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赤いツツジの花言葉  作者: 森崎優嘉
3年生 8月
134/136

6話

お盆の季節になった。

去年までだったら祖父母の家に行っていたのだけど今年は吹風が入院しているためお墓参りだけになった。そのかわりに父方の祖父母と彩葉叔母さんが吹風のお見舞いに行くため我が家に泊まることになっている。


「兄さんの家来るの久しぶりだなー」

「いらっしゃい彩葉叔母さん」

「運転疲れたよー碧海ー!早く車の免許取って私の代わりに運転してー」

「それを言うなら瑞姉に言ってよ」

「拓都に頼みなさい」

「え、姉さんの方が早く免許取れるじゃないか」


それはそうだけどね、誕生日が過ぎているから免許は取れるけど撫子祭が終わって生徒会を引退したら教習所に通うつもりだ。


「瑞紀、拓都、碧海、元気だったか?」

「こっちは暑いからねぇ」

「私達は元気だよ、おじいちゃんとおばあちゃんこそ長距離移動疲れてない?お見舞いは明日だし今日はゆっくり休んでね」

「そうそう!今日は俺たちが歓迎する側だよ」

「姉さんと碧海の言う通りだよ。もちろん彩葉叔母さんもね」

「若干私を忘れ去られていたと思ったのに拓都はほんといい子に育ったね…」


私が悪い子みたいに…


「異議あり、私は碧海と違って悪い子ではない」

「その発言に異議あり!俺もいい子だよっ」


この日は全員が早く就寝、次の日は吹風のお見舞いに全員で四宮病院へとやってきた。


「おじいちゃん、おばあちゃん!彩葉叔母さんも!」

「やっほ〜吹風、調子はどう?」

「良くなってるって、もうすぐ退院できるの」

「それは良かったわ!」

「無理は禁物だぞ」

「うん」


私も吹風に会うのは久しぶりだから元気そうな姿を見られて良かった。


「瑞姉、瑞姉はもう大丈夫?」

「もう大丈夫、会いに来れなくてごめんね」

「ううん、今会えたから嬉しい」


我が妹は本当に優しくて可愛い…。


「拓兄と碧兄も大変だったってお父さん言ってた」

「俺は何もしてないよ、頑張ったのは姉さんと碧海」

「ははは…」


久しぶりに吹風と話したけど…本当に元気そうでよかった。

もうすぐ退院できるからかいつも以上に可愛すぎて…


「瑞姉」

「ん?」

「ふふ、なんでもないよ」


そう言う吹風の万遍な笑顔に私は無言で吹風を抱きしめた。

そんな会話も終わり、あっという間に帰る時間となった。吹風は寂しそうな表情をしていたけど退院したらいつでも会えると最後は笑顔で見送ってくれた。

その夜は紅葉叔母さんの相手を拓都と碧海に任せ、おじいちゃんたちの会話に参加していた。


「瑞紀の進路は決まっているのか?」

「うん。このまま四宮大学に行く予定」


特に行きたい大学も無いしね。


「兄さんと同じ道に進むのね〜」

「い、彩葉叔母さん」


いつの間に…拓都と碧海は?そう思って見てみると2人ともテーブルに顔を伏せていた。一体何があったのだろうか…おかげで私は夜遅くまで付き合わされたのであった。







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