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~プロローグ~
――彼の手には一通の手紙が握られている。
涙がとまる様子のない彼にいったい何があったのであろうか。
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超有名俳優のナルミは小説が原作となった映画の撮影に来ていた。
これまで彼が出演した作品でヒットしなかったものはほとんど無い。
収録中、辛い表情を浮かべたナルミはめずらしく台詞をミスしてしまった。
ナルミ「すみません。もう一度おねがいします。」
周りの出演者は一斉に僕を見た。
気づくと涙が溢れていた。
ー僕はこの言葉を知っているー