ウィルヘルムスハーフェン空襲
ご都合主義回です。
9/14 訂正
恥ずかしいことに零戦が存在しないのに零戦登場。
三式艦上戦闘機[ 強風 ]とします。
スカパ・フローでイギリス海軍の戦艦1隻が沈み、金剛も2本披雷した。金剛は危ないところであったが傾斜を止めることが出来、護衛を付けてノロノロと生まれ故郷に向かう。
イギリス戦艦は、艦首に2本を披雷。泊地であったために舷窓と水密扉が解放されていて浸水が早く艦首から沈んでいった。一気に横転とかではないためかなりの生存者がいたことだけが救いであった。
金剛も舷窓が開かれていたのと水線下で数カ所の水密扉が開放されていて、浸水が早くなり危なかった。近代化改装でバルジを装着して浮力が増していたので沈まなかったと言われる。
イギリス海軍は面子を潰され、日本海軍も泊地の警戒態勢を改めることになった。
この事件の後、低い位置の舷窓は軍港以外では閉め切りとなり、やがて盲蓋で閉鎖されることになる。新規建造艦では低い位置の舷窓そのものが無くなる。
ウィルヘルムスハーフェンをイギリス空軍と日本海軍が共同で爆撃する作戦は、スカパ・フローの件とは無関係である。ただし、日英海軍はウィルヘルムスハーフェン空襲と併せて脱出してくるだろうドイツ艦隊を撃滅する。
1945年11月26日
作戦当日、イギリス東部の飛行場から強風が飛び立った。
作戦に参加するのはイギリス空軍の最新鋭4発爆撃機ハリファックス120機と護衛の強風82機であった。
強風は輸送船に乗せてきた予備の機体に母艦の補用機まで使っている。搭乗員は母艦乗りも含む予備搭乗員全員だった。これは拙いとして日本から呼び寄せているが来るのは2ヶ月後だろう。
戦闘機搭乗員にとっては往復5時間の憂鬱な時間が始まる。事前に演習として作戦に参加するハリファックスと往復1200キロの行程と頂点部での空戦訓練を実施した。
当日朝、ラジオ放送で空襲予告をしてからのウィルヘルムスハーフェン空襲は損害は多かったものの成功した。
空襲から逃げだそうとしていたビスマルク、チルピッツ、シャルンホルスト、グナイゼナウが護衛艦艇共々ボルクム島を越えた頃に、飛龍・蒼龍・翔鶴・瑞鶴の4隻から飛び立った攻撃隊が補足。1次2次合計330機の猛攻を受けた。とどめはイギリス空母から発艦したソードフィッシュが行った。
ビスマルクはボルクム島沿岸に沈没と言って良い上甲板まで海水を浸らせての擱座。チルピッツはウィルヘルムスハーフェンへよろよろと帰って行った。シャルンホルスト横転沈没。グナイゼナウ爆沈。
護衛艦艇も重巡1隻に軽巡1隻と駆逐艦3隻が沈没している。無事だったのは駆逐艦3隻のみ。
世界で初めて作戦行動中の戦艦が航空攻撃のみで沈められた。快挙である。
爆撃隊は150機前後の迎撃機を突破し軍港施設と係留していた艦船に爆撃を加え多大なる損害を与えた。損害は強風19機、ハリファックス26機である。ドイツ空軍の披撃墜は32機だった。
そしてドイツの完敗であった。
ウィルヘルムスハーフェン周辺には合計で250機近い戦闘機が配備されていた。そのうち150機が戦艦を守るために派遣され、残りの100機で要地防空を行ったのだった。時差があったために戦艦護衛から帰投して再出撃できる機体は迎撃に参加した。
この空襲により、キールやハンブルクまで護衛戦闘機付きでの爆撃圏内であることが判明。撃墜した強風の分析や捕虜にした搭乗員の聞き取りで明らかになった。
ウィルヘルムスハーフェンへの空襲で迎撃機が少なかったのは、日英艦隊からビスマルク達を守るために派遣されていたからだった。その護衛任務でもドイツ空軍は多大な損害を負っていた。
ロンドン 海軍本部
「成功しましたな」
「日本海軍だけであの近代的な雷撃機が100機だ。ジャガイモ野郎はざまあみろだ」
「しかしアレはうらやましいです」
「確かにな。我が海軍の機体開発はどうなっているのか」
「ご安心を。次期艦上攻撃機は全金属製です。複葉ですが」
「はあ?アレを見てまだ複葉を採用すると」
「なら、日本から買いますか」
「それはちょっとな」
イギリス海軍の艦上機は迷走するしか無いのか。
ベルリン 首相官邸
はは、戦艦4隻全滅とか。勘弁してくれ。あれほど空母には注意するように言っておいたのに。ドイツ国内で空母機動部隊の脅威を知っているのは俺だけだろう。何故かを詳しく言うと拙いから言えなかったんだ。どうするか。もう水上戦闘は出来ない。なら潜水艦とキール運河防衛に全力だな。
生ゴムは南米産がモスクワ大公国経由で入ってくる。ゴムは不足しない。石油も問題ないだろう。輸送の手間が酷く掛かる以外は。必要とされる資源のほとんどは鉄道輸送か。増えるほど担当者の頭は光るんだろうな。やはり海運の輸送効率は凄い。
勝ち目はあるのか?日英だけが相手なら引き分けですむ気がする。問題はアメリカだ。最近、ベルギー・オランダ・デンマーク・スウェーデン・フィンランド等に開戦前よりも多くの商船が入っている。まさか、誤認させて攻撃を受けさせようと狙っているのか。後で問題にならないように、いろいろ手を打っておこう。具体的には「俺はそんな指示出していない」だな。
モスクワ大公国 クレムリン
「ドイツは戦艦4隻を沈められただと」
「最新情報です」
「いい気味だ」
「どうされますか」
「意気消沈しているだろう。今が機会だ」
「よろしいのですか。講和条約破りですが」
「かまわんよ。ドイツを滅ぼせば無かったことになる」
「さすがに国際社会で通用しません」
「この儂が良いと言っておるのだ。やれ」
「そうですよ。今が機会です。かの国もたくさん兵器を送ってくれました。ドイツには後れを取っていません」
「そなたもそう思うか。ミコヴィチ枢機卿」
「もちろんでございます。大公様の在り様は正しいのです」
「そうじゃろう。では、大公が命じる。ベルリンを落とすぞ」
(この野郎。坊主のくせにしゃしゃり出てきおって)側近は皆そう思った。
「畏まりました。大公様」
モスクワ大公国軍がドイツ帝国との講和条約を破りバルト三国再侵攻を行ったのは、1945年12月28日だった。
次回更新 9月11日 05:00です。
金剛さんはヴィッカース製ですから。
チルピッツが生き残れたのは、日英艦隊がドイツ空軍を警戒しすぎて2次攻撃終了後さっさと反転帰投したためです。
ミコヴィチ枢機卿
クレムリン宮殿には怪しい坊主が必要と思いまして。
ロシア人の名字は最後にヴィチかスキーかフを付けておけばなんとかなると思っています。
生ゴムの必要量が入手不能になるドイツはどう出る。密貿易まがいで多少は入ってくるんですが、必要量は満たせない。