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冒険者ギルドの依頼人  作者: いかや☆きいろ
一章 冒険者たち
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マリモ:悪魔1

 翌朝、冒険者ギルドにはたくさんの冒険者が集まってきた。一応私が依頼人の筆頭ということで指揮をとる。他には冒険者ギルド、フォレスター伯爵が連名で依頼を出しているが、さすがに伯爵本人は出てこないようで、メトラ子爵という人が来ていた。獣人のガウルさんたちにも匹敵するほどのマッチョさんだ。怖いので近づきたくないが依頼人同士だしね。避けられないね。


「ほほう、貴女がハイドリアードの依頼人殿か!」


「そう」


 貴族に対応なんかできないよ。いいよね、私人間じゃないし。ハイポーション作ってあるしプレゼントしておこう。メトラ子爵さんはガハガハ笑っている。怖い。頭の上部にちょこんとだけ茶髪が生えてる。あとは剃ってるのかな? 眼は金色。ちなみに上半身裸に一応コートを羽織っている。真っ白な軍服っぽい服を着崩してる。怖い。ガハガハ笑うたびに筋肉が揺れている。強そう。


 私はシータさんとハルカさんたちのパーティーについていく。メトラ子爵は数人の騎士さんたちと向かうようだ。悪魔の対応は基本的には冒険者任せらしい。騎士さんは治安維持とか対人戦力なので街を守るようだ。役割分担してるってことらしい。ちなみにシカリクさんはボッチだ。


 ガウルさんたちが先頭になって北の森に向かう。早朝の空気は涼しいな。もう夏が来るらしいけど。


「ガッハッハッハッハ!」


「……暑い」


 涼しくなかったよ。一部だけ猛暑。まあ頼もしい感じだからいいけど。北の森はゴブリンの群れを討ち取って以来か久しぶりに来たけど、やはり森は私に合っているらしく体に魔力がみなぎる。マリモお姉ちゃん頑張っちゃうぞ。


 しばらく森の中を北上していくとレッサーデーモンが数体現れた。ガウルさんたちが対処できるみたいだったけど私も魔法タイプのデーモンと戦っておきたかったので前に出た。シータさんたちも警戒はしてくれてるけど私の意も汲んでくれている。さあ、やるか。


 風の魔法で切り裂き攻撃が来たけど枝で簡単に打ち払う。うん、この程度なら問題ないわ。私を植物の精霊と見て火球を撃ってくるのもいるけど枝で払える。生木は燃えないぞ。乾燥してたら大火事だけどな。


 しばらく遊んでやったので首を掴んでドーナツを口に放り込む。ドーナツ大活躍! レッサーデーモンは人間ベースじゃないので消えてなくなった。もう少し強くないと勝負にならないぞ。


「やっぱり先生はBランク以上の戦力があるな」


「そう?」


 シータさんに戦力をほめられた。やったね。まあガウルさんたちにも負けそうなレベルだけど。特にメームーさんは魔法がヤバそう。上位冒険者は魔法戦も強い。メームーさんだけならBランク相当らしい。実際にメームーさんの戦いも見ておこうかな。得意は水魔法。羊毛を洗うのに必要だったから得意になったらしい。理由。


 まあ水魔法なら私と相性いいから仲良くできそうである。羊毛なのに火魔法が得意だったら怖い。植物魔法もすでに上級だからメームーさんの戦いに期待している。……まあ一回負けちゃってるわけだけと。


 上位のデーモンとも戦っておかないと自分の戦力は測れないな。ドーナツが意外とデーモン相手にはチートなんだけどドラゴンとかには効かないよね。虫にも効かなかったし。


 ちなみにレンジくんやゆずちゃんたちはお留守番である。みんな冒険者なりたてなのでCランク以上限定のこの戦いには参加できない。


 そういえばレンジくんはゆずちゃんに抱きつこうとしてあっさり投げられたあげく絞め落とされてた。レンジくんが弱いのかゆずちゃんが強すぎるのか。フェイトちゃんにも魔眼でやられてたから回復してあげた。殺虫剤以外強くないらしい。


 まあ北の森にも虫は多いのだけど。私はデーモンより虫が苦手だわ、かじられそうになったし芋虫キモい。枝を巻き付けまくって爆発するスイカにしてやった。黄色い体液もキモかった。臭いし。


 戦闘も慣れてきたのでシータさんたちに虫は任せた。シータさんは全部鎧袖一触なので強さが測れない。無敵だ。


 しばらくは後ろの方でシータさんたちを応援しながら歩いていく。ちなみにどうでもいいがメトラ子爵たちも強かった。さすがに街を守ってる騎士たちだからね。集団戦闘はむしろ冒険者より得意かも。まとまりがあるね。槍ぶすま? 相手に近寄らせない戦術とってた。


 しばらくは雑魚デーモンやゴブリンしかでない。オークとか豚頭の怪物が出てくるけどシータさんが横を走り抜けるだけでステーキ肉になっていく。あんまり食べたくないけど。


 普通に森猪とかも出るので枝にしまっておく。帰ったら食べよう。生きて帰れるといいけど……。大丈夫だと信じている。シータさんだしね。


 ちなみに職業スキルというのはランクごとに一つ習得できるのだけど、それを応用した個人の技量ももちろんある。シータさんたちA以上の人たちは個人スキルが必殺技レベルなので普通に神職を持ってるだけの人よりは強いらしい。まあ当然の気もする。個人の努力が結果に結び付かない世界とか嫌すぎるしね。そこは女神様も分かってるようだ。職業スキル上位に実力で上り詰める人は当然弱くないのである。








 もうすぐ一章終わります。



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