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冒険者ギルドの依頼人  作者: いかや☆きいろ
一章 冒険者たち
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マリモ:採取

 このお話はずっと書いていられるように設計しています。

 神樹の森の中心辺りから根をまず三本伸ばす。平原方向には歩いていったからそれ以外の方向へ。平原は東だから北、南、西にまっすぐ伸ばす。まっすぐなら二百キロくらいとして二日あればなんとかなる。昼も夜もなく伸ばせばだけど。まあ私は寝る必要はないから、変な敵に遭遇しなければ大丈夫。


 魔法を使ってくる魔物もたいてい土とか風の魔法で、これには耐性があるらしい。まあほぼ幽霊なので火とか光とか呪いとかはダメージ受けるけど他はだいたい効かないよね。私は意外と無敵かも知れないね。根を魔力とかで消されたらすぐにも枯れるけど。


 さて、そんな感じで森で無双しつついろいろな薬草を集めて場所を紙にメモしておく。錬金術を使える人が紙を大量に作っているらしく、紙は安く買えた。この世界なら羊皮紙とかが主流なのかなと思ったけど、普通に植物紙が出回ってるし本も安い。


 芋虫が多い。蝶もいる。全部メーター超え。……逃げるのもしゃくだからドーナツをぶつけたりするけどノーダメージ! 枝で動きを止めて絞め殺す。ゴムを何本も巻いて西瓜を破壊する動画があったけどあんな感じ。ぐしゃあ。……血は平気。自分が流しまくったからかなぁ。


 狼とかもいるんだけど私にあんまり興味ないようで、モフりかかりに行くと意外とモフれる。まあ私は食べれないのかもしれない。森の主的な立ち位置なのかも知れない。


 麻痺消しとか神経毒に効果のありそうな薬もあるがそれ自体が毒らしく浄化薬とかの方がマシなようだ。ドーナツ……ドーナツも乱用したくないよね。私たぶんシータさんとかモフられし者と戦ったら負けるもん。人とは戦えないよ。もっと強い人もいるらしいし。


 うーんと、お、南の方に世界樹お婆ちゃんが言ってた聖泉があるようだ。呪い消しのポーションをいくつか作っておこう。根っこさえ届けばテレポートできる。そして見れば薬草の効果もポーションの作り方も分かるし、スキルでその場で作れる。


 泉はなかなかきれいだ。斧とか投げ込むといいのかな。ないからやらないけどね。しかしまあファンタジーな世界なのは間違いない。今は薬を集めるのが大事だよね。


 あ、家を作るのもやらないとな。私の樹を作っておけば……メリットはあるからね。


 とにかく今は探索域を広げながら、必要なアイテムを作りまくるしかない。


 うーん、でもさ、疫病の歴史を知ってたら絶対誰でも思うと思うんだけど、


 一人でスペイン風邪、インフルエンザ

や黒死病やコレラやマラリヤやエイズやエボラ出血熱や各種アレルギー、寄生虫症、肺炎、癌、白血病、私のような未解決の難病、全部と戦って勝つなんて不可能に決まってる。


 さらにこの世界の未知の病気。


 来る世界を間違えたと言っても過言ではないが、逆にここまで覚悟して選ばなきゃいけなかったんだってことを、


 私は今更ながらに思っている。


 だからまあ、来てしまったからには戦うよ。私がバカだった部分は全く否めないからね。


 冒険者たちにお仕事を、とかそういうことは分かるのに、やっぱり全然、賢くない。たくさんの人がエネルギッシュに活動する、それ以上に多くの人が幸福になる手段はないだろう。


 私は強欲だ。例えば世界を手にしたいと思う人がいても、私より強欲なはずがない。


 みんなを助けたい。自分自身の幸福を叶えながらなおかつ多くの人を助けたい。……こんな私より強欲な人がいるはずもない。


 私は善人じゃないから自分の幸福は捨てないけどね。そもそも自己犠牲が、それが善人かも怪しいけど。だって迷惑だよね。助けてくれた人が弱ったら、苦しんだら、いっそ死んだ方がましだったと、私なら思う。


 だから私は強欲だ。


 いい薬草発見ゲットー! 美味しそうな果実はっけーん! 猪の魔物捕まえたー! お肉ー! お肉ー! お肉ー!


 ……強欲なんだよね。だって今私根っこからいろいろ吸い取って光合成してたら生きられるんだもの。


 うーん。お肉の解体の仕方わからないな。殺したりストレスを与えるとお肉は不味くなるよね。


 ちなみにこの猪は神樹森猪と言うらしい。体高が二メートル以上ある。ものすごく大きいけど蔦でくくり罠を作って捕まえた。私、気配消すのすごい得意みたいだ。普段から幽霊みたいなものだしね。これは血抜きをしてから根っこで吸収して根っこを通りフォレスターに運んだ。ギルドでできるだけ美味しく解体してもらおう。


 ついでにガウルさんたちモフられし者に進捗を聞いてお肉もいただきます!


 今回はシンプルに猪カツで! ソースはトマトソースのようなものだ。一応カツには下味とシーズニングが振られていて、ソースはお好みで浸けながら食べるスタイル!


「カリカリモグモグ……」


「いつも通りだな先生! 進捗の報告なー。メームー、頼む」


「先生、一切れ」


「はい」


 羊の獣人メームーさんが私の頼んだカツをよだれを垂らして見ていたので、取り皿をもらって三切れくらいあげる。ソースもシェアする。


「ぱりっはむっ、もぐもぐ……かりかり……」


「羊ー! 肉食ってんじゃねえーっ!! てか美味そうだな!?」


 美味いよ。というか羊獣人なのにメームーさん別に草食じゃないのね。サラダ避けてるし。おっと、報告か。


「魔力の変質としてはパクッカリッ、やっぱりモグっ、瘴気がごくり、発生していた。デーモンの関与は間違いない……んぐ、のだけど、その本体の存在が確認できない」


「食いながら話すんじゃねー!!」


「ペロリペロッ」


「ソース舐めてんじゃねー!!」


「こっちにも猪カツ一枚」


「さらに注文してんじゃねー!?」


「はむはむ」


「先生も食べてないで聞いてーっ!?」


 聞いてる。……変な話だね。問題は発生してるのに発生源が確認できないって。……ひょっとしたら……。うーん、デーモンの性質をもっと知らないと分からないかな。


 とりあえず私はマイホームとなる樹を立てて、神樹の森奥地の探索をしなければだから、まだ五日くらいは神樹の森にこもらないとダメだろう。その間にモフられし者たちにデーモンの目星をつけてもらわないとハムッ。これパン粉がカリカリで最高ね。メームーさんも自分で一品頼んでガウルさんも自棄になったのか一品頼んだ。私もさらに一皿。ああ、お肉って幸せだ。






メームー「お酒、カクテル、強いの」


マリモ「私も……モスコミュール(モスクワのラバに蹴られたくらい強烈なカクテル)」


ガウル「ピーチフィズで」


メームー・マリモ「乙女か!!」


ガウル「……だって、桃のじゃないと飲めない」


マリモ・メームー「乙女か!!」


ガウル「い、いや、リンゴサワーなら」


メームー・マリモ「虎なら肉を食え!!」


ガウル「羊と植物が肉を食うのもどうかと……。あ、ピーチタルト俺です」


マリモ・メームー「乙女か!!」





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