パタパタで癒されろ
人の夢と書いて儚い。その言葉の意味を芋製造機のおかげで初めて理解できたよ。でも、ありがとうとは言わない! 絶対に言わない! 死んでも言わない!
こんな異能で儚いの文字の意味を知りたくなかった。
◇
タマちゃんに渡されて血を垂らした判別紙。そこに書いてある文字。
望んだ雷でも氷でもない。ってか、使い道の分からない異能。
芋製造機
自由自在に自ら想像した芋達を創造し操作する。
正直如何しろって言うんだ! こんな異能って無いよ!
だいぶ弱音を吐いて気持ちを落ち着かせた。
辺りを見渡してみると、喜んでいるもの、沈んでいるもの、怒っているものと感情は様々だ。
「お前ら! 異能は外で使え! これからグラウンドに行く、付いて来い!!」
タマちゃんが獣耳をパタパタさせ叫ぶ。
癒される~。パタパタ。癒される~。パタパタパタ。
アレだな。ゲーム的だったら、「精神力は回復した」が大量にログに出そうだ。
グラウンドでは既に何十人もの生徒が異能を使っていた。別のクラスだろう。眺めていると、人数はどんどん増えていく。最終的には数百人はぐらい居そうだ。
一学年の人数とグラウンドの大きさに驚く。
「タマちゃん、グラウンドの大きさってどのぐらいなんですか?」
率先して聞いていこう。タマちゃんとの会話で精神力回復だ!
「誰だ? タマちゃんとは?」
「先生の事ですが?」
「……私はタマちゃんではない。千秦寺 響子だ……断じてそんな……」
「いえいえ、俺の中では既にパタパタ獣耳のタマちゃんですから」
「…………いや、そうじゃなくて……可愛い感じじゃ……」
先生の小さな反論はそれからも続いたが、カワイイとか綺麗などの思っていた事を言っていると、タマちゃんで納得してくれた。なんとも優しい先生である。
後本来の目的を聞いたところ、グラウンドの大きさは東系ドーム10個分とのことだ。
何で皆、東系ドームを大きさの単位で使うんだろう?
そんな疑問を思いつつ、先生で回復した精神力を使う為にタマちゃんから離れる。
だってこんな異能見られたくないだろう。芋……なんてさ。