プロローグ
何処とも知れぬ空間があった
その空間は白かった。ただひたすらに白かった。
あるのは真っ白でどこまでも広がる白い空と白い地面。
ただ地平線も見えないのであんがい宇宙空間のようなモンかも知れんなと
青年は思った
青年はその何処とも知れない空間に立ち、辺りを見渡し、確信する。
ここは地球じゃ無いな、と。
青年は思う。
そうすると可能性は三つ。
1.ヤッピー!!来たぜ異世界!!これはアレか、
貴方は死にました、しかし.....で始まる壮大なるファンタジースートリー?
2.ドタマがイカレて見える夢
3.何かのCGかVRで見せられてる映像
2と3は結局本質的に変わらないか....とゲームとアニメに喧嘩を売る様な事を考え
青年はこんな事になるまでの記憶を振り返る.....
今日はザ・しょうもない祝日No.1たる12月25日:メアリー樺太鱒とか言う日
東京電工大学の二年生たる青年は
年明けの試験についての調べ物と、コンピューターで図面を引くために
大学へいつもの通学の時刻に電車に乗り
茨城県下妻市から東京都足立区北千住にあるキャンパスへ向かった
2005年に開通した首都圏新都市鉄道のありがたさを噛み締めつつ
電車の中で一眠り
そこそこ混み合う路線ではあるが、
よく普通列車の始発が出る守谷駅でローカル線から乗り換える青年にとっては
大抵ゆったり座れて眠れる、動くゆり籠である。
年末になり、部活動もしばらく休止
今年最後の学食に舌鼓を.......
大学をソコソコ愛している青年は学食についての感想を止めた。値段相応だから良いのだ。
昼食後、知り合いと軽く話をし
コンピューター室で図面を描き
17時に日が暮れる中
18時過ぎまでコンピューターで図面と睨めっこしながら
パソゲー誘惑対決15本勝負を行った。
プリントアウトした図面を教授の部屋まで手渡しで持って行き、
合格の言葉に密かにガッツポーズ
その後朝使った路線をそのまま同じ様に乗り
帰りは中々座れず、今や旧世代とも言われるガラケーでゲームしつつ下校
実は朝も使っていた自転車で下妻駅から家に向けて漕ぎ出した
パソゲー誘惑対決で結局負け越したなあ、と思いつつ
寒空の下
東京ではまず観れない美しく夜空に映える三日月と星空愛でながら
帰っていると、目の前を地元の中学生が二人並んで自転車を走らせていた
すると其処に暴走車が突っ込んで来ることの気付いた青年は
口では間に合わないと思い
慌てて右から体当たりして彼らを道路左の草薮へ押し込んだ所で
目の前が真っ白になり.....
青年は思う。
もしかして自分は......
「はい、その通りです。」
瞬間、後ろから女性の声が聞こえ、思わず振り返る。
「貴方はお亡くなりになられました。」
其処にいたのは
オレンジの髪、透き通るような白い肌、古代ギリシャの様な青いワンピースを着た
切れ長の目、細めの体でありながら胸と尻が中々の[自己主張]を持つ
美しい女神だった。
その女神を目にした瞬間、青年は思わず口をついた
「チッ、つまらん。芸のないやつめ。」
「ですが貴方の魂は.....え?は?いや、あの....つ、つまらんて何ですかa!?」
予想外の言葉に、思わず女神が叫んだ。
「よっと失礼、ついつい本音が」
低めの声で、慇懃無礼に青年が応える。
これが、
青年 神郡建馬と
女神 イシュタルの
激突の始まりであった
ついにやってみました、web小説。この時点で3回手直ししてます。
色々と至らない点のあちこち見られるでしょうが、
何卒、何卒、温かいめでお付き合い下さい。お願いします。