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問おう! 貴方ならこの状況、歓喜しますか? 絶望しますか?  作者: Teko
3章 ザラメキアの森 〜王都と嫉妬と蛆蟲の巣窟〜
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27 清潔感マジ大事

 

 突然ですが皆さん、モテる男はどんな男か考えたことはありますか?


 やっぱりイケメンで高身長、高収入、高学歴、が基本ベースでしょう。最近ではこの三強ではないなんて言うが、んな訳ないだろうがというのが素直なお答えである。


 さらにこれに加えて、話が面白かったりとか優しいだとか頼もしさだとか。


 中々贅沢な話ですよね。


 結婚出来ない女性はここら辺の妥協があまりないそうです。あくまで知識の話なのでどうとも捉えられません。


 まあでも男性だって求める女性像というのも大体、理想まみれです。美人、優しさ、スタイル、家庭的などなど。


 人とはつくづく欲まみれだと思うわけで。


 話を戻しますが、皆さん女性向けのアニメや漫画はご覧になったことはないだろうか。


 その中で出てくる主人公が好きになる男の子っていうのが大概イケメンが基本ですが、それ以外に気付いたことはないだろうか?


 周りや瞳がキラキラと輝いていたりとかはまあ気付くでしょうが、服装を想像してみて下さい。


 ――何か無地のものが多くありませんか?


 男性向けみたいにゴテゴテした装飾まみれの服装ではなく、大体白のワイシャツや無地の服装が多い印象がありませんか?


 まあつまり何が言いたいかと言うと清潔感って大事って事ですよ。このキラキラだってイケメンだからではなく、イケメンで清潔感、つまり白や無地のものにすることによって、女性は意識的にも無意識的にも清潔感は求めるという推論。


 よく言いますよね、第一印象が大事、見た目が九割、イケメンや美女の方が収入源が高いとか。


 見た目ってそれだけ重要なんです。


 中身がどれだけ良くても、その印象だけで人は偏見や憶測で判断します。


 そりゃそうだ、話したことのない人間の判断なんて見た目しかない。


 そう、入り口は外見なのである。


 ――それらを踏まえた上でこちらの豚をご覧下さい。


 顔は今言った通り、豚顔。目は小さく、鼻の穴がしっかりと丸く見える。俺を見るその口元はよだれを垂らしながら常に気持ちの悪い笑みをする。


 体型はデブ。制服は風船のように膨れ上がっており、きっと肥えるような美味しい食事を毎食平らげているのだろう。立派なお腹。


 挙句、手足は短く、手汗も酷そうだ。


 結論から言うと豚に服を着せた豚……ではなく、豚に服を着せたような人間である。


 さらにこの容姿で自己中心的、傍若無人、挙句に貴族という肩書きに随分とプライドがあるような感じだ。


 こんな性格の悪い豚男が女性受けするかと言われるとそもそもの問題として、生理的に無理ではないだろうか?


 俺が女ならって女だが、絶対無理だ!!


 だが、この豚男はまるで自分の女になるのが当たり前のように振る舞う。


 どっから湧いてくるんだその自信。


 まあ肩書きからだろうがね。


「そもそも貴方様がどなた様かもわたくしはわかりません」


 俺は丁寧な言葉を心がけて話を進める。まだ機嫌を損ねさせる訳にはいかない。


「僕様のことを知らないだとぉ?」


 知ってて当然だろと睨みを効かす。


 だが、そんな脅しめいたものにも怯まず、作り笑顔を絶やさず答える。


「申し訳ありません。わたくしは田舎出の者故、貴族様には疎くございます。どうか無知なわたくし目にお名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」


 正直、面倒くさいと思いながらもご機嫌取りに下手(したて)に出る。


 するとその効果があっさり適用。実に単純な頭である。ドヤ顔をかましながらご満悦。


「そうだな、平民のお前はバカだろうから特別に教えてやろう」


 めちゃくちゃムカつくが調子に乗るだけ乗らせよう。豚も煽てりゃ木に登るとも言うし、正にコイツにぴったりの言葉だ。


「僕様の名はピクード・マルワァロイ! マルワァロイ家の三男であるぞ!!」


 作り笑顔で煽てるように小さく拍手を送る。


 コイツ本物のバカだ。まだ長男とか次男とかなら家督を継ぐという意味でも威張る理由もわからなくはない。


 でもこの豚、三男って言ったぞ。貴族とやらがわからない俺でもわかるわ! コイツこんな事繰り返してたら、簡単に家を追い出されるぞ。


 さて、元々リリアの事を気にかけている連中やこの騒ぎに横目で見る人達も増えてきたところだし、お昼時間もそろそろ半ばくらいなら、そろそろ怒らせますか。


「どうだ! この僕様の女になれるんだ! 嬉しいだろう? 他の連中もお前に目をつけているようだが、渡さないぞぉ」


 俺の意見はガン無視なのね。この傲慢さからまあわかってたけど。


「申し訳ありませんが、お断りさせて頂きます」


 俺は調子付き、下品な顔で笑う豚男に言い放つ。

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