転生魔導師のスローライフ計画~俺は平和に過ごしたいだけなので邪魔をしないでください!~
初めての投稿です。少しでも楽しんでくれたらうれしく思います。
俺が目を覚ますと、世界が一変していた。
自分が自分でないような不思議な感覚がした。
ベッドで寝ていた俺は起き上がると呆然とする。
両手が見える。小さくて紅葉のようなかわいい手。
訳がわからず、ベッドから降りると、目線が低くそれだけでも不安になってくる。
ふと見た鏡に写る俺の姿は、まさに幼児であった。
「にゃんで、おりぇはどょうなっちゃったんだゃ……」
自分の口から幼児特有のかわいい声がして、戸惑いと不安がなおさら強くなっていった。
≪状況を整理しよう……。確か仕事で疲れて帰っていたはず。……ブラックのかがみのような会社で、残業は当たり前だった。この1ヶ月はとくにひどく、家に帰れたのも数えるほどだった。久しぶりのまともな連休を楽しもうと、深夜遅かったため開いていたのがコンビニしかなかったが、コンビニで大好きなビールと弁当をたくさん買った。俺は浮かれすぎていたのかもしれない。身体はとっくに限界を向かえていたのだ。早く帰ればよかったのに、重たい荷物を抱えて坂を登っていた。ふらふらしながら頑張って登った坂の上にある我が城(築40年の木造アパート)が見えたあたりで急に頭が痛くなって……≫
「…おりぇ、しんじゃったゃんだゃ」
頭では死んでしまったことは理解できた。
けれど、心は納得できなかった。
悲しくて、悲しくて、すべての負の感情が溢れてくるようであった。
「ふぇっ」っと幼児のかわいい泣き声が聞こえる。その声が自分から出ているのは分かっているが、その声でさらに悲しくなってくる。幼い身体に精神がつられ、溢れでてくる涙がとまらなかった。
コンコンとドアの叩く音がしていたのだろうが、今の俺には聞こえていなかった。
「おはようございます。今日はいいお天気で……隼人様!? 旦那様、奥様、大変です。隼人様が~!」
毎朝起こしに来る、俺付きのメイドのリサが、なぜか今日はテンション高めに起こしに来た。けれど、俺が号泣していたので、焦り慌てて両親を呼びに部屋から出て行ってしまったのだろう。
俺はリサのとてつもないでかさの声で驚き、それがよかったのか次第に落ち着いていった。
そして俺はあることをふと思い出していた……。
短かったと思いますが、スパン短めでどんどん投稿できたらと思います。初めてですが今後の励みのためにも、色々ご指摘や☆をいただけたらうれしいです!