11 嗤う狂人
照りつける太陽が王都を見下ろし、熱気をもたらす中、光届かぬ裏路地は影落とし、ひんやりとした涼しげな空気が流れる。
そこにはある一人の少女が作業を行なっていた。
片膝をついて何やら地面に手をついて、術式が描かれていく。
紫色の妖艶な淡い光が、不気味に路地を照らし出す。
そんな彼女の後ろに、一人の男が歩いてきていたことに気付く。
集中していたせいか、気付くことが遅れたのだと焦燥に駆られ、腰に刺している短剣を素早く手に取り、襲おうとした時――ふと動きを止めた。
その男はまるで自分のことが見えていないかのよう、視線を感じないことに気がつくと、過ぎ去るのを見送った――。
「……お礼でも言ってほしいのかしら」
不機嫌そうに誰もいなくなった路地で呟くと、スタンっと上から人が降りてきた。
「いやぁ、なまったんじゃない? テ〜テュ〜ラちゃん♡」
嫌味のように言われたその言葉だが、正直、覚えはある。
最近はアイシア達と一緒に過ごす機会が増えたことが鈍った原因に思う。
「ま、いいんじゃない? お友達と過ごすのはいい事さ」
どうやらクルシアは見抜いていたよう。テテュラは分が悪くなったのか、不意に目を逸らす。
「それでなんの用? まさか茶化しにきたわけじゃないわよね?」
「ちょっと様子を見に来ただけさ。そんなに警戒しなくても、ね?」
「……順調よ。むしろ上手く用意でき過ぎて怖いくらいね」
「まあまあ、念のために早めに仕込みしておいた成果ってやつなんじゃない? 何事も余裕を持ってやらなくちゃ」
この男が言うと、いやに説得力があるように感じるが、やはり嫌味にしか聞こえない。
「あの魔人についてもそうかしら? 貴方が余計なことをしたせいで、こっちは内心ひやひやしてたのよ」
魔人を放置したことを指摘するが、悪気など一切見せることなく、ケタケタと話してみせる。
「その時はその時で行動しなよ。そこは融通を利かせなくちゃ、ダ・メ・だ・ぞ」
少年の容姿で小馬鹿にするようなその態度は頭にくるが、この男の性格を知っているテテュラは深く取り合わないようにする。
「はぁ……とにかく順調よ。問題なく貴方を楽しませられるわよ。ご心配なく……」
今日はやる気が失せたと、この場を立ち去ろうとすると、思いがけない言葉を耳にする。
「本当にやるの?」
その問いに、耳を疑ったテテュラは疑心を持ったように見ると――、
「きゃああっ! そんな目で見ないで〜!」
わざとらしい態度で悪ふざけをされた。
この男の性格からおちょくりたいだけだろうが、自分の事情も知っているはずなのに、そんなことを言うクルシアに苛立ちを交えて尋ねる。
「何のつもり? 貴方が提案したことでもあるのよ? 今更でしょ?」
するとまだ茶化し足りないのか、クスクスと笑みを浮かべながら、見透かすように言葉を並べる。
「最近のテテュラちゃん、楽しそうだからさ。てっきりさぁ、ね。……彼女達の里帰りにも誘われたんでしょ?」
アイシアは思いのほか早くポチを乗りこなした為、里帰りをするとのこと。
せっかくだから両親に紹介したいとアイシアから誘われたものの、いつもの感じで断ったのだ。
「相変わらず、人を覗き見する癖は抜けないのね」
「まあボクの趣味だからね。――あっ、人間観察の方だよ。そりゃあ君達の身体にも男として――」
「何を言っても言い訳にならないわよ」
人間観察だろうが、人生観察だろうが、覗きだろうが大差ないと侮蔑を込めて吐き捨てると、手痛いなぁと、くるっと一回転して戯けて見せると、
「素敵なお友達ができたからぁ、いいのかなぁ〜って」
テテュラの過去を知るクルシアは、彼女の心をかき乱すように焦らしながらつついてくる。
確かにテテュラがここへ来た当初より、世界が変わって見えたのは事実だ。
あの暗い牢獄のような場所から明るい日向の世界で、友達と呼んでくれる人達の中に居られること。
そんなに強く思い入れがあって接しているわけではないが、くすぐったいような心地良さを感じている自分がいることも認識している。
この男はそれを指摘し、想いは変わっていないのかと尋ねているのだ。
多分、面白半分で。
「……仮にやめるって言ったらどうするのよ」
「どうもしないよ。君が決めたことならそれでいいさ」
クルシアは自分の計画を、結構楽しみにしていた傾向があったことを知っている。
だから予想外の返答に驚くが、理由を聞くとすぐに納得した。
「ボクの組織の活動方針は知ってるよね?」
「ええ。やりたい事をやらせる……でしょ?」
「そう! ……たとえそれがどんなことであってもね」
無邪気に笑って見せるクルシアだが、本質を知るテテュラはそれを狂気としか受け止められなかった。
クルシアは人を見るのが好きだ。その見方の良し悪しは省くが。
クルシアはテテュラの人生をも一つの物語として観ているようだ。
「……貴方にとっては私の人生もおもちゃかしら?」
「フフ、そうかなぁ? みんなそうじゃない? 他人の人生なんて……」
今の自分には、その言葉に対して反論はできなかった。
「この国の人間を見ればわかるよ。ここまで勇者に影響されるものかねぇ。西もそうさ。未だに人形使いに囚われてしている。……その人生という絵本を見て、感性のままに受け止めて感じて、吐き出すのさ――」
不敵に笑みを浮かべた。楽しげに、ニタリと。
「喜び、楽しみ、苦しみ、悲しみ、怒り……あらゆる感情を剥き出し、共感し、力に化ける。……身に覚えがあるだろう?」
そんな悪意に蝕まれた覚えがあるだろうと、心を弄られる。
その問いに右腕を回し、右手で左腕を掴むと、恐怖を抑え込むようにギュッと身体を抱きしめる。
弱みを見せないようにと平静を装うとするが、クルシアの前で隠し事は難しい。
伊達に趣味を人間観察とは言っていない。
「人はみんな勝手さ。みんなだってボクらの人生を観て嗤うんだから、ボク達だって嗤っていいはずだよ〜」
「……貴方、やっぱり狂ってるわね」
「狂ってない人間なんているのかい? ボクからすれば常識をつらつらと生きる奴、群集心理に駆られて自分達が正しいと思い込む奴……そんな奴らの方が狂ってるよ」
バッとマントのような上着をはためかせ、テテュラの目を引く。
「この世は狂人だらけ。人の想いをその身と心に浴びて、蝕み蝕まれ、狂い狂って死んでいく……それが神が作った人の道だろう?」
この頭のネジの飛んだ男の考えが自分の理解を超えている。
だがこの狂気に救われてしまった自分だからこそ、否定もできなかった。
「ねえ、なんで神は人に感情を与えたと思う? どうして七つの大罪なんて言葉が存在するの? ……感情は罪であり罰。……人の象徴さ」
クルシアはよく『神』という言葉を口にするが、その態度を見るに、信仰心など微塵もない。
どちらかと言えば、恐れ知らずで無神経に逆撫でするような物言い。
「神様は反省をしろって意味で、きっと感情を与えたんだろうねぇ。――でもどうだい? 人間達に反省の色はあるかな? あるなら君がこんなことをしようとは考えないはずさ」
テテュラに神の気持ちなんてわからない。この男も知らない。誰も知る訳がない。
だが、この男は自分都合な解釈を並べ、嗤う。
「――ねえ? ルールが何故必要なのか考えたことある?」
「ないわね。……でもわかりはするわよ。この世界の秩序を守るためでしょ?」
「まあそうだね。それが無いと人は好き勝手に生きるだけさ。……ボクみたいなのが、それこそ蛆虫のように湧いて出てくる」
自分が悪人だと自覚はあるらしい。ある分、さらにたちが悪いが。
「でもさ、――ルールが何なのかってことは考えたことないでしょ?」
言っている意味がイマイチ、ピンとこないと、眉をひそめるとクスクス笑われた。
「ルールは人が作った見えない檻さ。そうだろ?」
「――!」
「そしてその檻を監視するのもまた檻の中にいる人間達さ。常識に囚われ生きている奴らは仲間意識を持って見張りあっているのさ。……その光景を想像してごらんよ――」
想像は難しくないよねと嘲笑する。
「どうだい? 滑稽だろ? しかもその檻の中で過ごすことが正しいと認識している人間がほとんどだ。……愛玩動物になることが嬉しいだなんて、無様だろ?」
人はみんなこの男のように強くはない。檻の中で安全に過ごせるなら、そうするだけだろう……嬉しがっているわけではない――あの時の自分だって。
クルシアから見れば、あの時の私は愛玩動物だ。
檻の中で諦めて、流れる時間を苦しみながらも気力だけを捨てていく毎日。
それを上から眺めるこの男がどれだけの優越感に浸っていただろうか。
さながらペットを探しにきた主人と愛玩動物という光景――無様と吐き捨てられるのは当然か。
「まあ、ルールを作る理由も納得はしてるよ。でもさ、そのルールを作る元が必要だよねぇ……それがボクらさ」
得意げな表情でニヤリと笑う。
「だからボクはさ、神に与えられた感情のままに生きて、欲望の限りを貪り、好き勝手に食いつくのさ。……どう? 狂った愛玩動物達よりよっぽど人間らしいだろ? ボク♡」
この男の狂気は自由だ。自由であることがこの男の狂気なのだと気付く。
人生というおもちゃを自分という部屋に撒き散らし、『自分好み』という名の狂気に染め上げるのが、この男の生きる道。
どこまでも深く、底が見えぬ、黒き狂気の底。それを満たす為ならば手段を選ばない。身勝手で汚らわしい感情。
だが、救われたが故にそこに強さを感じてしまっている。頼もしさを感じてしまっている。
自分はこの男の毒を呑んだ中毒者であると自覚する。毒され蝕まれるほどに呑まれてしまう。
そんな自分に手を差し伸べるのも、この狂人だ。
「でも、テテュラちゃんもその檻から出る勇気を出した。自分の本当に求めるものの為に……」
クルシアの言葉を聞いていると、包まれるような優しい気持ちになる。
悪い人間だとわかっていても、縋ってしまう。
「ボクがやるの? って聞いたのはそこさ。君のやりたいことは何? ちゃんと見えているかい?」
言われなくてもわかっている。自分のやりたいことくらい。
「大丈夫よ。忘れなんかしない」
「じゃあ改めて聞くけど――」
「やめない。必ずやり遂げてみせる」
一度は仕切り直そうと、去ろうとした場所の魔法陣に再び手をやる。
先程より眩く光を放つと、クルシアは小さく笑うとその場を後にする。
「期待してるよ、テテュラちゃん」
ヒラヒラと手を振りながら、クルシアは去っていった。
たとえその真意がクルシアによって操られていたものだとしても、やりたいと願ったのは自分なのだと決意を改めるのであった――。
***
――日は変わって、今日は里帰りの日。最低限の荷物をマジックボックスに入れて、ポチを見上げる。
(ほえ〜……遂にドラゴンに乗るのかぁ。ファンタジーだなぁ)
見送りにはフェルサ達が来てくれた。だが一人、往生際の悪い人もいる。
「……どうしてもダメ?」
「ダメ! 散々密着取材したでしょ?」
ヘレンが里帰りについて行きたいと言っていたのだ。このギリギリまで。
一緒に行く二人は別に構わないのではないかと言ったが、俺個人としてはボロが出そうな場所に、俺のことを密着する人間が行くのは、非常に危険なことだと判断。
「私は紹介したいけどなぁ……」
仲良くなった友達を紹介したい気持ちもわからんではないが、申し訳なく思っている。
「まあ家族水入らずで過ごすことも大切よ。野暮なんか入れちゃダメよ」
ナタルも説得してくれた。
「それにしてもあの人達も随分とアイシアのこと、引き止めてたね」
「うん。私、別の国になんて行かないもん」
「……留学という形もあるでしょうに」
「――嫌っ! みんなと一緒がいい!」
子供みたいな駄々をこねて抱きつかれる。これにもだいぶ慣れてきた。
最近、また大きくなったなぁと余裕を持って考えられるくらいに――。
――話を少し戻すが、ヤキンとレオンはアイシアの目覚ましい成長速度に大絶賛。
レオンに関しては、その才能を妬くくらいである。はっきりと異常とまで言われた。
「やはり考え直してくれないか? 君なら優秀な、いやこの大陸最強の龍操士になれる!」
「嫌です。私はリュッカ達と離れたくありません」
目を見張るほどの才能はあるにも関わらず、そこはテコでも動かないと強情を張る。
「お前な! 将来を考えれば、ちゃんとした教育機関で学べば、人の為になるんだぞ! 他の連中みたいにカッコ良さそうとか、適当な理由の奴らなんて目じゃないくらいにな!」
そのレオンの高圧的な説得も、ツンとして聞かない。中々頑固な一面を見せるアイシアに、リュッカも珍しいと困惑する。
「シア、私達と一緒じゃないと寂しいのはわかるけど、もう少し考えてみてもいいんじゃないかな?」
「ううん、嫌」
本当にテコでも動かないようだ。ナタルも呆れ果てる。
「貴女……子供じゃないんですから――」
「別にそれを目指しているわけじゃないし、それにポチにちゃんと乗れるようになったのも楽しいからだもん。……自分がやりたいって思うことじゃないと、きっと後悔するよ」
「……」
一同はそれを聞いて説得を止めた。
彼女は子供っぽいところがあるから、てっきり仲の良い友達と離れたくないだけかと思ったが、少し違うようだ。
アイシアは自分がやりたいことや友達と共有する時間を大切にしたいという優しい一面を垣間見た。
思えばアイシアがあまり一人でいるところを見たことがない。
リュッカは幼少から彼女を見てきたが、誰かしら側には笑い合える人達がいた。
彼女のことだから、たとえ留学しても友達なんて簡単に作ってしまうように思ったが、彼女は今の時間を大切にしたいと思っているようだ。
「……そっか。無理言ってごめんね、シア」
「ううん。私のことを想って言ってくれたんでしょ? ありがと」
――ということがあったらしい。
俺が見学に行っていた時に、レオンが仏頂面してたのはそういうことかと、聞いた時に納得した。
「もうわかったわよ。ほら準備なさい」
「「「はーい」」」
俺達三人は返事をすると、いそいそとポチの背中へよじ登る。
「じゃあ行ってきます!」
「皆さん、お気をつけて!」
「シドニエ達もちゃんと特訓するんだよ」
「は、はい! が、頑張ります!」
ポチは首を上げて、アイシア達の故郷の方向へ向くと、大きな翼を羽ばたかせ始める。
「おっ! おおっ!?」
「何だかすごいね……」
「二人共、しっかり掴まってね」
ポチはゆっくりとテイクオフ。地面から足が離れて浮いているのがわかる。
ドラゴンに乗って飛ぶ……ワクワクしてはいるが、いざとなると初見は怖いもので、思わずリュッカにひしっと抱きつく。
そのリュッカもアイシアに抱きつくが、その本人は二人を乗せて飛ぶ緊張など一切ないようだ。
――そして、大きく羽ばたいたかと思うと、身体がふわりと宙に浮いた感覚が疾る。
「――うわあっ!?」
「――きゃあっ!?」
思わず目を瞑ったが、冷たい風が頬をなぞる感触に、そっと確認するように目を開けると――、
「わあぁ……」
遠く広がる雄大な緑の絨毯、白と水色に染まったキャンバスの上を飛び、向かう先には堂々とした佇まいのアルミリア山脈が遠く見える。
何とも壮大な景色に思わず見とれてしまった。
飛行機や高い建物から見る景色とは比べ物にならないほどの感動があった。
ポチの力強い背中に乗せられて、三百六十度、四方の景色を一望できる特等席。風を切りながら進む、この感覚には高揚感が持てる。
まさにファンタジーを全身で感じた瞬間だった。
「どう? リュッカ、リリィ。凄いでしょ?」
くるっと楽しそうな笑みを見せながら振り向くアイシアに――、
「うん! 最高っ!!」
「そうだね! シア、凄いよ!」
俺達も満面の笑みで応えた。
「ねえ? アイシア達の村にはどれくらいで着きそう?」
空の散歩を満喫しながら、悠々と雑談を構える。
「多分、今日の昼頃には着くんじゃないかな?」
ポチの飛ぶ速度は、言うまでもなく馬車の比ではない。強く羽ばたけば、ギュンと風を切る……中々壮観だ。
赤龍はレオン達が乗っていた、風龍より速くは飛べないが、馬力がある分、長く飛べるし、人数も乗るらしい。
とはいえ、ドラゴンで飛んでいくのだ。王都までの陸路で苦戦を強いたタイオニア大森林を跨ぎ飛んでいくのは爽快である。
「はは、そっか。そんなに速く着くんだね」
「……私達、最初はこの森の中から王都に行ったんだよね」
「うん! バトソンさんの馬車に乗せてもらってね」
「あのポンコツ達を忘れてない?」
「「あっ……」」
思い出話に花が咲いたのか、楽しい空の旅が続く。
「こうして帰路に発ってみると、色々あったんだね」
「うん……本当にね」
「だってあの時はこんな空から帰るだなんて思っても見なかったよ」
「そりゃ私達のセリフだよ。ね?」
「うん」
「……リリィ、ありがと」
突然、アイシアが真剣な声でお礼を言い出した。
「何? 急にどうしたの?」
「だってリリィがあの時、助けてくれたから、こうして友達になれたんだよ。……この森に入る前のことも思い出しちゃった」
「そうだね。あの時は私達、まだまだ未熟でどうしようも出来なかったからね」
「――ううん、お礼なんていいよ。私だって二人がいたから、こうして楽しく過ごせてるんだから」
最初こそ、ただの人助けだった。ただ目の前に広がる非現実に立ち向かうための保証とも言うべきだろうか。
あのホワイトグリズリーを倒せれば、この世界でも生きていく自信になるかもと、無意識に思っていたんじゃないかと思う。
でも今では、この二人や王都に残した友人達と一緒にいることで、生きていける自信へと変わっている。
そして、この世界の人達と関わる重要なきっかけ作りをしてくれたのが、アイシアとリュッカだ。
俺の大切な友達……親友となってくれて、心から感謝している。
だからこそ怖さや罪悪感が俺にまとわりついている。二人が自然に接してくれていると、痛む時がある。
もし俺の正体についてバレてしまったら、この関係が崩れてしまうのではないかと。
何度思ったことか……正直、情けないと思う。
けど、いつかこの二人にだけは話そうとは思っている。この異世界で友として支えてくれたこの二人だけには……いつか、必ず。
「――あっ! そろそろ着くよ」
タイオニア大森林を跨ぎ終わり、見えたのはクルーディア。
そしてアイシアの指差す方向には、ポツリと小さな村があった。アイシア達の故郷なのだろう、二人は懐かしむような表情で見ている。
二人の生まれ育った村がどんなところなのか、胸をそわそわさせながら向かうのであった。




