表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【捨て犬・イエス】  作者: シュリンケル
11/20

11.お散歩♪(そしてドッグラン!)

 玄関のドアを開ける。


お外の爽やかな空気が吹き付ける。

(さむーい!でも気持ちいい!)


身体をぶるぶるっと思い切り震わす。外の空気は僕に元気を分けてくれる。

エリーが「じゃあ、お出かけしよう!」と合図する。

ワン!! と僕は一声鳴き、走り出す。



 なんて表現したらいいんだろう。


僕は道の真ん中で思わず立ち止まり、辺りの匂いを胸いっぱいに吸い込んだ。


 冬の寒さの中に、次の季節の匂いが感じられる。


たくさんの植物の匂いが満ちている。


空を見上げると、たくさんの鳥たちが横切っている。


猫の匂いもする。


仲間(犬)の匂いもする。


たくさんの情報が、漂っている。(犬である僕達は、匂いから情報を学ぶのだ)


僕は、飽きることなく周辺の匂いをチェックして歩いた。



---


 そしてエリーが連れて行ってくれたのは”ドッグラン”だ!

(ドッグランでは自由に走り回れるんだって!)


大き目の柵に囲まれたその場所は、土の地面がむき出しの広場だったんだ。


柵の中に入り、リードを外されて、僕は背中を押された。


 わーい!


僕は広場を駆け回った。

(たぶん、尻尾とかまるくなっていたと思う)


そこには、いろんな犬が集まっていた。

彼らが言うには、ここは社交場らしい。


最近どうなの?危険な情報はなかった? と彼らは常に確認していた。


 僕は正直に今までの経緯を話した。

死に掛けた事や、監獄から助け出された事などを。


彼らは口を揃えて教えてくれた。


君は非常に運がいいって。

そして、ここにいる僕らみんなが運がいいんだって。


”命を与えられた”んだって。


それが僕らの主な会話だった。



 「ペットだからねえ」 その日、柵の端に近い木の根元で僕はおしっこをかけながらトイマンチェスター・テリアのオス犬と会話をした。

ビルと呼ばれたその犬は、寡黙に話を続けた。


「ペットは飼い主によって人生が決まるんだねえ」 と彼は言う。


「君は本当にいい飼い主に出会ったね」 彼はそう言うとしっぽを振って祝ってくれた。



 僕は帰り道、”飼い主”エリーを改めて見上げた。



彼女は視線を感じて、僕をすぐに見つめてくれた。


-これが「家族」というものなんだろうか。

僕は首を傾げる。


 何かが伝わったのだろうか。


エリーが僕を抱き上げる。


「あたしたちは、”家族”だよ!」


 これは『奇跡』だよね♪


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ