄せる魔物達の討伐してくれたよ」


「そっかそっか。将来有望な人達はやっぱりやることが違うねぇ」


「そんなことは――」


 そんな感じで、眼鏡のお兄さんと世間話をしていると、


「――でも、お嬢さん役の()はそっくりだったね、驚いたよ。姉妹ってわけじゃ……」


「無いです。一人っ子なので……」


 これは結構色んなところから言われたし、それどころか本人が出たんじゃないかと噂されるほど。


 本当に瓜二つなんだよねぇ。


 違うのは微妙に向こうの方が細身なんだよね。リリア()の方が女の子としての肉付きがいいんだよ。


(後は瞳の色くらい……)


「ん?」


 俺はパチクリと眼鏡のお兄さんを見ると、不思議そうな顔をされた。


「? どうした?」


 そうか、ヘレンと俺はほとんど見分けがつかないんだ。


「お兄さん!」


「な、なに?」


「ちょっと買いたい物があるんだけど!」


 嬉しそうに詰め寄る俺に、テンションの変わり方に疑問を抱きながらも商品を買うと言う俺に、動揺しながらも一言。


「ま、毎度あり……?」

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