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1954 世界 そして1960

最終話なようなタイトルですがまだ続きます。目指せ2020年ですがどこまで妄想力が続くのか。そろそろ史実と乖離しすぎて妄想力が足りなくなりそうです。

 G5の結成とその存在は確実に世界に影響をもたらした。

 世界経済の4割を占め、さらに軍事大国も多い。イギリス、アメリカ、日本の海軍力だけで世界の海を制することが出来る。

 また、中華内戦に及ぼす影響は大きい。ドイツ帝国が兵器の供給(販売)を止めたのだ。

 中華共和国の契約違反が主原因だとされる。金の切れ目は縁の切れ目でもあった。中華共和国は金が尽きたらしい。ドイツ帝国は明らかにしないがかなりの金額が焦げ付いたという情報もある。また、輸送路の呉支配地域を通過させるのに袖の下をけっこう使っていたようだ。

 ただ、G5の影響も大きかっただろう。



 中華共和国はドイツ帝国から兵器供給が絶たれたことで急速に弱体化。戦線を次々と下げていく。逃げ出す中華共和国国民も多いが逃げ出す先は中華共和国以上に農業生産が望めない荒野のチベットと中国国内だが中華内戦で事実上自治を保っていて支配下に無い新疆に逃げる者が多く、次いでモンゴルだった。モンゴルには東ロシア帝国が入り流入を食い止めている。が、広すぎて川の流れを棒杭で止めようとするようなものだった。

 中華民国支配地域や呉支配地域に逃げ込むと最下層の農民として扱われる。指導者階級は捕らえられ厳罰が待っていた。それだったら、モンゴルやチベットを征服して盛り返そうという姿勢だろう。

 やがて、G5にチベットとモンゴルから救援要請が入る。新疆からも救援要請が届いた。新疆は呉も中華民国も信じていないようだった。

 これには困った。中華内戦は中華共和国の負けが決まり、呉と中華民国で睨み合いになってきている。現在は休戦状態でそれぞれ体制が整い次第また内戦を始めるのだろう。G5は中華共和国の残党を一掃したいが中華内戦地域を通過するのはいかにも拙かった。

 G5はモンゴル方面を東ロシア帝国と日本が支援し、チベット方面をベンガル湾からイギリスとアメリカで支援することとなった。

 ドイツ帝国は万が一を考えカザフスタンの了解を得てカザフスタン国境付近を守ることになっている。ドイツ帝国が一番大変なのかもしれない。だがドイツ帝国の影響力がアジア中央に及ぼされるのは気に入らない他の4カ国だった。



 そんな状況の中、1955年春に中華内戦が再開された。理由は一つ。中華共和国が不思議なほど資金力があったのが隠し金山と隠し銀山であったことが判明。場所は楡林市西方の山岳地帯だった。資金力が尽きた原因は無理な採鉱にあった。技術力が足りないのと安全性を無視して掘り出し過ぎ落盤や出水で次々と採掘困難となったのだった。そして資金が欲しいのは世の常である。

 両陣営は軍を送り込んだ。


 金と銀を巡る内戦は拮抗していた。どちらも人間は余っており資金力もある。大型商船が接岸可能な港湾を幾つも抱えている。もう金鉱や銀鉱が手に入っても鉱山の規模と品位によっては収支が怪しいと思われるほどの資金を投入している。意地しかなかった。あいつらに与えてたまるものか。それだけだった。


 G5は中華内戦地域に対する武器輸出を止め、戦闘を止めるように訴えている。代わりに大々的に武器輸出をしているのがフランスとイタリア。スウェーデンも少量だが輸出している。フランスはドイツに負け続け経済が落ち込んでいたのを中華内戦で盛り返そうとしている。特に航空機が人気だった。フランスとイタリアの性能的に劣る機体でもG5が航空機を出さないのだ。フランス製でも呉では歓迎だった。イタリアは中華民国に入れ込んでいる。




 G5が最初に中心となった動きは植民地解放だった。既に植民地のトータルでの経済性に見切りを付けているイギリスが中心となり緩やかな解放へと進むことになった。抵抗するのはフランス・オランダ・ベルギーの3カ国であったが、徐々に押し切っていく。

 一気に解放しないのは、自立出来る自治能力と経済力を伴わない急速な解放は混乱とその後の内乱内戦状態しか生まないと転生者達が反対したからだった。逆に解放植民地周辺の混乱を収めるのに多大な努力が必要になると。特にイスラム圏での慎重な動きを求められた。


 この植民地解放運動を経てG5が中心となる国際会議が度々開催されるようになり、後に国際的な会議の常設に成功。国際平和を目指し、加盟国にある程度の義務を要求した国際連盟へと発展していく。

 国際連盟発足は1960年のことだった。本部はロンドンに置かれた。


 国際連盟においてG5は開設メンバーでもあり経済力と軍事力もあることから中心となり理事国になる。他の国は評議国と呼ばれる。

 国際連盟は国際紛争の調停や各地の戦乱の調停も担う。為に軍事力の行使もいとわない。理事国になったG5が中心となり常設の国連軍が結成される。

 国際連盟の内規作成には転生者の意見も取り入れた。国際連盟だけではなく国際的な機構全般に関してもだ。

 それには、


国際的機構の一部有力加盟国の権利行使による機能停止。

一部の意見を重視して総合的におかしな制度・規格が出来上がる。

文化財や生態系の保護には学術経験者の意見を重視し国家の都合や意見に振り回されないようにしないと変なものが保護され保護されるべきものが保護されない。

地球温暖化を遅らせるために二酸化炭素排出基準を設けること。今すぐは無理だろうから20年後からでも良い。


 など様々な実例が出された。その意見は有為に使わせて貰う。





 四代目一郎こと山田一郎です。まさか国際連盟なるものを創る時に参考意見を聞かれるとは思わなかった。

 まあ、他の人も聞かれていたんでしょうけれど。一堂に集めて聞かないのは、整合性を取るためでしょう。で、整合性が取れたのが


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国際的機構の一部有力加盟国の権利行使による機能停止。


一部の意見を重視して総合的におかしな制度・規格が出来上がる。


文化財や生態系の保護には学術経験者の意見を重視し国家の都合や意見に振り回されないようにしないと変なものが保護され保護されるべきものが保護されない。


地球温暖化を遅らせるために二酸化炭素排出基準を設けること。今すぐは無理だろうから20年後からでも良い。

--------------------------------


の四項目で、ここからは全員集められ根掘り葉掘り聞かれました。全員、頭から湯気が出たり口から出てはいけないものがフワーッとした気もします。


 国際的な指標はどうも前世今世の国で意見の違いもあるようで、なかなか纏まらなかったとか聞きました。特に産業と生活に直結する二酸化炭素排出基準は揉めたようです。寒い国や地域は多くなるからね。

 権利行使による機能停止は、多数決で押し通す事が出来るようにしたと聞きました。意見を相当戦わせてからになるようですが、数の暴力にならないか不安もあります。


 そういえばようやくトキワ荘に未来の巨匠達が集まってきました。勿論突撃して構想を話し合ったり楽しい一時を過ごせました。どんなものが出来上がるかはまだ秘密です。



次回更新 10月16日 05:00です。

次回も本文か?


G5で世界経済の4割。

この世界線ではWW1とWW2が無いのでそこまで富の集中と偏在が起こっていません。特にアメリカに集まっていません。金融力はイギリスが依然として1位。アメリカは2位です。ドイツが3位。スイスが4位。日本は5位くらいでしょうか。5位から下は差がけっこうあります。




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