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冒険者ギルドの依頼人  作者: いかや☆きいろ
一章 冒険者たち
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ポート:冒険者たち

 やっとプロローグに追い付いた感じです。



 フォレスターでいい依頼人が登場し、冒険者の羽振りが良くなっているという話を聞いた。僕らのパーティーで話し合った結果、あっさりフォレスター行きが決まる。


 話をしてくれた小人族の少年は先にパーティーを引き連れてフォレスターに向かったようだ。僕らは数日遅れての出発となる。買い出しに向かい、荷物をまとめよう。


 僕たち「新連星」のパーティーメンバーは、パメラは薬師、人族の女の子で今回の旅では一番乗り気だった。薄い水色のくるくる巻きの髪をピコピコ跳ねさせて水色の瞳をキラキラさせて喜んでいた。実はいいとこのお嬢様らしい。どうも薬師の勉強をもっと進めたいと思っているようだ。薬草もたくさん手に入るしいい先生にも出会えるかも知れないね。


 ピレットはなんと、妖精の少女だ。手に乗るほど小さくてトンボのような四枚の羽根、薄い緑の髪に緑の瞳でよく笑う。魔法の腕はかなり高いようで、まだ初級の魔術師なのに高空から影から魔法を撃ってくれるのはすごく助かる。


 ルーレインは斥候の小人族の少年。地味めの茶髪に茶色の瞳だけど顔立ちが可愛い。今回の旅にそんなに乗り気じゃないみたいだ。自分たちでは力不足だと考えてるようだ。


 最後の一人、ムツキは結界師の少年。黒髪黒目で、いつも実力不足だと嘆いている。僕より少し小さいしね。


「はやくっ、はやくっ、行こーよ!」


「まって、パメラはしゃぎすぎ!」


「キャハハッ、楽しーねー!」


「ピレット、飛んでいかないでー!」


「……頑張るしかないか」


「そ、そうだね。ううっ」


「ルーとムツキはもっと元気出そうよ!」


 とにかく僕たち新人冒険者にはお金がないので商人の護衛を受けるなりしたいのだが、Fランクなのでそういった仕事は回ってこない。なのでパメラが薬草を買いつけてポーションにして売るという方法でお金を稼いだ。ポーションを作るにも初級のパメラは時間がかかるのだが、魔力が高いから腕はいいらしい。お金は一週間で貯まった。そのパメラのお金で行くのでルーレインとムツキも断りきれなかった。


 さっそく西へと旅立つ、のだが、他の冒険者のあとについていく方法を選んだ。この方法は相手によるとすごくいやがられるのだが方向が同じ以上向こうも「来るな」とも言えない。コツは距離を意識しないこと。離れすぎるくらいでちょうどいい。


 今回はちょうど強そうな冒険者が出るところに遭遇した。ついていこう。


 適当に話ながら歩く。意識しすぎると気づかれるしね。


「ねえねえポート、フォレスターどんなとこかなあ?」


「すごく大きな町らしいから妖精もいるかもね。聖地とも呼ばれてるらしいし」


「楽しみ楽しみ~!」


「僕は不安ですよ……」


「俺もだ」


「私は、ひたすら、楽しみです!」


「いいよな、目的があるやつは……」


「ルーだって師匠が見つかるかも知れませんよ?」


「それだけが希望だ……」


「ぼ、ぼくも師匠が見つかるかなぁ?」


「うーん、結界師を専門でやる人いるんですかねえ……」


「ぼく今から転職してくる……」


「いやいや、うちにはムツキが必要だから!」


「まだろくな任務もこなしてないけどねぇ~! キャハハッ!」


「ピレット、それは言わないで……」


 僕たちは最近パーティーを組んだばかりだ。全員Fランクでパーティーを組めばそのうちすごいパーティーになれるかもしれないし、いろいろシェアできるから便利だ。


 でも今のところお金持ちのパメラにおんぶにだっこ状態なんだよね。


 あれ、前を行ってるエルフのパーティーが足を止めた。気づかれたかなぁ。


 エルフのリーダーさんらしきだるそうな人が一人こちらに近づいてきた。やっぱりバレたのかな。


「よ、お前ら、新人だろ? 一緒に行かねえか?」


「えっ、いいんですか?」


 ひょっとして追い剥ぎとかだろうか。うちのパーティーお金だけは持ってるしなぁ。パメラが。ピレットは話しかけられてすぐパメラの鞄に隠れた。いい判断だね。妖精の気配はすごく探りにくい。


「俺たちは最近Bランクになった『酒場の冒険』ってチームだ。ホームのフォレスターに帰るところさ。ついでだし一緒に行こう」


「Bランク!」


 Bランク冒険者ともなると名声も高く、下手な犯罪行為に手を出すのはかえって損である。一応少しあとからついていくことにした。


「フォレスターが栄えてる話はあちこちで聞かれるようになってきたな。もともと聖地として人気があったのに金回りもいいと来ればそりゃ人も集まるだろうな」


「僕たちも小人族の人に聞いたんです。その人たちはもうフォレスターに向かったらしくて」


「ふうん、小人の勇者一行かな?」


「え、小人の勇者?」


「情報を集めろよー。冒険者は情報が命だぞー」


 冒険者は情報が命、よし、ひとつ覚えた。途中で夜営する。


 火を起こし、テントを張る。この荷物はほとんどムツキが持ってくれている。なんでそんなに卑屈になるのかな。調理は器用なルーレインがしてくれる。パメラはその間道々で拾った薬草でポーションを作る。手間がかかって大変そうだ。世の中にはスキルで薬を一発で作れる人もいるらしい。妖精のピレットも乳鉢で薬草をすりつぶすのを手伝っている。僕はムツキを手伝ったり薪や柴を集める。水場から水も運ぶ。


 みんなでなにかをやるのは楽しいな。フォレスターまでに何度か魔物に襲撃を受けたけれど、数日後、僕たちはついにフォレスターにたどり着いた。


 ここから僕たちは冒険者として、大きく羽ばたいていこう。






 このパーティーモブじゃ終わらないですよ。



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