4話 邂逅
数日後。私達はまた森の中にいた。4人で。ギルドによると、村の近くにある森は少し前までマナスポットにはなっておらず、異常事態であるとのことだった。そのため私たちは原因の究明及び、可能ならば解決を依頼されたのだ。
「原因の究明って何すりゃいいんだよ…」
グンマがつぶやく。
「まぁとりあえずは探索してみるしかないんじゃない?」
エレメントビーストの闊歩するこの森で単独行動は危険だということで、4人で固まって動くことになった。
「ちょっとテレス、魔力の流れとかを調べてくれる?」
「でも前魔力源とかは分からなかったよ?」
「でも、どこか魔力が濃くなってたりしたらそこが怪しいでしょ?」
なるほど、と思い3人に周りを見張ってもらいながら魔力探知をする。
「どう?なにか見つかった?」
「今やってる…ちょっと待って!」
周囲を警戒していた3人が振り返る。
「あっちの方かな…なんか魔力が強い」
「じゃあさっさと行こうぜ!!」
そう言って走り出すグンマをマークが抑える。
「なんでお前はそんな考える前に行動をするんだよ…」
マークが呆れる。4人の中ではもはや定番となった会話だ。
「一人で突っ込んでどうすんの。ちゃんと周りを警戒しながら行こうよ」
4人で警戒…していたのも最初だけで、すぐにみんなで談笑を始める。しばらく歩き続けると不自然に切り開かれたちょっとした広場のようなところに出た。半径15m程の広場の周りにはたくさんの木々が切り倒されている。
その中央に「それ」はいた。体長2mほどの大きな亀。そして背中には4mはありそうな大木が生えていた。少し離れたところからでも亀を中心に魔力が渦巻いているのがわかる。周囲を確認していたときだった。
「うわっ!」
突然リオンが悲鳴を上げた。
見るとリオンの頬に鋭い刃物で切られたかのような線状の傷が付き、血が流れていた。周囲を見回すが、何も見つからない。自然と背を向かい合わせにして周囲を警戒する。
カキンとなにか硬いもの同士がぶつかった音がする。
見るとマークが剣を構えるその下に何かが落ちていた。拾い上げてよく見てみると、とても硬く鋭かったが、間違いなく鳥の羽だった。思わず空を見上げる。そこには翼を広げた長さが2mはありそうな大きなカラスが上空を旋回していた。
「上!あいつが羽根を飛ばしてきてたんだ!」
マークが叫ぶと同時にカラスが咆哮を上げた。それに気づき、巨大な亀もこちらを向く。亀が大きく振りかぶった前足を地面に叩きつけるとこちらと亀の間を阻むように太い木の根が何本も伸び、大きな壁のようになった。
「攻めの鳥と守りの亀…ね」
「森が突然マナスポット化した原因はこいつらっぽいな」
間違いない。こいつらが魔力を吸い集めた結果、この森全体がマナスポットと化したのだ。
つまり、こいつらを倒せばいいというわけ。
「うぉりゃぁああ!天誅!!」
「「待て」」
一人で飛び出そうとしたグンマを私とマークが止める。
「なんだよ!あいつらぶちのめせばいいんだろ!?」
…君、僧侶だよね?僧侶が一人で殴りかかって何をしようというのか。
「とりあえず亀の方から倒そう」
亀の方が地上にいるぶん倒しやすいだろう。
「俺がカラスからの攻撃を防ぐ。その間にテレスとリオンで亀を攻撃!」
「「了解!!」」
マークがテキパキと指示を出し、戦闘態勢に入る。植物系ならば炎が効くだろう。いつ攻撃が来てもおかしくない。だから、第1階梯魔法で細かく削っていく。
猛りし炎よ以て総てを焦がし尽くしたまえ
炎の第1階梯魔法、火炎。小さな火の玉が木でできた壁にぶつかり、そして弾けた。木の壁には小さな焦げ跡を作っただけだった。
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