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冒険者ギルドの依頼人  作者: いかや☆きいろ
一章 冒険者たち
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邪神:虹の集い

 バイバイ・ドーナツはバイバ○ンドーナツじゃないよ。本当だよ。



 この世界で好きに生きればいい。女神は俺にそう言った。その結果世界中をまわり、冒険者として一流のAランクまで登り詰めたが、依頼人に振り回されるのが嫌になって辞めた。


 そのあとは山にこもって魔物を狩ってはその肉を食らって生活していた。血塗れボロボロの毛皮姿の俺を見て、なにを勘違いしたのか村人たちが討伐隊とかいって攻めてきた。面白いので返り討ちにする。皆殺しにして村を焼いてやった。はっはっは。まあ先に手を出してきたのこいつらだしな。


 そしたら冒険者が攻めてくるようになったので倒していたらいつの間にか邪神呼ばわりされるようになっていた。軍隊とかきたらめんどくせーなと思っていたがこなかったな。たぶん金にならないと思ったんだろう。冒険者はチョロチョロきたが弱い。せめてBくらいはよこせ。


 何年か山ごもりして魔物を食っているうちに俺はなかなかに強くなっていたようで、どうも種族も亜神になったらしく、年をとらなくなった。うーん、退屈になってきたな。


 たまに変なのがくる。邪神の使徒にしてくれ、と青い髪の魔人の男がきた。いいけど、楽しませてくれよ。なんか邪神教団作って世界を裏からひっかきまわすとか言い出したが面白そうなので放置。


 その後も邪神の使徒にとか邪神面白そうとかいって人が集まり、メインの俺の使徒は六人になった。俺を入れて神と同じ七人だ。こりゃいいな。なんか山奥で神様きどりで悪巧みとか楽しいじゃねえか。


 だがまあそんな頭のネジが外れたようなやつばっかりなのでまとまりが悪い悪い。今日も七人で集まっているのだが……。一人はわけありで来ていないので六人だな。まあまとまらない。


「わりぃ、遅れちまった」


「赤はコウモリだから飛ぶのが遅いのね」


「誰がコウモリだ白公! お前なんぞ聖女王国の裏切り者だろうが!」


「勝手に軍隊動かしてバンパイアの国を追放させられた赤いのよりましだわ」


「二人とも、よせ。邪神様がすでにおわしているのだぞ」


「青の邪神狂いにもあきれるぜ」


「なんだと赤!」


「やはりこうなるのであるか……白様、なんとか場を収められませんと」


「黒ったら、かたいのはその真っ黒い鎧だけでいいのよぉ? あっちも固いのかしらぁ?」


「桃色の……喧嘩は買いませんぞ」


「えぇー。買ってよパパぁ」


「誰が貴様のパパであるか……」


 白いのは聖女王国の聖女で、けっこう上位だったらしい。いろいろ情報を持ち込んできた。回復魔法は治癒術師上級までしか使えないが聖女なので結界術や薬師の術も持ち合わせていてなかなかに使えるやつだ。見た目は髪も目も白いフードで常に隠していて見えない。


 黒いのはその白につきしたがっているドワーフの騎士だ。真っ黒な髪と目、同じく真っ黒な鎧にバトルハンマーがメイン武器。すげえ怪力でまともに打ち合ったらこの場の誰も歯が立たない。しゃべり方はおかしいが。


 赤いのはバンパイアの王族だったが勝手に戦争しかけて追放されたらしい。バカだが兵隊は使える。どうやら神樹山脈の南に潜伏して配下を増やしているらしい。


 青いのは最初に俺の配下になった邪神狂いの魔人族だ。邪神教団の開祖を名乗っているらしい。服装も青で統一してる。宗教臭いが俺には強要しないから放置してる。


 桃色のは美少女にしか見えないがエルフの男で、頭はおかしいが魔術は一流だ。いろいろな町に潜伏して人を斬り裂いて遊んでいる。銀髪にピンクの目、桃色のギャルっぽい服装をしている。


 あと一人魔人族の緑のがいたんだが……事情があって来ていない。その事情を話そうとしたんだが、このバカどもはちっとも静かにならん。机に足をどかりと叩きつけるとようやく静かになった。


「はい、みなさんが静かになるまで四十五分かかりました。いつまでやるつもりだバカどもめ」


「えー、バカは私以外だよぉ?」


「桃色はアホの総帥ですからね」


「ちょっと白いの、死にたいの?」


「貴方ぐらいで私を殺せますか?」


「また始めたよアホどもめ……先生に注目ー」


 全く話が進まんので勝手に話すことにした。緑、悪魔使いギリオスがどうやらフォレスターのハイドリアードに敗北して邪神の使徒から外れると言い出した。


「奴は虹の集いの中でも最弱……」


「ドリアードごときにやられるとは虹の集いの面汚しよ……」


「お前らこんな時だけ仲良くなるねぇ」


 白いのと桃色のはさっきまで喧嘩してたろ。まあ奴の脱退は軍隊としては痛いが、そもそも俺たちは群れて戦うタイプでもない。あんまり冗談通じないやつだったしそれはそれでいいんだが。


「次に誰か入れるのぉ?」


「せっかく七人でござったからな」


「てきとーでいいんじゃね」


「そんなだから国を追われるのよバカ色」


「てめえ今バカ色っつたろ!?」


「はあ、やれやれ。それで邪神様、どうなさるおつもりで?」


「別にいらねぇけど仲間欲しいならてきとーに人集めてバトルロイヤルでもさせたら?」


 別に六人でやっちゃ駄目な法もないんだからさ。とにかく俺は楽しみたいんだ。頼むぜバカどもよ。


「大将はいつもそれだなぁ」


「そんなに楽しませることもありませんけどね」


「私も自分が楽しんでるだけよぉ」


「拙者は白様さえ楽しめるならば」


「すべては邪神様のために」


 こいつらの話を聞くのも楽しいんだが、そろそろ俺もなにかやってみようかねえ。さて、その前に。


「んじゃ、報告を聞こうか」






 邪神は好きなことを好きなようにやるだけです。



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