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第六話 家族がやってきた①

この話を書いたときに上書きしてしまったので、話を全部書き直しました。時間がかかってしまい、毎日一話ができませんでした・・・。あれ、前にも毎日一話途切れてなかったっけ・・・。


 足音が響く。急ぎのようだ。音から計ると数名が近づいてきているように思う。ただし、一人は先行して近づいてきているが、残りは離れて近づいてきている。


 今日の護衛はエミリ。担当侍女はマーヤだ。そのマーヤが声もなく、私の座る椅子の斜め後ろに移動する。エミリが扉の脇に移動した。私も体の脇に置いてある剣を手にする。ログネルの首都であるフェルトホフの街の東南に位置する鍛冶の街レマーの一流鍛冶が打った業物で、私の手にしっくり馴染む片刃の少し湾曲した剣だ。いや刀と言い換えた方が良いかもしれない。この武器で剣術の師であるロヴィーサと打ち合ったが、刃こぼれ一つしないこの刀は私のお気に入りだ。


 女王陛下に献上されたこの刀は流浪の鍛冶師が打ったもので、しばらくフェルトホフに滞在して武器作りをしたいと言ったそうだ。そしてなぜか気さくにその鍛冶師と会った女王陛下は献上された刀を気に入り、即座に滞在を許したとのことだった。


 ある時女王陛下に呼ばれて御前に赴いた私は、この刀を見せられた。女王陛下も剣をよく使うが、直刀を好むようで、相当気に入ったのだが、やはり湾曲刀はちょっと使い辛く、私に下賜しようと思ったようだ。


 王弟殿下も持ってみたし、王配殿下も振ってみたが、やはり直刀が良いと思う人ばかりだったようで、自分の領地から戻ったばかりの私なら貰うと思ったのだとかなんとか。まあ、言う通り気に入ったのだけれども。いや、相当気に入った。刃にはゆらゆらとした紋が浮かび、見る度に吸い込まれそうになる。


 さらには、この刀に衝撃を受けた私は、作った鍛冶師を探し出した。私は打った鍛冶師に専属になって欲しいと願ったが、何度も断られ、それでも諦めきれずに、足繁く通い、一般鍛冶師の数倍の金額を支払うからと申し出てようやく承諾してもらった。すぐにこの刀と同じものを数振り打ってもらい、自分のフェルトホフの家には何振りかしまってある。旅に出るときは数振り持っていくことにしているほどだ。そして私の護衛や専属侍女たち、そして侍従の持つ剣や短剣、家の門衛の持つ槍とか鏃とか、果ては鋤や鍬、鎌までもが、専属鍛冶師の手になるモノで、使いやすいと使用人たちから評判だった。鍛冶師は今は私の依頼で、確か領地の領軍の武器の作成をしているはずだ。鍛冶師のこだわりが強く、大量生産ができないので、領軍には主だった指揮官にしか渡せていないところが心苦しい。武器の品質で兵の生存率が上がるのなら安いものだ。


 女王陛下は、他の鍛冶師を圧倒してしまう品質に失敗したと思って入るらしく、いつも会うたびに自分のお抱えにしたいと言われている。もちろん拒否はしているが。


 違う話をしてしまったが、足音が聞こえたとき、私はカイサの抜き打ちか何か?と思った。


 時折、カイサは襲撃に対する侍女の動きや、護衛の心得などを抜き打ちで調べてくる。気の抜けないらしい。一度そこまでしなくてもと言ったところ、血相を変えて怒られた。


 『一国の王女を守るのです!即応できなくて何の護衛と侍女ですか!最悪を考えて動く!これが必要なのです!』


 はい、すみません。言うことはよくわかった。しかし私に関することなので、申し訳ないなという気持ちがするのだ。


 続いていた足音が扉の前で止まった。ノックの音が響いた。私は息を吸い、口を開く。


 「は」


 ファンヌが私が返答をする前にバタンと扉を開けた。いつもは慎ましく私の返答を待ってから扉を開けるはずのファンヌだが、今回ファンヌは相当焦っているようだ。


 「お嬢様!内務卿が」


 一瞬呆気にとられる。何とか自分を取り戻し、私が返答しようとした時、扉が大きく開けられた。


 「な」


 「アウグスタ」


 ファンヌを押しのけるように入ってきたのは、ログネルの王宮で執務をしているはずの人物だった。

 


お父様の登場です。この人内務卿と言う役職の人なんですが、国内治安を担当する人で、案外

計略を考える人なんです。今回はちょっとした計略を実行しています。

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