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赤いツツジの花言葉  作者: 森崎優嘉
3年生 8月
133/136

5話 拓都視点

姉さんたちの会話を聞きながら俺は隣に座っている碧海を見た。碧海は昨日貰った新しいパソコンで何やらソフトを作っていた。


「今度は何作ってるの?」

「撫子祭と聞いてさ、前に作ったソフトの改良版が未完成だった事を思い出して今作ってる」

「あのソフト、生徒会でもたまに使うけど結構使いやすくて便利だよ」

「今もう少し軽く動くよう改良してるので完成したら送りますね」

「それは助かるよ」


ほんと、我が弟ながら姉さん達と同じくらい有能でびっくりするよ。


「そういえば拓兄」

「うん?」

「拓兄が集める資料っていつも無駄なく的確なものが来てるけどあれってどうやってるの?」

「うーん…まず最初は欲しい資料のワードを少しでも掠っているものを集めて、それから使えるやつと使えないやつに分けるんだよ」

「…え、それだけ?」

「それだけ」

「…つまり拓都は煌星さん達がやっている仕事内容を詳しく把握している上で資料を集めているって事か」

「すごいね」

「いえ、姉さんや碧海に比べれば全然」


むしろ俺にはこれくらいの事しかできないからな。


「いやいやいや、あの仕事を理解している事がすごいよ。普通の人は無理だからね」


うう…颯さん達に褒められると照れるなぁ。


「俺、いつも拓兄が集めてくれる資料に助けられてるからね。母さんいない時の料理とか、本当に美味しいし!ありがとう拓兄」


まったく…こいつは本当に…。


「…俺の方こそありがとう碧海」

「私抜きに何仲良く話しているかしら弟たち?」

「わっ、瑞姉!」


突然姉さんに後ろから抱きつかれた…苦しい。


「本当に、自慢の弟達だわ」

「相変わらず仲いいね3人共」

「もちろんですよ」


そう言いながら嬉しそうに笑う姉さん…いつも頼りになって、でも一番つらい経験をしてきている。姉さんが覚えていない記憶も俺は覚えている…一つしか違わない俺と姉さんは姉弟というよりは相棒と言ったほうがしっくり来ていた。


「ん?どうしたの拓都」


自慢の相棒はようやく自分の幸せを見つけた…少し寂しいけど嬉しいことだ。


「なんでもないよ…颯さん」

「ん?」

「姉のこと、よろしくお願いしますね」

「ああ、任せて」

「いきなりどうしたのよ拓都」

「秘密」

「えー」


姉のこれからが楽しみだ。

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