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第十七話 なぜ第二王子の周りが騒がしい②

この話、本題からずれてきた気がする・・・


 あ、そう言えばフェリクス殿下の連れて来た護衛達は、今だ頭を下げたままだ。肩や腰がプルプルし始めているが、ここで頭を上げろとかの言葉を掛ければ、護衛として私につくと認められたとか勘違いされそうだ。・・・まあ、鍛えているからまだ大丈夫だろう。声は掛けないでおこう・・・そのうちフェリクス殿下が見かねて声を掛けるだろう。


 「・・・おうじょ、いや、お嬢様は、慈悲の心がないねー・・・。俺ならこんなに長い間頭を下げさせるなんて考えないわ・・・」


 うるさいわ!そもそもフェリクス殿下が断りなく手に連れて来たのに、頭を上げて良いぞとか言って、私が認めるようなことしなければならないのか!

 カールはもう宿舎の門番として過ごさせよう!こいつ、いつも事情も知らないくせにその場の雰囲気のみ見て話すから、事情を知ってる人がまったく苛立つこと苛立つこと。・・・よし、門番決定だ!


 「・・・あ、なんか、すごく、お、お嬢様に謝りたくなったぞ」


 謝っても知らんわ!


 「・・・カイサ、帰ったらロヴィーサも加えて相談したいことがあるので」


 そう振り向くと、カイサが非常ににこやかにカールを見た。


 「・・・畏まりました。お嬢様がそうおっしゃるならもう決定事項なのですね」


 これで、不敬の極み、カールの排除は為った!


 「お、俺の事?俺の事ですか、お嬢様!」


 カールが慌てているが、私がふふんと笑って見せてやる。


 カールが絶望の極みと言う雰囲気で頭を垂らす。


 すっと私の前に手が出され、私とカールの間に割り込む影。


 「・・・お嬢様、お戯れはそこらへんでお止めください。サリアン子爵殿も少々悪ふざけがすぎましょう」


 ヴィルマルが気真面目さを発揮して、話の軌道を修正する。モルテンは相変わらず何も言わないが、少々同僚であるカールから距離を離しているような気がする。


 「・・・あ、も、もう話しかけても良いのですか・・・?」


 ヴィルマルの言葉に、フェリクス殿下が戸惑ったように口を挟んできた。


 「・・・そうですね、フェリクス殿下の連れてきたこの人たちが護衛として役に立つとは思えないのですが、先ほど私がご紹介いたしました二人と、後日門番にする一人の腕は一応確かなものです。殿下のお連れいただいた方々の手助けは、今は必要としておりません。

 ですので、申し訳ないのですが、このまま皆様はお帰り下さい」


 『も、門番って俺の事かあ!』


 後ろで声を押し殺して騒いでいるものがいるけど、今更だわ。大声を出さないことは褒めるべきかも。うん、それを考慮して、もう少しだけ様子を見ようかな。


 「・・・そうですか・・・しかし私が今日お連れしましたものは、門番に最適で・・・」


 しかし騒いでいるために、思わずつられる方もいて・・・。 


 「も、門番に最適・・・ですか?この連れてきた人達、門番にすると?」


 「あ?え?」


 何か言ったのかと言う表情で話し始めた言葉が、つられて妙ちきりんになったようだ。


 「罰として護衛の一人を門番にすることも考えましたが、日がな門番として立っていることもできなさそうな未熟者ですので、門番にはしませんが、私の宿舎の門番は数は居りますし、これ以上門番を増やすつもりもありませんので、この人たちはお帰り下さるとありがたいのですが」


 明らかに不安そうに表情できょろきょろしている護衛のうちの一人。

 ヴィルマルとモルテンに『お前、お嬢様に嫌われたな』『そこにある頭の中には何が詰まってるんだ』とか声を掛けられているが、私は自分の護衛を嫌ったりはしていない。余計なことをしたな、今日はもう二度と近寄るなとは思ったが。・・・あ、それを世間では嫌いと言うのかもしれない。


 「護衛から門番に配置換えなさるのですか・・・。まあ、事情があるのでしたら仕方ないかもしれませんね。ですが、も、門番も立派な仕事です。選り好みをしないで勤めることが大事かと思います」


 フェリクス殿下。とどめ刺してますね。


 『ぐはあっ』


 相当項垂れてるね。


 「・・・あら、なぜ門番の仕事になってしまったのでしょう?

 話がずれてしまいましたが、フェリクス殿下、今更なぜ私に護衛などを?」


 ちらりと、今はもう頭を上げているフェリクス殿下の連れて来た剣を腰につるした集団を見やって尋ねてみる。無表情の者が多いが、中には眉を寄せて訝し気にしている者も居る。


 「・・・いえ、その・・・」


 「アランコの第三王子など、フェリクス殿下は気にしていなかったのではなかったかと思いましたが」


 私の言葉に、フェリクス殿下は口を噤む。


 「例え気にしていたとしても、私の護衛が守るはずですし・・・」


 『そう言えば、お嬢様は殿下の前ではそれなりの話し方なんだな』


 小声で言っても聞こえてるぞ!・・・こいつ、まったく空気読め!


 『ば、ばか!カール、お前!』『あなた、死にたいのですか!』『作ってるに決まってるだろ!相手が婚約者様だぞ、下手なところ見せられんだろうが!』


 ふ、ふふーん・・・。モルテン、カイサ、ヴィルマルの順だな。カイサ以外は何か罰をあげようかな。





王女の気持ちがたんぱくなのは、ちょっとした理由だからです。

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