遅刻
貴方は1人の命と引きかけに100人の命を助けることが出来ます
大勢が1人の命と引き換えに大勢を助けるでしょう
もし、その1人が自分だったらどんな答えになるでしょう?
それでは始まります
ピピピッピピピッ
静かな部屋に目覚ましのアラームが鳴り響く
「もう朝か、」
ベットからゆっくり体を立たせる
朝食を準備し、双子の妹を起こしに行く
「涼香ちゃん、冷香ちゃん起きて」
「んーおはよ、お兄ちゃん」
この目覚めのいい妹が、厳島 涼香
頭は良くなんにでも要領がよくそつなくこなす優等生 ワガママさえなければの話だが
そして、目覚めの悪くいつもお姫様抱っこで、リビングに連れていく必要のある手のかかる妹が厳島 冷香
考えてから動くのではなく直感から動くタイプ、正義感に溢れ弱者に優しい。運動神経が良くて先月の大会で優勝し、来月の初めに全国大会に行くそうだ。しかし、頭の良さはまぁまぁまぁ、いつもテストで1位を取ってくる姉に比べて、大体中間あたりにうろついてる
真ん中なのだから、悪くはないのだろう
妹達とテレビを見ながら朝食を食べる
「あ、舛さんだ」
ホタテ好きのアナウンサーが事件について報道する
「風芽市で黒い服を着た通り魔が目撃されています。近隣の住民の皆様気をつけてください……」
そうこうして、
朝食を終え、顔を洗い、歯を磨く
妹達は黒いセーラー服に着替える
僕も僕で、黒い学ランに着替える
3人で玄関を出て、駅に向かう
学校の方向は逆方向なので駅で別れる
住宅地に降りるこの道を15分ほど真っ直ぐ行けば僕の学校。
ポケットの中のスマホ手に取り時間を確認する
「7時半…」
よし、間に合うな、
赤信号の交差点
信号が青く光り
横断歩道を渡る
また、赤信号
また、赤信号
(おいおい、これじゃ遅刻になるじゃないか、)
腕時計を見ると短くない方の針が
時計の文字盤の真下を指している
「7時半?!」
壊れでもしたのか?
ポケットからスマホを取り出そうとするが
そこで気づく
ズボンが汚れている
よく見るとカバンも学ランも
一体いつ汚れた?
そんなことを考えながら
スマホを取り出す
・7:30・
そこにはそう映っていた。
街の時計塔もビルの壁にある時計も
狂いもなく同じ数字が浮かびあがった
死んだらそこで終わり
そんなもんさ人間は、