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序
流れ星が消える前に3回願いを言えるとそれが叶う。そんな迷信を聞いて、多くの人が今まで星に願いを込めてきたのではないだろうか。
単純にお金、恋人、超能力が欲しいなんて願いを込めた人もいるだろう。嫌いな人に消えてほしい、法律を犯してみたい、世界が滅んでほしいなんて人に言えないような願いを込めた人もいるのだろうか。
あの日…願いの星が落ちた日に俺は何を願ったのだろうか。
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1人暗い、暗い闇の中にいる。何も見えない。
「-う!!---が--ちゃう--ない!!」
「--んって。-も---りに--だろ?」
遠くから2人の男女の声が聞こえる。なんの話をしているんだろう?聞きたい。この箱から出たい。光を…
その瞬間、俺は光に包まれた。なんて心地いいんだろう…血相を変えて、先ほどまで仲睦まじそうに話していた男女が駆け寄ってくるのが視界に捉えたのも束の間、俺は意識を手放した。
その日、この星で二つの星のようなものが観測されたという。