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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
5章 王都ハーメルト 〜暴かれる正体と幻想祭に踊る道化〜
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14 オルヴェール家

 

 ――ガルヴァ・オルヴェール。


 彼は性格には難あれど、とても優秀な魔石採掘師である。


 そもそもの話をしよう。魔石採掘師とは、冒険者と共に迷宮(ダンジョン)や魔物生息域などに(おもむ)き、魔石の回収や採掘は勿論のこと、鑑定や買取など、魔石に関する様々な事柄を行う職業である。


 ただし、魔石加工師とはまた分類が分けられるが、地属性の精神型の華とされている職業の一つである。


 ガルヴァはその才能に恵まれたが、その性格と才能のせいで、幼い頃からあまり良い思い出はなく、人間不信にまで(おちい)った過去を持つ。


 だがその際、引きこもったことが幸いしたのか、勉強する時間を当てに当てて、その才能を尖らせていくことに成功する。


 その人間不信さんもこのままではいけないと、人との信頼関係を築くことが必須とされる魔石採掘師になったのだ。


 そんな彼の取り囲む環境はとても暖かく迎えいれてくれることが多かった。


 冒険者にも色んな人がいるが、運が良かったのだろう、彼の境遇を理解できる人間と組む機会が多かった。


 というのも魔石採掘師を連れていく冒険者はある程度、手練れ揃いか人情が深いようなギルドが多い。


 そして彼自身、信用を得られるほどの実力を持っていたため、仕事から信頼関係を築くことは容易であった。


 だが性格など、そんな一朝一夕には治るわけではなく、ひ弱だが優秀な仕事ができる魔石採掘師として、知る人は知る程度として名を馳せた。


 そんな彼が新規の顧客として迎えいれたギルドに騙されかけた時、助けたのが――(のち)に妻として迎えることとなるリンナ率いるグラビイス達のパーティーである。


 ――リンナ・オルヴェール。


 旧姓はリンナ・ガークバという。ガルヴァとは違い、東大陸ではなく、北大陸の出身の娘。


 こちらもそもそもの話をしよう。北大陸とは極寒の大地に支配された白銀の世界。


 その白の世界に埋もれている大多数の遺跡や建造物の数々は元々、太古の昔に人が住んでいたのではないかと伝えられている。


 そして何かしらの影響で地上に住めないと判断した北大陸の先人達は、地下にて生活することを思い立つ。


 その先人達は(あり)のような地層を作り上げ、地下街を造ることに成功。さらにはその建造工程から、掘り出すことに成功した上質な魔石によって財を成すことにも成功し、今現在では地下での自然質魔石加工技術を用いての自然発生した物に近い魔石加工にも成功。


 地属性の魔術師からすれば、これほど魔石の研究に特化した国も存在しないほど有名な大陸ではあるのだが、地上は白い悪魔が降り注ぎ続けるこの地、ルートを知らない人間が行けば、無慈悲なる死が待ち受けることから、その筋では辿り着けない英知と呼ばれている。


 リンナはそんな地下街の出身。火属性持ちとして生まれた。


 周りからは残念な娘と呼ばれており、外見は黙っていれば絶世の美少女だったが、粗暴かつやんちゃな性格の持ち主で、父や母もどこで育て方を間違えたのかと後悔したというが、愛情を持って育てはしたという。


 そんな彼女はいつしか外の世界に憧れた。だが特別珍しい話でもなかった。


 擬似太陽、擬似的な月に照らされ、見渡す限り遠く見える岩壁の地下街――まるで布で(おお)われた鳥籠のような世界から飛び立ちたいと望むのは、この街の子供達の特有の特徴と言えよう。


 だが、憧れで終わる子供達がほとんどであることもまた、珍しい話ではなかった。


 だが彼女は努力した。外の世界はきっと険しい世界。強くあれば何とかなるの精神の元、火属性の恩恵もあって攻撃的なまでに実力を身につけた。


 そして周りからの反対や家族の反対を押し切り、外の世界へと飛び出した。


 そして、初めての外の景色は猛吹雪が襲う白銀の世界。


 聞いていたこととはいえ、かつてこの地下街に来た旅商人や芸人達の言っていた景色とは全然違っていたことを、肌で感じたことを鮮明に覚えることとなる。


 だが、彼女は知っていた。自分が今観ている景色だけが世界ではないということを。


 あの地下街に閉じ込められているような生活を送っていたせいもあってか、世界はこれだけではないと確信と覚悟を持ってこの極寒に挑んだ。


 先の見えない鼠色(ねずみいろ)の空に、突き刺すように向かってくる雪結晶の塊。足にもたれつく白い足枷。火属性ということもあってか、防寒していたとはいえ、肌寒さは他属性の比ではなかった。


 ――だが、そんな極限状態を乗り切ったことも彼女は昨日のことのように思い出せるという。


 先程までの雪景色が嘘であったかのように、大きく広がる澄んだ青空。草木の自然の香りも美味しく感じ、地面にはあの行手を阻む白の足枷は一切なく、軽く草木を踏み鳴らす音が心地よいとも感じた。


 この晴れやかな景色は彼女に絶大な達成感と自信を与えることとなる。


 やれば出来る、成せばなる。この考えは間違いではなかったのだと、確たる自信を持つこととなる。


 だが、この自信が将来できるであろう娘を追い詰めることとなるとは、この時は考えもしなかっただろう。


 ――リリア・オルヴェールという少女は、才能に恵まれた人間であった。採掘師の父と元冒険者の母の元で生まれ、火と闇――双属性(ツヴァイ・エレメント)を授かった。


 幼少の頃こそ、元気で明るい女の子。母親似の外見も相まって、近所でも評判の可愛い娘として育つ。ここまでは順調であった。


 そんな彼女の歯車が狂い始めるのは早かった。学校に通い始めてからである。


 東大陸ではいわゆる義務教育が制定されている。六歳から学校へ通い、学業を一律させるということが整っていた。


 故に、こんな山の(ふもと)の町でも小さいながら学校は存在していた。リリアが住む、ここミリア村では全学年を含めた学校教育が行われていた。


 過疎化された町ではよくある学業システムである。


 そんな学舎に人形のような可愛らしい女子が通うとなると、男子の視線は釘付けだ。


 こんな山の中の学校、可愛らしい女子なんてそうそう居ない。ましてやミリア村はアルミリア山脈の迷宮(ダンジョン)にも近い影響もあってか、住みついた冒険者は容姿のいい者は少ない。


 リリアの母親は北大陸出身の銀髪美人、この区域では先ず見かけない容姿。父親は臆病で人見知り、おとなしめな性格。その容姿と性格をほぼそのまま受け継いだリリアは本当の意味での可愛らしい美少女だったのだ。


 男子から映った彼女は、可憐かつ守ってあげたくなるような儚げなお姫様のような女の子。その吸い込まれてしまいそうな蒼い瞳に男子達はどれだけ心奪われたことか……彼女は知ることになるのだが、本質的な捉え方はしないこととなる。


 一方の女子はというと、最初こそは物珍しさで友達になろうと考えるも、彼女の人見知りな性格が仇となり、嫌われ者となる。


 男子から好意の視線を浴びている光景に、自分達の輪に入ろうとしないリリアに、不快感を覚える女子は続々と現れた。


 そして――そこに追い討ちをかけるように彼女の才能が晒される行事が畳み掛ける。


 七歳を迎えるにあたって行われる、恩恵の儀である。


 恩恵の儀というのは、属性を識別する水晶に魔力を注ぐことで、自分の属性を示すものである。


 昔は神から与えられる儀式として行われていたが、時代が進むにつれて、その考えが形骸(けいがい)化していったものとなる。


 最近では魔法を使えるという第一歩としての、魔法の入門的な儀式として扱われていると同時に、子供達の属性を把握する、育てる側の大人としても都合の良い儀式となっている。


 西大陸ではプラスαという儀式にはなっていることは割愛下さい。


 だがリリアにとっても意味は異なるが、プラスαの扱いを受けることとなる。


 この儀式で使う水晶は属性を視るだけではなく、その体内魔力の種類や才覚まで視ることができる。


 肉体型と精神型では魔力の流れ自体が異なるため、肉体型では光が停滞、精神型では水晶の中で巡るように光が動く。


 魔力の質は輝き方や動き方、混じり方など様々である。現にリリアの同世代の子らは輝き方がぼんやりしていたり、少々濁ったりなど、欠陥が視られることが普通。


 この後の努力次第ではこの質自体は改善できるが、幼少からこれらが極めて優秀であれば、将来的に有望視されることは言わずもがなと思う。


 ――そしてリリアの結果が上記のものとなる。


 赤と黒の光が円を描くように変に交わることなく、仲良く水晶の中で回っているよう。


 これを見た大人達はリリアに対し、将来に対する大きな期待感を持ち、優遇というほどではないが才能が優れている分、慎重に扱った。


 だが周りの女子から見れば、大人や男子にちやほやされる特別な女の子は面白くない。


 とはいえ田舎町の小さな学舎という場所である以上は、必要以上に目立ついじめや嫌がらせなどできるわけではないため、無視されるようになっていく。


 そんな風に周りの取り巻く環境が渦を巻く中で、当人リリアの考えも押し込まれていくものとなる。


 周りからの期待の重圧、男子達からの好意、女子達からの嫌悪と嫉妬、唯一の話し相手になりそうな両親からも的外れな解決方法の提示など、リリア一人では解決が難しい状況へと向かっていく。


 勿論、周りの大人はそこまで押し込む気などさらさらなく、あくまで自分のペースで頑張って欲しいとの願いのこと。


 男子達もお友達になりたいという、子供ならではの一心の思いからなるもの。


 女子達からは同じ環境にいる中で、一人目立っているのが、気に食わないという子供じみた我儘(わがまま)が始まりだっただけ。


 けれどリリアは良くも悪くもよく考える()だった。


 初めての魔法の訓練の際には――、


「では、これから魔法を使ってみましょう」


「「「はーい!」」」


 恩恵の儀を終えた後日、授業にて()り行われた魔法の訓練。この日は初期魔法を使ってみようという授業内容。


 いくら初期魔法とはいえ、まだ七歳の子達には難しいことである。


 この日も、先生の監修の元、歳上の子供とペアとなって、安全に魔法を使うものだった。


 当時のリリアは女子の友達など出来てはいない。だがお友達は欲しいと考えるリリアは――、


(よし、ま、魔法のお勉強をきっかけにお友達を……)


 リリアの計画では、初期魔法のお手本を見せて、それをきっかけに女子が話しかけてくれるようにしようと考えたのだ。


 今になって後悔しているリリア。第一印象がよくなかったのは、周りの女子の目を見れば、幼いリリアでも気付くものだった。


 話しかけてもくれたのに、上手く喋れなかったことを酷く後悔した。


 でも、この頃のリリアはまだ前向きだった。まだやり直せると。だが――、


「――質問はありませんね? それでは焦らずに魔法を唱えていきましょう」


「オルヴェールちゃん、大丈夫?」


「は、はい。だ、大丈夫です。パパから貰った魔術書で予習済みです」


「へ、へえ……」


 リリアより少し歳上の男の子が、少し力んだ様子の彼女を心配そうに尋ねるが、この心配は別方向で的中することとなる。


(集中……集中……火の玉が出るイメージ)


 リリアは友達を作るきっかけ作りに気が向いていたせいか、勘違いをしていた。


 キィンと赤の魔法陣が素早く展開すると、先生は何事かとその魔力を感じる方向を向いた。


 そこにはリリアの姿があった。


「ちょっ、リリアちゃん! 待って!」


「――火の(つぶて)よ、――ファイアボール!」


 ボオっと杖先から火の玉が一発、一本の木に直撃する。さすがに威力は低かったため、焦げるくらいだった。


 リリアは初級魔法をしっかり成功させたことに喜ぶと、周りの反応――特に女子達の反応を見た。


「えっ……」


 だが、その視線は嫌悪に近い表情だった。自慢でもしたいの? そんなに特別扱いされたいのかな? ――まるで書いてあるかのようだったことを強く覚えている。


「大丈夫だった? リリアちゃん」


「は……はい」


 その時の心配そうに尋ねる先生の質問に理解できなかった。


「リリアちゃん、まだ初級魔法は危ないからダメだよ」


「!!」


「今日の授業……どころか、まだ初級魔法は先よ。しばらくは初期魔法から慣れていこうね」


 リリアはこの言葉で、彼女達があんな表情をする理由を理解した。


 今回の授業は初級魔法ではなく、初期魔法であること。


 やっとでさえ、特別扱いされている自分が人より先のことをすれば、どのような称賛を受けるかは理解できた。


「でも凄いわよ! これからも頑張っていきましょう」


 その称賛の言葉はリリアが築き上げたい人間関係に亀裂を入れるものだった。ただ、周りの子達みたいに楽しく過ごせたらいいなと思っただけ。


 だが無情にも本人の意思からはどんどんと遠ざかっていき、亀裂は大きく広がるばかり。


 ――その後の学校生活はリリアの望む景色ではなかった。


 自分に好意を向けてほしい男子達の圧は、臆病なリリアからすれば怖いもの。女子達から受ける嫌悪の視線は、自分が一番望まないもの。大人達から向けられる応援と称賛の言葉は、重圧と同年代の者達から遠ざかるだけのもの。


 それに拍車をかけるのはリリアの父ガルヴァだった。


 そんな怖い男子達はパパが何とかしよう、女子達は羨ましいと思っているだけだ、仲良くしようというきっかけが持てないなど、リリアの都合の良い風にアドバイスをしていた。


 勿論、母リンナは極端な解決をしようとするガルヴァを止めたが、そのリンナからのアドバイスは――なんとかなる、成せばなるである。


 そんな解決方法を見出せぬまま、次第に学校へ行かなくなったのは、言わずもがなである。


 学校側は寛容だった。お家で勉強するのであれば、問題ないと。だがリンナからすれば、子供同士で遊び学ばせることの大切さは理解しているため、無理矢理連れていく。


 その光景を村の人達はよく見かけたという。


 最終的には、リンナの存在も怖くなり、ガルヴァや事情を知る冒険者に(かくま)ってもらうことになるのだが、すぐにバレたことは言うまでもない。


 そして酷く嫌がるリリアに根負けしたリンナは、幼い間なら、勉強をするならと自宅学習に励むこととなった。


 要するにはガルヴァと同じ道を辿ることとなる。


 ガルヴァは良かれと思って、火と……認めたくないが、闇の魔術書を与えた。リンナは基本的な勉強面を教え込んだ。


 リリアにとって、一番平穏な時期だったと言えよう。


 だがこのガルヴァの英才教育がまた仇となる。


 ――約束通り、十二歳を目処に再び学校へ行くことに。産まれたての子鹿のような震える足取りで、リンナに引っ張られながら登校する。


 だが、学校での周りの視線や態度は、子供の頃に感じたものとそんなに変わらないものだった。


 男子からは真剣に血走った目で告白を受けたり、女子からは好きな男の子を奪わないでとか、また注目を集めに来たわけとか、心にもないことを言われ、大人達は想像を超えた彼女の才能に、望みもしない将来を提案されるなど、リリアの望む……普通とは程遠かった。


 リリアの才能は、闇属性持ちということもあって、魔法の才能はずば抜けたものだった。


 上級魔法の発動、無詠唱の発動、オリジナルの開発まで可能としていた。


 身体能力こそ低かったものの、魔法の才能はガルヴァの英才教育により、研ぎ澄まされてしまった。


 よく才能あるものは孤独を生むなんて言葉が存在するが、リリアの環境は正にそれだった。


 ここが王都であれば、少なくともここまでにはならなかっただろう。だがここは冒険者も集う山の田舎町。


 同年代の子供達から頭一つ、二つ抜けることなどすれば、孤立するのは明白だった。


 孤立するリリアに拠り所はなかった。周りはみんな、恐怖の対象にしか映らなくなるほどに追い詰められた。


 結果……彼女、リリアが思いついた結論は自殺だった。


 頑張れば頑張るほどに望むものは、酷い亀裂と共に裂かれていき、望まないものばかり手に入る。


 自分が言葉にできないばかりに自分のことを理解して貰えず、気付いた頃にはもう手遅れだった。


 そんな孤独の中、最初はまだ前向きに取り組むことができたリリアも、完全に底無し沼にでも沈んだかのように考え方もネガティブな方向ばかりに沈んでいく。


 ――考えることに疲れたのだ。努力することを無駄だと感じてしまったのだ。


 母リンナは知る。リリアは酷く人見知りで、臆病で大人しく、ひ弱な娘。


 どうしたらこう育ってしまったのか、自分の性格とは真逆の娘に色々考えもしたが、自分の境遇を信じ、育てた。


 周りから見れば、合わないことだとわかるだろうが、リンナは子供達と過ごすこと、成功という達成感が成長を促すと、強く信じる傾向にあった。


 父ガルヴァに関しては、才能を開花させれば成功するという実体験が根底にあった。――この父の場合は可愛い娘への溺愛の方が大きいが。


 両親ともにリリアを見ていないわけではなかった。だから学校を嫌がるのであれば、自宅学習もさせたわけだし、娘のためにと思って色んなことを学ばせた――だがそれ以上にリリアが優秀だった。


 合わない歯車同士を無理矢理回すことができないように、リリアの才能に対して、環境が合わなかった……それさえ気付ければ、彼女が最悪の答えを出すことなどなかっただろう。


 誰も望まない……遠い異世界の人間すら巻き込む、最悪の答えに行き着くことはなかっただろう――。


「はあ、はあ、もう嫌よ……」


 リリアは絶望をその美しい瞳に宿し、血に染まる指で暗い物置で魔法陣を描いていく。


「私なんて生きてたって……意味なんて無いのに……」


 後先など考えることなく、指先をナイフで切りつけ、魔法陣を完成させるための血の量を稼ぐ。


 だがリリア自身、両親に感謝していないわけではない。迷惑だと思ってもいない。


 だが期待には応えられなかったとは考えていた。


 あんなに自分のためにしてくれたのにと思いながらも、自分の中で期待しているのだと思い込んでの責任逃れに近い自殺。


 そして――、


(あ……)


 魔法陣は完成していないが、くらっと目の前が揺れている。


 次第に目の前がザァーっとテレビの砂嵐のような光景へと変わっていく。


 朦朧(もうろう)とする意識の中で、リリアは――、


(ごめんなさい……パパ、ママ)


 逃げるように意識が消えた――。

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