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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
1章 残念美少女に転移しました
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28 魔法について学ぼう 実技編そのニ

 

 初期魔法はあらかた試し終えた。


 アクアは水の玉が、ウィンドは風がブワァと吹いた。ロックは地面に転がる石ころくらいの石が出た。シャインは黄色い光が、ダークは黒い(もや)みたいなものが手の平に浮かんだ。


 発動している間は周りの魔力が少し騒つくくらいで、特に変わりない。体内魔力にも影響は無いようで、加減の方もイメージで調整が可能。


 やってみれば割と簡単だった。


 だが、そもそも体内魔力って結局何なんだ?


「ああ……教えてくれる人がいないってのもアレだな」


 訊けば何かと心配されるから誰にも頼めないというのは痛手だ。とりあえずは後回しにしよう。


「次はいよいよ、初級魔法だな」


 リリアの部屋には火と闇の魔術書が沢山あったことから、使えるのは火属性と闇属性。一応他の属性も試してはみるが、今は使えるものを優先しよう。


「火の初級魔法って言えば、定番のアレだよな……!!」


 そう! ゲームやアニメ、漫画などでお馴染み、ファイアボールである。アレが出せると思うだけで胸が高鳴る。


 今度は格好もつくように杖を右手に、少し離れた岩を狙う事にする。


「よし! じゃあ火の玉が出るイメージで……」


 すると、不思議と周りの魔力や体内の方が騒つく。


 発動出来るってことか! 後は呪文詠唱。


「……少し中二病を(こじ)らせてみますか!」


 確かな感覚を掴んだと、岩に向かって杖を突きつけ詠唱を始める。すうっと小さく息を吸う。


「――火の(つぶて)よ……ファイアボールッ!!」


 杖の先からたちまち火の塊が現出。ボッと勢いよく岩目掛けて飛んでいく。


 ボンっと岩へぶつかると火は消えていく。その岩には少し焦げた後ができた。


 ぷるぷると震えると今度は勢いよくジャンプ。


「――やっったあぁーー!! 出た! 出たよぉー、ファイアボール! すっげえぇ!」


 その場で無邪気にぴょんぴょんと飛び跳ね回り、喜びを(あら)わにする。


「ホントに火の玉が飛んだよっ! ははっ!」


 魔法を使う第一歩としては上等じゃないか?


 たかがファイアボール、されどファイアボール。


「……昨日来たばかりとはいえ、濃い一日だったからな。異世界に来たって実感はあんまりなかったけど……」


 やっとファンタジーの実感が湧いてきたぞ!


 ちょこちょこ魔法の痕跡やサラッと使っているのを確認はしてたとはいえ、女の子になったことにより、そこら辺ごっそり持っていかれたからね。


 やはり、見るのと自分で使うのでは全然違うな。例えるならゲームは見るよりやる方がいいって話。

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