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マリモ:動きはじめる物語

 序章ラストー。

 むぐくー、シータさん胸あるな。ぎゅーぎゅー抱きしめてくる。暑いよー!


 飲みすぎたのかなー。変な夢見ちゃった。うん? 覚えてないや。前半はシータさんと鬼ごっこしてた気がする。抱きしめられて苦しいから悪夢になったのかな?


 あれ? シータさん普通に抱きしめてきてるし。ここはどこのベッド? 知らない胸の中だ。いや、シータさんの胸の中だけど。シータさんもだいぶ酔ってしまった模様。私も酔おうと思ったら酔えるので酔ってみたんだっけ。便利な体である。


 ん、ここはシータさんの宿だね。なんか酔っ払ったシータさんがやたらべたべた抱きついてきて私も復讐だとか言ってこの胸がこの胸がと揉みしだいた記憶がある。


 …………それも夢ということにしておこう。


 もみもみ。ちょっと気持ちいい。Cくらいあるなシータさん。寝ぼけてることにしておこう。あ、シータさん、目が覚めた。


「……ふぉわい?」


「おはよーシータさん」


 昨日は美味しいご飯と初めてのお酒ですごく盛り上がってしまった。被害者の人に悪いなあ、と思ってたけど途中からその二人も混ざってハッスルしてたんだよね。嫌なことは飲んで忘れるのが冒険者の流儀らしい。タフだねー。もちろんおごったよ。


 タフじゃないと生きられない世界なんだよね……。ゲームみたいに作られてはいるけど、現実なんだ。戦いが日常にある世界。


 前世でも紛争なんて絶えなかったけど、実際に平和ボケの日本人がそこに飛び込んだら大変なのわかってるよね。命は大事に。


 でも、今は私のリアルな第二の人生なんだ。失った五感が戻ってきただけでも幸せだし、是非にこの人生を楽しみたい。


 とりあえず寝ぼけてるシータさんの胸を揉んでおこう。柔らかい。男の人は揉んじゃダメだぞ。私のだ。私のじゃないけど。


「しぇ、しぇんしぇー、なにしてんですかー?!」


「そこに山があるから登っている。とても険しい山が」


「意味がわかりません!」


「大丈夫だよ。寝ぼけてるだけだよ」


「なるほど、それなら安心、って揉まないでください!」


 女の子の胸を好きに揉めるのは平たい胸族の娘の特権にしていいと思うの。誰が平たい胸族だ。自分で言ってて悲しいぞ。容姿を変えるとか精霊なんだからできればいいのに、変なとこがリアル。前世は病気で痩せてただけだからね! ……たぶん。誰がナチュラルな貧乳か! お姉ちゃんは悲しいぞ!


 まあ楽しんだし起きるかな。変な夢を見たなぁ。あ、帽子脱いじゃってるし。相手はシータさんだからいいけど果実が丸出しである。やっぱりなにか、気恥ずかしいなぁ。ドリアードの感性だろうか?


 そういえば昨日酔った勢いで二人で私の果実を試食したんだっけ。シータさんは泣いてたよ。本人の試験の分は緑竜さんと戦ってめっちゃ苦労して手に入れたはずだしね。


 ふふふ、でもお肌がプルプルになってるシータさんを見ると、魔法の果実の薬効のすごさがわかるね。軽い病も癒えるし日焼けとか治るし、魔力が回復するらしい。お婆ちゃんによると、全部もぐと私は昏倒して半日存在が消えるそうだけど。危ないね。マリモ狩りに注意だ。みかん狩りとか苺狩りみたいな感覚でもがれたら嫌だしね!


「と、とりあえずギルド行きますか」


「そうだね。あ、宿代払う」


「……別にいりませんが、もらっておきます。ここのおかみさんに先生も泊めてもらうように契約しておきますよ」


「いつでも泊まれるの?」


 どうやら冒険者は定宿を定めていて、旅の帰りとかに飛び込める状態にしているらしい。下手な森より町での野宿の方が危ないもんね。そんな時は冒険者で集まって町の外で野営するらしいけど。


 冒険者は自由だけどその分危険はあるんだね。


 この世界でいいとこは女の子でも魔法があるから強くなれるんだ。それは本当に良いよね。地球人だと女の子が弱いもんなぁ。いずれ機械的に改革されたかも知れないけどね。それはもういいや。地球の未来は君たちに任せたぞ! 誰? まあ未来の子供たち、任せたぞ!


 これからいくつも依頼を出す予定だし、ギルドに行こう。私はこの世界で生きていくんだ。新しい人生を。冒険者ギルドの依頼人として。


 いくつもポーションや薬を作って売ったら、また私のおごりでみんなとお酒を飲んで騒ぎたいな。



 エルフの冒険者で今回協力してくれたノックスさんのチームがBランクに挑むために国外まで行き、しばらく帰ってこず、シータさんもやはり王宮に出向くことになったらしくて、フォレスターの町はしばらくは寂しくなりそうだ。彼らにはポーションをたくさん送っておいた。


 モフられし者はいるけどね。全員ひととおりモフらないとね!


 ちなみに私もお婆ちゃんに呼ばれていて、一旦神樹の森に帰るんだけど。まだまだ自身のこと、精霊のことがわかってないし、お勉強もしないとね。緑竜さんも会いたがってるらしいし。


 ついでとばかりに神樹平原に枝で作った屋敷を建てることにもした。この枝は本当に便利。ちなみにその枝から葉っぱを出して光合成もできるけど、やっぱり自分の舌でご飯を味わいたいよね。せっかく味覚が戻ったんだもの!


 寂しくなるんじゃない、私たちは新たなステージに、動き出すんだ。


 さあ行こう、明日はきっと、明るく楽しいぞ! ご飯もたくさん食べよう!






 プロローグになるまでまだ何マイルかあります。


 ドーナツも飯テロもお休みで……、三話くらいね。


 ドーナツは五話くらい。


ドーナツ「?!」




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