三種の神器で異世界統一
~今~
「___ッァァ!痛てて…。何だ?ここ」
目の前に広がるのは真っ暗闇。
待て、とりあえず情報を整理しよう。
俺の名前は地鳴震二、十八歳。
今日は確か10月10日の深夜、
出雲大社の鳥居にいて急にめまいがしてそして…
「もしかして、俺、死んだのか?」
思わず脳に支障が出る。どうしてこうなったのだ?と。
「神様たちの前で死ぬなんて…とんだ罰当たりだな」
もはや死んだことに対しての驚きよりも、そっちの方が気がかりだ。
そんなことを考えていると突然、目の前が明るくなった。
眩しい。
そこには一人の男が立っていた。
すると、男はこう言った。
「私の名はオオクニヌシ。突然ですが、あなたは私たちに選ばれてしまいました。
神の使いとして。そのわけは今のこの国にあります」
なんかすごい勢いで話が進められていく。
「あ、あの。ちょっといいですか?」
恐る恐る、様子を伺いながら話しかける。
「自分は…その、死んだのですか?」
すると彼はこう言った。
「現世では、そういうことになります。
ですがあなたは選ばれたのです。先ほども言った通り、この国には重大な異変が
起ころうとしています。そこでこの国を正常な状態に戻すため、
現世から最も近い存在を呼び出したのです。
それが、あなただったのです」
そうか。やっぱり死んだのか。
「あなたにはこれより、この現世とすれ違っている平行世界に行ってもらいます。
それはおそらく、あなた方の言う『異世界』とやらです。
しかし、この世界を正常な元に戻すというのは、生半可な思いでは打ち砕かれてしまいます。
一つだけ、あなたに問いましょう。あなたには、その覚悟はありますか?」
死んだ者にチャンスを与える。というよりは死なされて、さらに役目を負わされた、
という感じだ。いくらなんでも理不尽すぎる。
「すみません。私には、そんな覚悟は無いんです。それに、
自分にはまだ、現世で成すべき事がたくさんあります。だから、まだ、死ねないんです」
いくら神様相手だとは言え、自分の意見は尊重すべきだ。
すると彼はこう言った。
「ですが、申し訳ないことに、八百万の神達はあなたに『加護』を授けてしまいました。
このままでは、現世にも戻れず、天の国にも行くことはでいません。
最悪の場合、存在自体が消えてしまいます。その点に関しては、
謝罪しても仕切れないと、私たちは考えております」
そうなのか。でも、やっぱり理不尽すぎじゃないか。
「ですが、あなたが世界を変える旅を終えたなら、現世に帰ることは可能でしょう」
つまり、どっちにせよ、平行世界に旅立たなきゃいけない、ってことか。
あまりに理不尽だ、でも、少しでも現世に帰れる望みがあるのなら、
そして、少し『異世界』とやらにも行けるのなら、
そうして考えた末に出た結論は。
「行きます。その案件、引き受けましょう」
すると彼は、
「わかりました。ではこれより、あなたを平行世界に飛ばします。
成すべき事は、おのずとわかるでしょう」
説明ないのね。
「そして、何よりも生き抜くため、あなたにこの、
『三種の神器』をお渡しします」
そういって渡されたのは白いお守り。
これが三種の神器?剣と勾玉と鏡じゃないのか。
「それでは、あなたを平行世界に飛ばします。
気を付けて。幸運を祈ります」
え、っちょっまっ!
「さ、最後に一個だけ聞きたいことがあり…」
聞こうとした瞬間、目の前は真っ白になり、
意識が遠のいてゆく。
青い、風に乗って。意識が別の遠くへと、飛ばされていく。
まぁ張り切って一気に二話とうこうしますぅ。
!(^^)!
追伸
我ながらこのペンネーム気に入ってる。BY抹茶サウルス