表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/12

パンキー

「世話ンなったなァアノウちゃんよォ……オレだよ」

アノウがテリオンの機銃掃射に阻まれて帰還できず、金塊邸勝手口付近の物陰に隠れているとき、そのテリオンから発せられるボイスを聞いて、あるパンキーな髪型とタトゥーの顔の奴を思い出した。

「……生きていたのかお前」

「おーよ、全治1週間のケガでよぉ……オメーにとりつけた盗聴器から流れてくるメッセージ聴きながらのリハビリはつらかったぜェ」

盗聴器──つまりこれは罠だったというわけか。

アノウはようやく察して、後悔や怒りよりもはやくどうサバイバルするかの方策(スキーム)を練りはじめた。

「1週間のリハビリぐらい我慢しろ」

「そうはいかねェ。オレがいないと泣いちゃうナオンがいるもんでヨ……」

その|中型の逆関節脚構造のテリオン《チキンレッグ》から短距離ミサイル(SRM)がつぎつぎ放たれ、アノウの隠れ場をひとつひとつ潰していく。

「オメーの首ィ金に換えて持っていきゃァ泣きやむんじゃねェかってよォ……」

あきらかにそのパンキーは愉しんでいた。

この手のならず者傭兵にはよくある嗜虐癖だ。

「ちなみにいまの額はいくらだ」

「500万ターラーってとこかなァ……マァそこは交渉しだいってわけよ」

「おもわぬボーナスが手に入るから笑ってるな」

「そらそうよ。だからさァ、もうちょっと愉しませてくれや。ネズミ踏み潰すのが大好きなんだよオレは……」

「お上品な趣味だな」

「マスター……」

ちかごろのAIは音声に感情をこめることもできるのかとふとアノウは思った。

「わかってる。もう少しの辛抱だ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ