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冒険者ギルドの依頼人  作者: いかや☆きいろ
一章 冒険者たち
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マリモ:対峙6

 レンジ出してたかな、って三回くらい読み直した。キャラネーム忘れたりするのも困るんですよね。どのお話で出したか二十話くらいひっくり返したり。整理整頓大事。



 シータさんとか来てもらわないとデーモン手強そう。なのでシータさんを探しに貴族街の方に向かう。


 フォレスターの壁がやたら長大なのはその壁の内側に畑とかもあるからなんだよね。この辺りは虫の魔物に畑を荒らされるので壁で畑を守っているらしい。植物の精霊が食べられたりしないことを祈る。レンジくんに殺虫剤撒いてもらわなきゃ。


 フォレスターの貴族は伯爵さまを中心に子爵だの男爵だの騎士の方々が、裁判とか町村の経営などを代官として行っているのだけど、自分の領地を持たない貴族たちは実は少ないお給料で胃に穴が開くような経理なんかの仕事をしているので物語みたいに悪辣な人は少ないらしい。まあ悪い人はいるんだろうけど、そもそも女神様のお膝元のフォレスターなのでそういった人は排斥されるそうで。


 この国は国王とか王子は質が悪いらしいけども、ここ、フォレスターは善良な伯爵の元でまとまっているので王族の無茶ぶりもはねのけてしまうそうだ。そもそもフォレスターは領地が大きいし食料も自給できるし、下手したら独立もできる領地なので王族も無茶が言えないらしいけど。なのでここは平和なのだが、だからこそデーモンとかに狙われているんじゃないだろうか。


 貴族街でもデーモンはいるかな? シータさんと合流したら貴族街も調査しないとダメかもね。


 シータさんはキタチ男爵という貴族に呼ばれているらしい。なにかしら依頼を受けているのだろう。忙しかったら悪いな。


 まあAランク冒険者もフォレスターには多いそうなのでそっちに依頼を出してもいいんだけど。知らない人に依頼出すの怖いよね。知り合いを増やした方がいいんだろうけど。


 エルフのノックスさんたち、酒場の冒険メンバーが帰ってきたらいいんだけどまだまだBランクに上がるまで時間がかかるようで帰ってこないし。Aランクの知り合い作るかなぁ。


 シータさんが訪れているキタチ男爵の家まで来た……けど入れないよね。紹介とかないと。さすがにまだまだ私の知名度は低い。こっそり入ろうと思えば入れるけどね。


 物語だとなにもしなくても有名になったりするけど自分から有名になるのって難しいよね。薬を大量にばらまいた方がいいのかな。怪しい薬ではない。毒も作れるし怪しい薬も作れるけどそれはね、さすがに元人間だしやらないよ。健全で後遺症も残らない自白剤とかは作ってある。……健全?


 まあシータさんが出てくるのをぼんやり待つことにした。門番さんが怪しいものを見る目で見てくるが。私は怪しくない精霊だよ。


 ぼんやり立ってたら職質されたりしそうだけど、姿消しちゃおうかな。いっそ侵入しちゃうのもいいかも?


 やらないけどね。しかし暇である。魔法の練習でもしようかな。お婆ちゃんに教わった魔法を防ぐ結界とか生命力を叩きつける魔法とか、使えたら便利な魔法をいくつか教わったんだよね。デーモンに通用するかわからないけど。


 お肉食べたいな、と思い始めたところでシータさんが出てきた。私を見て少し驚いたようだ。ぼんやり待ってるとか私すごい暇精霊だよね。まあ寿命がないのでいくらでも待つのだけど。光合成してたらお腹も空かないしね。


「先生、ちょうど良かった」


「ん? なにかあった?」


 どうやらキタチ男爵のところに来たのは治療を依頼されたかららしい。なぜシータさんに頼んだのか。まあSランク冒険者ならなにか知らないかととりあえず聞いてみたのかも知れないね。呼び出すのでもお金かかりそうだけど。


「いつもお世話になってるし、いいよ」


「助かります」


 というか渡りに船だ。貴族の治療をすればそこそこ知名度が上がるだろう。


 どうやら病に冒されてるのは娘さんらしい。シータさんの見立てでは先天的な異常じゃないかという。小さい女の子のようだ。


 シータさんと話していたので門番さんもすんなり通してくれた。いぶかしげにはしてたけど。シータさんが出てきたばかりでもう帰ってきたので男爵さんはすぐに駆け寄ってきた。私を見て首を捻っているが。


 シータさんが私の紹介をしてくれたのですぐに患者さんと対面することができた。ずいぶん顔色を悪くしているがすぐにベッドから起き上がる。んん?


「魔力滞留の症状だね」


「一目で分かるんですか」


 男爵さんは驚いたが、これは神様にもらったスキルだからね。チートである。しかしこれ、治療難しそう。


「白金貨百枚……」


「そ、それは……」


 治療費はかなり高くなる。けど助けたいなら出すよね。……実際そんなにかからないけど。


「男爵の給料ではとても出せません……」


 だろうね。そういう話だったし。伯爵に雇われてる貴族だし領地もないんじゃ収入はかなり少ないだろう。借金も貸してもらえない額だろうね。


「……なんとか数年がかりでも払いますので……」


 おや、思いきったね。それだけこの子が大事なのね。


「まあ特別に大金貨一枚ね」


「えっ!?」


「値引きにしても引きすぎじゃないか先生」


「家族に助けたい気持ちがあるなら助ける価値がある」


「なるほど」


 白金貨百枚分宣伝してもらおう。それにけっこう難しい病気みたいだから実験もかねて治療することになる。成功はするだろうけど。女神様のくれた知識なわけだし。


「この病気は体の中で魔力が逆流して体の中に小さな結界がいくつも発生してさらに魔力を滞留させて起こっている。一旦魔力をゼロにして正しい流れを作る必要がある」


 厳密には肉体から魔力を全部抜くのは不可能だけど。ようするに強い魔力で溜まった魔力を押し流すのに抵抗を減らしたいのだ。それも一度には良くならないだろうし。かなり面倒な病気だ。


 欠損回復ポーションで少しずつ良くしていく感じになる。この薬なら魔力が大量に体に流れるからそれで悪い流れを断てれば良くなるはずだ。その前に魔力を放出させよう。






 マリモの仕事はだいたいこう、病気治療、戦闘、ご飯、のルーティーンですね。


 あとは依頼。そっちがおまけかい。



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