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第十話 悪戯好きって誰の事①

今後で悩んで書き直して、さらにまた題名で悩みまして、何とか決めました。でもふさわしくないと思ったら変えるかもしれません。

悪戯好きは結局誰でしょうね・・・。作者かもしれませんね・・・。


 何だろうか。婚約をしていたとかしていないとか、当人に知らせないとかあるのだろうか・・・。


 学園の授業は非常に面白い。ただ講師が一方的に話し、それを静かに聞いているだけで考えることすらさせないとかではなく、問題提起から、過去の事例を紐解き、自分の中でそれを消化、という過程を経て、考えをまとめる。さらには時折討論をして、自分以外の人の考えを聞くのも面白い。こんな意見もあるのかと聞いていて為になると思う。なので、授業中はよそ事を考える暇はないのだが、授業が終わると嫌でも考えてしまう。・・・いや、国元にいる民には申し訳ないが、授業中も時折先日のことを思い出してしまい、集中していない時がある。わがままで留学させてもらっている身で、授業を聞いていないなど、あってはならないことだと思う。反省をしなければ・・・。


 「・・・お嬢様?」


 今日のお付きの侍女はマーヤ。基本マーヤは物静かで、私の影も務める侍女として私に自ら声を掛けることはないため、このように声を掛けてきたのは相当珍しいことだ。


 「ん・・・」


 生返事をしながら顔を上げると、本当に驚いたことにマーヤの顔が傍にあった。


 「なっ!」


 驚く私が身体を後ろにのけぞらせると、してやったりといった風でマーヤがほんの少しだけ笑顔になった。しかしすぐにその顔を引き締めると、いつもの無表情になる。


 「・・・お嬢様、思い煩わないでください。あまりお考えにならない方が良いと思います・・・。思い悩むと頭の中がぐちゃぐちゃになって、正しい答えが見いだせなくなります・・・。

 確かにあの王子の言う通りかもしれませんが、本当のところはわかりません・・・。ですので今は時間をかけて経過を見極めることが重要だと思います・・・」


 「・・・うん、そうかもね。知っていたとしても、知らなかったとしても一国の王族なら自分の良いように物事を操れなくてはならないだろうし・・・。でも、釈然とはしない気持ちもあるから。

 マーヤはどう考える?知っていたと思う?」


 「私はあの王子は知っていたのではないかと思っています・・・」


 「・・・どうしてそう考えるの?」


 「・・・うーん、そうですね・・・、お嬢様の正体を知ったから欲が出たのではないでしょうか・・・」


 「・・・私の正体・・・か・・・」


 「・・・お嬢様の婿さんになれば、エルベン王国は大陸一の国ログネルに守られることになりますよね・・・?そうしたら国内の令嬢を袖にしたとしてもお釣りが来ます・・・。それにご自分は国外で婿さんとして国に帰ることもない・・・。そう考えるのはおかしいでしょうか?」


 婿さん・・・、面白い呼び方だね。


 「・・・そうですね・・・、あとは袖にした令嬢に婿さんを用意してあげれば、家の方は黙らせられるでしょう。・・・あとは令嬢の心だけでしょう。納得させられれば、よいのですが・・・」


 「・・・するかな・・・?」


 「・・・しないでしょう・・・、するはずがないですよ・・・」


 あの後、令嬢は腰を下ろしたまま、第二王子殿下を複雑な表情で見つめ、そして視線を私に向け、私を睨みつけながら口を開かないままでいた。

 第二王子殿下はそんな令嬢に何度も繰り返し国元に確認すると言葉をかけていた。結局のところその二人にげんなりした私が第二王子殿下に断り、暮れ始めた空を睨みながら帰ることにした。もやもやした気持ちを抱えながら、その日は休み、次の日はそのまま学園に行った。授業を受けながら時折物思いに耽ったりする一日を過ごす。・・・そしてあの日から三日が過ぎている。


 授業が終わり、戻ってきた私は宿舎の自分の部屋でマーヤに入れてもらったお茶を目の前にして少しの間ぼんやりしていたところで、控えていたマーヤに心配されて・・・と言うところだ。


 何だろう、男性に恵まれないなと考えざるを得ない。私は男性以外は恵まれている。・・・いえ、恵まれているはずだ。


 つらつらと考えれば、ちょっとだけあの母と父のせいで容姿は恵まれたのだろう。自身の境遇もログネル王国と言う軍事大国に生まれ落ちて、ログネルと言う国の民として義務を果たしているために、飢える事はない。

 ただログネルの民は早婚だ。そういう点では、私はログネルの民としての義務は果たしていないと言えるかもしれない。


 王宮に勤める武官の女性は、成人となる十六歳の出仕前にはもう夫が居ることが多く、出産を経験している者もいる。または、結婚はしていないが婚約をしているものも多く、さらには夫婦や婚約者が仲良く王宮で勤めている事も決して珍しくない。そうしてその夫婦や婚約者は、政略結婚の割合は少ない。つまり、今の私のように、成人してもお相手が居ないなどは相当珍しいのだ。

 私ってどこかに欠陥でもある・・・?そう思わざるを得ない状況なのだ。


 「・・・マーヤ、私って何か良くないところがある?」


 思わず口から愚痴が出てしまう。


 「・・・はい・・・?」


 マーヤが反応したが、訝し気になった。相変わらずの無表情だが、私の思考について行けないようだった。微かに眉間にしわのような窪みができている。


 「・・・お相手ができない理由が、私に何か良くないところがあるからじゃないかと思って」


 私の言葉にマーヤがマーヤの口の端が微かに上がった。


 「・・・ありえませんね。・・・お嬢様に悪い所などありません。・・・反対に男どもはお嬢様に対して委縮して、何もできませんので・・・」


 「・・・委縮?」


 マーヤの言葉に戸惑う私だった。















まあ、わかっておられるとは思いますが、この母様は女王陛下なわけですが、この女王陛下は可愛い系の悪戯好きな方で、周囲を揶揄うことは止められません。ただ最高権力者であることを忘れたことはありませんし、自分の国の民が一番と思っています。その民の中に自分の娘も息子も、夫も、そして自分の弟も入っています。ですから、民を害された時は・・・。

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