男の願い
自身の心音と共に点滅を繰り返す紋様を、橙の視線は睨み付けて奥歯を強く噛んで次第に自由が奪われていく身体に力を入れる。
それが唯一、今出来る抵抗手段だ。
心音よりも点滅が激しさをましたのと同時に、内側から溢れてる痛みが感じて力が意思に反して抜けていく。
「まだ、抵抗するか…………。流石、獣とはいえ神だな」
忌々しさを込めた視線と呟きがしたの方から耳に届き、橙の視線は冷たさと鋭さを増してそれを写した。
それは、きらびやかな装飾をした冠を頭にのせて、自身の鱗から造り出した蒼天の甲冑を身にした男。
腰には、生えかわった牙から鍛えけた刀身がある長剣が差してあった。
「この度は、御礼申し上げる。御方は、我らが封印を務めていきます」
鞘に納めたままで目の前にき立てる。
かつんーーと音を起てるとの同時に、蒼天の色合いの紋様が足元から展開し薄い布のような光の柱が男の周囲を包み込んだ。
「あなた方は所詮、獣ーー」
鞘が淡雪のように溶けてなくなり、刀身に淡い煌めきが纏っていく。
両手に力をいれて柄を持ち直した。
まるで、男の迷いを表すような行為だ。
「情深く、情に狂わされる…………っ!ーー友人が死ぬなど、もう、」
男は、刀身を真っ直ぐに突き立てた。
嗚咽とまじった呟き。
「見たくない…………」
《ーー鳥籠のような場所に入れようなど愚か。数多の命は、血族を呪う。私も呪うだろう》
「それおも力に変え、私は、この国は、友人を守る事を選ぶ」
男は、この行為事態が自身の傲慢な想いだと知っていた。
男は、国を作った。
男は、狂ったように命を奪って吸血の王と呼ばれた。