表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/35

一郎の語る日本&世界 1990年から2000年 後編

 休憩も終わり再開です。


 この世界線の中国ですが、中華内戦で相当国土が荒れ人口も把握できていませんでした。そして1998年の人口統計では中華民国3億3000万人。呉3億1000万人と拮抗しております。新疆は独立し、その後チベットとウイグルの3国で絹路きぬじ連合という国家連合を樹立。モンゴルも後に合流。4国合計で人口1億5000万人となっています。

 前世中国領域では現在8億6000万人となっております。

 中華民国と呉は発展途上国として頑張っていますが、国際連盟に加入しているからには国際的な環境規制を守れと言いたい。工場や自動車の排気ガス、産業廃棄物や民間のゴミでどうなったか、日本やアメリカ・ヨーロッパの惨状を教えてもさっぱり守られません。守っていると言っていても、地方ではまともに守られているところは少ない。世界的に目撃される沿岸部はともかくね。こればかりは痛い目を見ないとダメなのかな。

 絹路連合は推定される膨大な地下資源を持つことから世界中で注目を集めています。高品質な綿製品も人気です。こちらは産業化を日本や東ロシア帝国や欧米が協力していますので、大規模な環境破壊に繋がるような開発の仕方はしていません。ただ内陸部だけに輸送が東ロシア帝国とカザフスタンの鉄路頼りで量の確保が難しいという問題もあります。中華民国や呉と鉄道利用について協議を重ねますが、新疆が元は中国だったせいで上手くいきません。しかもカザフスタンの鉄路は国際連盟加入後のドイツ帝国時代にカザフスタン防衛としてドイツが多額の出資をして敷設したもの。忌々しいったらありゃしない。


 インドはインドでありました。現在10億人となっています。さすがに水資源の不足から来る農業生産の停滞で危機感を強めた政権により人口抑制政策が採られています。さらに各地でダムを建設し水資源の確保に躍起となっておりますが、部族間の水争いもあり順調とは言えません。この部族間の水争いは世界中で有史以前からされているようなことなので一朝一夕には変わらないでしょう。

 インドは自動車産業を誘致しようと運動しましたが欧米各国の反応が鈍く日本にも誘致に来ました。消極的な国内自動車会社の中で2輪メーカーで4輪は軽専業とも言える鈴本が手を挙げました。勝負するかと。今では現地資本のターダと市場を二分する規模になっています。10億市場の半分ですからね。今は台数も少なく小型車中心とは言え、あっという間に鈴本自動車は世界でも有力な自動車会社になっていきました。それを見た各社はどう思ったのでしょう。とは言え有望な市場になれば後から次々と参入してくるもの。鈴本もターダも必死です。


 インドの周辺国家でも水問題は深刻です。特にアフガニスタンとパキスタンでは。アフガニスタンとパキスタンでは政変も度々起こり、そのたびに国連軍の干渉が有ります。そして落ち着くとまた政変と。パキスタンは10年前に軍事政権が政権を奪取して以来、落ち着いてはいます。カシミールには国連軍の2個大隊が駐留しインド・パキスタン両国の争いが起きないように監視任務に就いています。

 アフガニスタンは国連主導で治水事業と水の公正な分配を進め、徐々に世相は収まっているようです。やはり食料確保が重要です。しかし、部族の面子とか爺さんどもの強硬な姿勢とそれにつられる連中とかはどこでも同じで苦労しているようです。


 中近東では産油国が豊富なオイルマネーで水資源の確保に躍起となっています。ここでもインド地域同様、部族間の水争いが激しく為政者の頭を悩ませます。ここら辺は枯れた大地と砂漠が多いので水は超貴重品。

 産油国以外の国は国連や先進各国の援助で水資源を確保しようとしていますが、やはり部族間の水争いが。

 これはアフリカでも同様で国連や関係各国を悩ませてくれます。

 先進国としてはおとなしくしてくれないかなと思うのですが、同時に治水事業や海水淡水化事業で儲かればいいかくらいにも思っています。


 インドネシアはオランダの爪痕が酷く、近代化を妨げていました。一番近い経済大国で先進国である日本がODAを中心とした援助で徐々に発展しています。最近、自国産木材の未加工輸出に制限を始めました。原木を多数買っている日本企業は痛い。現地工場で製材の他、製品化も始めました。

 やはり資源を持っている国は強い。


 フランスの爪痕が酷いベトナムもインドネシア同様、日本がODA主体で近代化を手助けしています。初期に本郷がオートバイのノックダウン工場を設立。徐々に内製化を進めています。ベトナムではオートバイの代名詞が本郷となっています。


 さて、大韓国ですが。

 なんで、ああ上から目線なんでしょうかね。半島北部の地下資源は世界でも有力ですから、それを活かして近代化すれば良いのに。日本は初代一郎からの申し送りで「大陸と半島には手を出すな」ですから、政府も積極的に手を出しません。あんなに近くて地下資源も有望な国に手を出さないのは不思議がられますが、出しません。アメリカ資本が入っていろいろやっているようです。日本の民間資本も多少は入っているようですが、アメリカ資本に対抗するためでしょうね。いくら政府が消極的と言っても民間の考え方は違いますから。

 自動車工業は将来的な人口増を見越してかアメリカのGMグローバル・モータスが進出。

 世界各国に進出して異民族相手の経営では経験豊富な同社ですが、一筋縄では行かないようです。

 オートバイは世界各国に工場を持つ本郷が請われて協力しましたが、作れるようになるともういらないといわれて追い出されました。怒りの本郷です。2輪のみならず4輪も絶対に輸出しないと決めたようです。

 大韓国は1995年の統計で下水道や浄化槽の普及率が50%とか。さすがに上水道は80%を越えています。自称先進国なんですが、環境規制も国連基準の先進国クラスには満たなく途上国のグループに分けられています。



次回最終話。10月30日 05:00です。

一郎は引き続き語ります。

中国の内モンゴルですが、この世界線では中国に奪われておりません。モンゴルはひたすら広大です。


今日は浜松基地航空祭前夜祭で自衛隊関係者や友の会向けに飛んでいます。家の上が飛行コース。F15とF2はエンジン音が、ガガガ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ