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第十五話 小国の王の中にも野心家はいるようで②

佳境です。


 「・・・旦那様、気がかりなことがございます」


 その日は朝、義父、義母とともに朝食をお願いされ、逃れきれないと悟って一緒に朝食をとることにした。最近はほぼ毎日お願いされる。


 養父母となってくれたお二人には失礼な感情だったが、私は気分が乗らないまま、仕方なしにカイサとともに別館に行った。


 にこやかで、嬉しそうな表情の義父母に、私は罪悪感を覚えながらも、勧められるまま、朝食を口にしなければならない。


 だが、養父母の家であるフルトグレーン家の朝食はそれはもう豪華で、並べられた料理の多さに、毎回目が眩みそうになる。私は義父母から何も食べていないと指摘され、もっと食べろと毎回言われることが苦痛だった。実際には、私はどちらかと言うと小食な性質だ。

 もちろん義父母とて実際には多く食べるわけではなく、私の普段の量と同じくらいを口に運ぶ程度で二人の朝食は終わるようだ。


 この残った朝食は下げられた後、使用人の朝食に回ると言うことらしい。豪勢なのも当たり前だったが、まさかこの朝食は使用人の分も含んでいたのかとようやくわかった。ログネルの習慣では、最初から使用人の料理は別になっているため、ルンダールでもそうしておけばよいのではないかと思ったのだが、その習慣に対して私はあえて何も言わなかった。たぶん国ができてからの習慣で、今更変更することはできないのだろう。処変われば習慣も変わるものなのだなと、考えさせられる。


 ちなみにこの事情については、義父が私のほんの少ししか口にしないところを見て取り、やんわりと指摘したことから判明した。その言葉に実のところはと、前置きして私が少食であることを説明した。毎回食べろと言われていたが多くは食べられないため、私の分を少なくしてくれるようにとお願いすることになった。


 義父母は私の様子に最初は驚いたようにしていたが、やがて私の食べる量を見るとため息とともに首を振った。


 「・・・それにしても、あなたの食べる量は少なすぎない?あなたは剣術の訓練もしているのでしょう?力が出なくて倒れてしまうわ」


 「いえ、昔からこうなので。私は、朝は多くは食べられません。

 今までもそうしてきましたので、とにかく量を少なくしてください」


 義母の言葉に私が答えると、義父母は顔を見合わせる。義父は納得したようだが、義母は納得していない様子だった。しかし結局義母は何も言わなかった。品良く揃っている眉をしかめ、ため息をついただけだった。


 「まあ、そこまで言うのであれば私達も受け入れよう。だが、我が妻は納得はできないようだがね」


 「・・・お聞き入れ下さいましてありがとうございます」


 「つまりは、その食べる量が習慣となったと言うことなのだね?」


 「その通りです」


 「・・・まったく気がつかなくて申し訳ない。・・・これからも遠慮することなく自分の気持ちを言って欲しい。親として真摯に受け止めよう。それに言ってもらわねば何を考えているのか、わからないのでな」


 そのようなわけで、平和に朝食をとるフルトグレーン前侯爵夫妻だったが、それでもまだ多い。

 私が何とかため息を抑えて、目の前に置かれていた私の分の果物を食べ終え、ゆっくりとお茶を飲みだしたその時、義父と義母の間に立った執事頭のエゴン・アーリンゲが口を開く。


 「・・・珍しいな、エゴン・・・。と言うか、何が気がかりなのか、教えてくれないか?」


 「・・・私は聞かない方がよさそうですね」


 執事頭の言葉が私に向けられたものではないと考え、学園に向かう時間と言うことも相まって、ようやく体を起こして席を立とうとした。


 「お待ちください。お嬢様にも聞いていただきます」


 強めの口調で言われた私は一瞬ためらったが、浮かしかけた腰を下ろす。そのまま義父と義母に視線を向けると、エゴンがいつの間にかカイサに、傍に来るようにと手招きしていた。カイサが怪訝そうな表情で私の斜め後ろに立つ。


 「ここに居りますのは旦那様と奥様、そしてお嬢様とお嬢様の専属侍女でもあるサリアン子爵のみです」


 「わかった」


 義父がゆっくりと室内を見渡し、他に人影がないことを確認した。


 「・・・気がかりなこととはなあに?」


 「ルンダール本国に何か気がかりなことがあるのか?」


 義母が問いただすと同時に、眉をしかめて執事頭を見た義父も口を開く。


 「いえ、今のところルンダール王国には直接何かあるとはないと思うのですが、アルトマイアー大陸の中央部の小国群が何やら蠢いておりまして」


 「・・・蠢ている?・・・何をしようとしている?」


 義父がエゴンの言葉に眉を寄せている。


 「分析は出来て居りませんが、その蠢いていると言う国が大陸の中央部に近い国なのです」


 「・・・なるほど、つまりはルンダールの周辺国と言うことか」


 「その通りでございます。ルンダール王国はアルトマイアー大陸の中心にほど近い国。とは言っても中心からは南に下がったところに位置しております」


 執事頭のエゴンの言葉を聞きながら、私はアルトマイアー大陸の地図を思い出していた。



話的に長くなっていますので、いかに王子様がうざくなっていったかを書いてもなあと思ってしまっていましたので、飛ばしました。いちゃこらさせよかなと思ったのですが、元々王子に興味なかったお方なので、サクッと割愛。でもあの人が出て来てなかったね・・・

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