表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【捨て犬・イエス】  作者: シュリンケル
19/20

19.エンディング

 暖かい日差しの下で、わたしはイエスと芝生の上で座っていた。


 わたしはふかふかのパンを一つちぎってイエスに与える。

そしてわたしも一切れ食べる。


 はむはむとイエスは美味しそうにパンを味わい、わたしの顔を見つめる。


 『何か言いたいみたいだね』 彼の瞳はそう言っている。(そんなふうに聞こえてくるの)


そうよ。とわたしは言う。


 あなたの言葉はわからないけれど、わたしはあなたの心を感じるの。

きっとあなたにはわたしの言葉がわかるのよね。


 そうだよ!と言うかのように、イエスは一声わんっと吠える。

千切れそうなほどにそのシッポを振る。



 公園のハトが一斉に飛び立つ。(彼らは綺麗な隊列を組んで空を流れる)




 「おーい!」 丘の向うから、坂東が走ってくる。

手を振りながら満面の笑顔で走ってくる。


 わたしはイエスのリードを外し、坂東を指差して言う。「彼の所へ走るのよ、まっすぐに」


イエスはわたしにこっくりと頷き、笑顔で走りだす。

(嬉しすぎてシッポが丸まっている)


 イエスがジャンプし、坂東が腕を広げてイエスを抱きしめる。


 「いい子だイエス!いい子だよ!」


彼らが笑い、わたしも笑顔になる。


 イエスと坂東は仲の良い親子みたいだ、とわたしは思う。


彼らを見ていると愛しさが込み上げてくる。



 わたしたちはイエスから教わったのだ。


”命”の重みと、イエスから常に感じる”愛”の暖かさを。


それはとても当たり前の事。

だけれど、とても大きな力。


それがなんだか嬉しくて、わたしは坂東にキスをする。イエスがそこに割り込んで来る。


わたしたちは暖かい日差しを浴びて笑いあった。


 ぽっかりと浮かんだ白い雲に見守られて。



-FIN-


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ