一郎の語る日本&世界 1990年から2000年 前編
太田一郎大いに現状説明をする。
皆様、太田一郎です。不本意ながら最後の一郎になってしまいました。多分だけど。
ご存じでしょうが情報伝達の大きな壁は【言語と距離と距離がもたらす時間】。
文字だけ取ってみてもアルファベット準拠の欧米各国から漢字+いろいろの日本語へは翻訳が必要で情報伝達の壁が高い。お互い様なのですが。
距離と時間については、通信技術とコンピューター技術の進展でかなり解消されました。インターネットも始まっているし。ただ、どうしようもないのが時差。こればかりはどうしようもない。24時間働けとも言えないですし。一部ではそういう宣伝も有るようですが。
ドリンク剤飲んだくらいで24時間戦えるか!ウナギを出せ!!
申し訳ありません。NANDフラッシュメモリ製品化で相当きております。お前はやらかすかもしれんから、生産工場の立ち上げに付き合っとけと業務命令を出され苦労しております。
ストレスから円盤の爆買いに走っております。しかし、山田さんも逝っておられたが、オッと間違いだ。言っておられたが、イマイチ甘い。やはり大戦前後の経験が無いと厳しさが足りないのか。でも戦乱は無い方が良いしな。
円盤は給料だけでは怪しいので政府からの給付金も使っております。アドバンスのレーザーディスクプレーヤーは良いな。両面自動再生が良いんだよ。音もCDプレーヤーと変わらないし。さすがCLD。
もちろん出始めたDVDという円盤も買っております。
部屋の壁一面CDとLDとレコードとカセットテープとビデオテープで埋まっております。後は本がこれでもかと。
ま、自分の事は放っておいて世界ですが、
懸念の人口爆発は、前世では既に50億人から60億人程度だったと思った1995年時点で50億人程度と抑制は出来ているらしいです。みんなはっきりとした記憶は無い。ただ2020年で80億人近い事は覚えています。
とにかく、途上国と後進国に金と技術を渡して各種産業を振興させることで、余暇時間の使い方を変え夜の暇な時間を減らしナニの回数自体を減らそうという試みは成功しているようです。コンドームは盛大に配布してるし。女性向けにはピルも一部で配布されているようです。途上国と後進国でも乳幼児死亡率はかなり少なくなっており、子供が減る心配が減っていることも人口抑制に繋がっているという分析もあります。この分なら2020年に70億人以下も可能と考えられています。
地球の人口可載量は決まっているので、限界を少しでも先延ばし出来そうです。ただ日本を含む先進各国では特殊出生率が2を切り人口減少が始まっています。寿命が伸びていますので総人口の減少が始まるのはこの先ですが増加に転じさせようと様々な対策を始めています。
人口抑制が成功しつつあるかわりに物価が高くなっています。余暇時間に娯楽をして貰うには金が必要。ある程度の賃金を貰わねば余計な金は出せません。前世で有った、有志が細々とやっていたフェアトレードに似たような事を政府が率先してやっています。缶コーヒー200円とか。前世ではこの頃100円から120円だった。チョコレートもM印のミルクチョコレートがやはり200円。ちょっと良い綿を使ったTシャツが1枚2000円。
フェアトレードには企業が反対しますが、経済的相互主義を原則とする国際連盟の規約があり、加盟国に本社のある企業が一方的に価格を抑えることは禁止されています。非加盟国に本社を移しても割高になるくらい関税率が厳しくなります。これは国内産業にも適用され、大手が優位に立っての強圧的な価格交渉は省庁によって厳しく監視されています。厳しくと言って抜け道は多いのですが。それでも勝手値引きには厳しい罰則がありますし台風手形も禁止されるなど良いことがあります。また一方的にコストダウンを言い出せない環境なのは良いでしょう。前世では…
それもこれも物価高の要因。
そのうち5円刻みが最低単位になり1円玉と1円単位は金融業界か特売でしか見なくなるだろうと言われています。ちなみにゴリゴリ君が100円で、うまか棒が15円です。
しかし、賃金は結構な額になっており不平は少ないです。儲け最優先の企業から文句が出ていますが、世間様からは恥ずかしい企業とされています。
人口抑制と物価はいいのですが、中近東情勢はというと落ち着いています。
最大の不安定要因であるイスラエルが存在しないのが一番の要因でしょう。この世界ではヨーロッパで有ったユダヤ人弾圧や虐殺が無く、偏見は有りますが市中で普通に生活しています。強引に国を作るという行為を行っていないのです。
石油も欧米諸国が一方的に占有していた1940年代から、1950年代になると権利や設備を産油国に売却して産油国から権利を買ったり石油を買うという普通の商取引に変化したのが原因だと言われています。産油国による強引な国有化を避けたというところでしょうか。スエズ運河もイギリスとエジプトの共同管理体制になり、いずれエジプトに引き渡される事になっています。その前にイギリス主体で浚渫して引き渡し後も権利や利益を得ようとしていますが。
欧米の転生者も頑張っているようです。
イスラム原理主義も、より過激におかしくなっていた新イスラム主義を見たイスラム圏諸国や宗教者がアレはダメだと潰しに掛かりました。今は世俗主義が主流になっており原理主義は爺さんや宗教狂いの戯言と思われています。
中近東以上に危ないと思われているバルカン方面ですが、バルカン危機以降、中小国家分裂状態でいずれの国力も小さく他国と全面戦争など考えられない経済状態です。特に紛争を画策していたと思われるモスクワ大公国が消えたことが大きいようです。国境で発砲程度なら有りますが国連の監視も厳しく、それ以上に進展しません。このまま安定しないかな。無理だろうか。
モスクワ大公国とベラルーシですが、ドイツに負け占領されてモスクワ大公国という国は消滅しました。今ではモスクワ共和国となっています。ロシアを冠しようとしたら東ロシア帝国の反対に遭い止めた模様。民主制で代表制民主主義です。ベラルーシも民主制で代表制民主主義となりました。ドイツが後ろ盾となり面倒を見ていますが、モスクワ大公国時代のインフラが低レベルで酷く道路と上下水道に関しては都市部以外半ば諦めているようです。ベラルーシも似たようなものでドイツ首脳部は悩んでいるという噂です。幸い食糧自給率は100%を越えており、それだけが救いのようです。シベリア鉄道が1976年にウラジオストックからモスクワまで開通し、東ロシア帝国とも交易を始めました。東ロシア帝国は結構な量の農産物を買っているようです。
さて、近場の中国とインドです。前世2020年には13億人を軽く超えていた両国です。多分両国とも正確な人口は把握できていなかったのではと思いますが、この2カ国で26億人とか。世界の三人に一人はインド人か中国人だと。
少し休憩します。また1時間後に再開します。
次回更新 10月27日 06:00です。
長くなったので前後に分けました。6時に後編を投稿。
最終話は10月30日 05:00です。
多分本文であればいいな。最終話の予定。
台風手形、困りものです。長期にわたる取引先で振出先が大手で系列に渡ってきた裏書きがしっかりしていれば、取引上の都合もあり仕方ないかなと。系列・外注・下請けだと頭からの払い方でそうなっているわけですが、中には「手形で貰っても手形は出さないんだ」と小切手で支払っていただけた会社も有ります。
頼まれても裏書きだけはぜったしてはいけませんよ。頼む時点で財務状況は怪しいか破綻寸前か破綻している状態ですから。
裏書きは保証人と同じ意味ですからね。銀行や金貸しが厳しく取り立てますよ。