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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
1章 残念美少女に転移しました
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26 誰だ! これ考えた奴!

 

 皆さん、唐突ですが朝起床したら何をなさいますか?


 顔を洗いますか? 歯を磨きますか? 朝ご飯をたべますか? 軽く運動でもなさいますか? パソコンの電源でも入れますか?


 人によって行動は違えど、朝とは大抵忙しいものです。そんな中、人間には避けられない行動があります。それは生理現象です。


 ――生理現象とは人間が生きている上で必ず起こす身体の働きの事を意味します。


 皆さんが生理現象と聞いて思い浮かべるのは何ですか? 呼吸、げっぷやオナラなどや性別によって起きるものまで調べれば割と出てきます。


 ――そして、その生理現象を済ました異性に転移した彼の……いや、彼女の顔をご覧下さい。


 顔を真っ青にし、トイレの前で絶望し、茫然と立っているではありませんか。


 そう、もうお気付きの方もいるとは思いますが、そう。尿意です。お下品ですみません。


 では、そんな茫然とするお方が何か一言あるようですのでお聞き下さい。それではどうぞ!


「……誰だ」


 ふるふると身体が小刻みに震えている。怒りが込み上げているようだ。


「――誰だあぁっ!! イケメンがトイレ知らないとか言った奴はあぁあ!!」


 意味のわからない怒りが飛び出す。まだ、シンとしているこの家にはさぞ響いたでしょう。


「イケメンがトイレ知らないなら美少女だってトイレ知らないとか思っちゃうだろうがぁ!!」


 この主人公は現在、情緒不安定です。ご了承下さい。


「いや、わかってはいるよ。人間だもん! 生き物だもん! することくらい知ってるよ。だけどさぁ……」


 ガクッと夢破れたスポーツ選手のように、その場で膝から崩れ落ちる。


「夢くらい見たっていいじゃないかあぁーーっ!!」


「――リリア!! うるさぁいっ!!」


 この後、盛大に怒られたのは言うまでもないだろう。


 ***


 朝食を済ませ、まだ寒さが肌を刺す外へと繰り出す。


「何だかんだで外出るのも初めてだな……」


 窓から見てもわかっていた事だが、見事に田舎だ。どこを見渡しても山や緑に囲まれている。


「こりゃあ、王都まで六日かかるって意味もわかるな」


 そう言いながら、森の方へ向かう。先程ご近所さんに危険のない開けた場所はないかと尋ねたら、そこを指示された。


「しかしさっきの話……だったらあの言葉を考えた奴は天才か?」


 あの言葉とは『お花を摘みに行ってまいりますわ』の事です。


 先程のトイレ云々の話から、連想してふと思い立った。


「いやぁ、考える人は考えるもんだなぁ。確かにそう言われると意味はわかっていても想像はしにくいもんな。いやぁ……言葉って偉大だなぁ」


 変なことに、うんうんと自画自賛し、感心しながらトコトコと森の方へと歩いていく。


「あれ? 大きい方って何だっけ? 庭に木を植えてまいりますわ……だったっけ?」


 ロクな事を考えない残念美少女主人公でした。

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