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冒険者ギルドの依頼人  作者: いかや☆きいろ
一章 冒険者たち
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マリモ:森で1

 よろしくお願いします。



 森の中では私はフカフカなモンスターたちと出会ったり、魔物を二百体も支配下に置いている従魔術士の魔人の男性に出会ったりした。


 最初に出会ったのはフカフカなお饅頭のような生物。シーズーみたいな体毛に覆われたスライムのような生き物で、目が二つ。口はウニのように体の下にあるらしい、その生き物の群れに出会った。フカフカーズと名付けた。


 そのフカフカーズ(正式名称はモフプリンと言うらしい)に連れられて、呪いに犯された巨大な狼に出会う。神樹大森狼と言うらしいその生き物を速攻で治療する。呪いは私の天敵のようなものだしね。準備は万端だ。


 それによりフカフカな狼はなついたのでフカフカ主と名付けた。泣いて喜んでいたよ。人間の言葉が分かる魔物なのでかなり高齢なのではないかと思う。緑竜さんとも知り合いのようだった。


 フカフカ主に呪いをかけたのは吸血鬼の少女だと言う。気になるのでその少女を探してみることにした。


 しばらく森をさ迷っているとたくさんの魔物が集まっている場所を発見。近寄ってみるも敵対する様子はない。もともとこの森で私に敵対するのは虫とか犯罪者くらいなものなのだが、この魔獣たちは整然と立ち並び私を迎え入れた。その奥に魔人の男性がいた。


「どうも、精霊殿。魔獣たちを攻撃しないでくださり有り難う」


 彼はクロックさんと言うらしい。二百体を超える魔物を使役しているためにうかつに村や町に近づけないのでここで魔獣たちの力を借りて住んでいるそうだ。なんか広場や煮炊きできる場所もあるし、家もなかなか立派なものを建てていて、快適そうである。


 彼自身は人間が大好きなので村に立ち寄りたいのだが従魔たちはべったりくっついてくるので下手をしたら魔王扱いを受けてしまうらしい。実際にそれで討伐された魔人族もいるそうで、人間嫌いの魔人も多いのだが、元来魔人は情が深く温厚な性格の種族らしく、彼は人と仲良くしたいらしい。それで彼に私の本体に住んでもらい、一つ作戦を提案した。すごく喜ばれたけどチャンスが来るといいね。


 他にはエルフの聖地を見つけた。そこでは人間は排除されるのかな、と思ったが私は彼らの崇拝対象の森の精霊だったので逆に大歓迎された。


 なんとその聖地の村長はフォレスターのギルドマスターシカリクさんのお兄さんだった。シカリクさんがあんな人なので警戒していたが苦労人らしく、かなりまともな性格をしていた。


 エルフの多くは魔力が高くなりすぎて寿命が延びることを嫌がり、森の中で静かに暮らす人が多いらしい。魔力が延びると人間でも不老になり、亜神と呼ばれる存在になれるのだとか。だがもともと長生きなエルフは寿命が延びても辛くなるとなるべく魔力が延びない穏やかな暮らしを選ぶらしい。


 なのでお兄さん、ロクオン村長はシカリクさんの愚痴ばかり言っていた。ロクオンさんは見た目は二十代だが四百才を超えていてこの世界のエルフの平均寿命に達しているらしい。魔力が高いからまだまだ死ねないとぼやいていた。


 ……ちなみに森の魔物の森林牛の肉でスープを取ったラーメンみたいなのをごちそうになった。蜂蜜酒もいただいた。美味しかった。塩だけで味付けした牛の出汁のラーメンは脂身が少なくてくどさが全くなく、蜂蜜酒も甘くないスッキリした味わいでいくらでもいけた。ずるずる。ごくごくん。


 村人たちにはなぜか喜ばれた。


 翌日は村からお婆ちゃんの元へ。この時点で森のひときわ高くなっている場所はすべてお婆ちゃんの枝葉だと気づいた。森とナチュラルに繋がっているので分からなかったがお婆ちゃんの枝葉はものすごく広大な面積に広がっていたのだ。お婆ちゃんの足元に近づくにつれ木の幹がなくなっていた。日当たり最悪だもんね。ここでは光合成できなさそう。


 まあお婆ちゃんの魔力の燐光で明るいんだけどね。妖精とかもいた。友達が増えたよ!


 そしてついに緑竜さんと再会。すごく歓迎される。竜の秘酒とか言う神酒やレッサードラゴンの肉を脚一本長時間焼いたものとか森の大きな木の実、サッカーボールくらいのを地面に埋めて蒸し焼きにしたものとかをごちそうになった。もちもちのお肉。ほくほくの木の実。味付けは岩塩だけだけど美味い!


 お酒も……神酒なので普通に酔った。神酒と言うだけあって悪酔いはしないらしい。美味しかった。


 緑竜さんも人間の姿になって一緒に宴会してたらお婆ちゃんが混ぜろと言って精霊の姿でやって来た。二人とも緑の髪で、緑竜さんは金の瞳、お婆ちゃんは濃い緑の瞳、緑竜さんはつり目でお婆ちゃんは細い目、二人とも大人な体型の美人だった。服はなんか獣の毛皮を加工したみたいなやつだったけど。服が地味だと酔った勢いで言ったら緑竜さんは今度町に行って現代のファッションを研究してみるとか言ってた。町に来るのか。


 まあ私も地味なので気にしないように言っておいたけど……来るね、たぶん。胸元と腰回りを毛皮で覆った美女が町に……なんかいろいろヤバそうである。


 ここで私はお婆ちゃんに魔法の使い方や、お母さんがどうなったのかを聞くことになった。


 どうでもいいが二人ともお酒はかなり強くて、おつまみが足りなくなった(レッサードラゴン一匹食べ尽くした)のでドーナツを出してあげたらいつまでも食べながら飲んでた。ドーナツっておつまみになるんだなぁ。






 展開超早い森編です。


世界樹「孫とゆっくり暮らしたいねぇ……」


 ちなみに森でゆったり飯食ってるゆずとフェイトの二人は揃って化け物です。戦わないで飯を食うスタイル。




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