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赤いツツジの花言葉  作者: 森崎優嘉
1年生 4月
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9話

4月もあと少しで終わる、そんな今日は春の球技大会。既に試合は始まっていて私達の出番はもうすぐ…相手は同じ1年生。


「いよいよ私達の1戦目、勝ちに行くよ!」


前の試合が終わり、ついに私達の出番となった。

3つのリーグに分かれているバスケで私たちはBリーグ、先程同じリーグの3年B組が勝ったからこれで勝てば3年生と当たることになる。相手は1年C組…さて、勝負はどうなることやら。


「香澄パス!」

「了解!」

「そのまま真彩!」

「まかせて!」


1年A組のバスケチームは私、真央、華、小川さんに斎藤香澄(さいとうかすみ)さん、吉井真彩(よしいまあや)さん、湯浅奈津ゆあさなつさんの7人、そして今コートにいるのは湯浅さんと華を抜かした5人だ。

既に時間は半分を切っていてその間で人は入れ替わっている。


「瑞紀、香澄からボールを貰ったら思いっきりゴールまで持っていってくれる?」

「いいけど、その後は?」

「シュートしちゃってもいいし無理そうなら私にパスして」

「分かった」


バスケ部である真央が的確な指示をする、チームの皆も運動神経は良い方だから指示に従って点が入っている。


「古澤さんパス!」


斎藤さんからボールを受取り指示通りにゴール近くまで持っていくが真央はやはりマークされていてパスが出来ない、他の人はまだ後ろの方…時間もないし、やるしかない。


「え?」


私の前にいた敵チームの声を聞きながら脇をすり抜けその場で飛ぶ、ボールは手から遠く離れたゴールへと入っていった…その瞬間試合が終わる音が鳴った。


「やったぁ!」

「瑞紀!勝ったよ!」

「瑞紀の3ポイントのおかげよ」


役に立てたようで良かった。


「お疲れ様ー!」

「おめでとう!」


バレーの人達は既に負けてしまってバスケの観戦に来てくれていた。隣のコートでは男子バスケが試合をしていた。隼人くん率いる1年A組バスケチームも得点を伸ばしリーグを進めている。


「おつかれ!」

「お、真央達も試合終わったか」

「次はBリーグ決勝だよ!」

「僕達も次はAリーグの決勝だね」

「お互い頑張りましょう」


なんだか青春よね。

さて、次は3年生と勝負ね…本戦決勝までは行きたい所。

ピッー!

開始の笛と共に試合は始まった。さすが3年生…あっという間に点を取っていく、でも私達だって負けてはいない。


「瑞紀!」


真央からものすごいスピードでパスが来た…上手くキャッチしてそのままゴール。

時間は刻一刻と過ぎ試合が終わったが負けてしまった。


「悔しい!でも球技大会はまだあるからその時リベンジだね!」


男子バスケはAリーグ決勝でも勝ち本戦に出場、決勝戦で朝陽先輩率いる3年A組と当たった。


「やっぱ颯のクラスが残ったかぁ…隼人がいるもんな」

「どもっす!」

「何を当たり前のことを」

「そっちは見事運動系が集まったな」


それが隼人と颯の狙いなのだからね。

彼らの試合は本当に凄かった…特に朝陽先輩と颯、隼人の動きが他の人とは比べ物にならないほどだ…あれって人間よね?


「凄いでしょう?初等部の時から3人はあんな感じなのよ」

「そ、そうなのね」

「動きがもう人間じゃないよね」


初等部からって…別次元じゃないの。


「あ、やべ」


朝陽先輩がそんな口の動きをした瞬間ボールがこっちに向かって飛んできた。


「え」

「きゃぁぁぁぁぁ!」


ボールの向かう先は真央、それを見た瞬間ジャンプをして真央の前に行きバチッ!という音と共にボールをキャッチした。


「うそ…」

「瑞紀!」

「うっそ…取ったの?」

「瑞紀!」

「瑞紀、無事か!」


私は無言で朝陽先輩に思いっきりパスを投げた。


「うぐっ」

「先輩、楽しむはいいですけど…程々にしてくださいね?」

「は、はい…」


そんな事がありながらも結局朝陽先輩が勝ち球技大会が終わった。


次の日の夜、明日から5月にそんな日に未履修分野の課題が全て終わった。5月24日、25日、26日が中間考査…一週間前になる17日に中間考査の勉強をすればいいわけで、そうなると10日当たりからテストをすればいいわね。

次の日の放課後、柴田先生の元へ課題を持って訪れた。


「お?古澤が来るなんて珍しいな、どうした?」

「未履修分野の課題が全て終わったので提出しに来ました」

「…は?…マジで?」

「はい」


先生に課題のテキストを渡す。


「…確かに終わってるな…歴代の外部生の中で一番早く終わった事になるな。んで、テストはどうする?24日から中間だが」

「はい。なので10日から12日の3日間でお願いしたいのですが」

「3日間?テストが出来るのは8限だけだぞ?」

「本来1教科1時間の所を1時間で4教科お願いします」

「…出来るのか?」

「やってみせます」

「……分かった、そのように伝えよう」

「ありがとうございます」

「これで本当に全教科クリアしたら歴史に残るな」

「ぜひそれは却下で」


歴史に残るなんて嫌。


「なるべく早く決めておくからな」

「はい、よろしくお願いします」


先生の早くというのは本当に早くて次の日の朝には連絡が来た。


「古澤、希望通りに決まったぞ」

「ありがとうございます」

「場所は図書館管理棟の2階にある教室な」

「分かりました」


これで面倒なことが早く終わらせることができる。


「今のって何のこと?」

「未履修分野のことよ、課題が終わったからテストするの」

「マジで!?あの量をもう終わらせたのか!?」

「ええ、10日から12日の3日間でテストを終わらせるわ」

「…12教科をか?」

「ええ」


江畑くんが驚いた状態で固まった。


「おいおい、12教科って…それを3日間で終わらせる気か?」

「8限だけだろう?」

「だから1時間で4教科にしてもらったの」

「瑞紀…貴方大丈夫なの?」

「ん?面倒な事は早く終わらせたい主義なの。だから中間考査の勉強とかの事も考えて早く終わらせることが出来るのはこれが一番だと思って」

「…瑞紀の頭の中が知りたいわ」


華の言葉に残りの4人が頷いた。

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