仙人屋敷に入ろう
おそらく公共機関であろう建物が並んでいる王都の中心部に仙人専用の屋敷はあった。
俺が【異世界】に来る前は、伝説の仙人が住んでいた場所として、観光の名所になっていたそうだ。
屋敷は、学校の体育館のような外観と大きさだ。一人暮らしには広すぎる。
シズさんに案内されながら中に入ると、リゾートハウス風でお洒落なインテリアだった。
天井が高くて二階への吹き抜けもあり、解放的な造りだ。
ガーデンチェアやソファーもセンス良く配置してある。
二階に上がると寝室や客間などの他に武器庫があった。
研修の講義によると――確か武器にはランクがあったな。
【通常】級、【希少】級、【遺物】級、【伝説】級、【神】級の五つに分けられる。
一般人は【希少】級の武器を持つのがステイタスみたいだ。
【遺物】級になると、一般人には夢のまた夢で、非常に高価な武器になる。【伝説】級や【神】級は、国宝認定されるレベルなんだそうだ。
そして、この武器庫には【伝説】級や【神】級の武器や防具が無造作に並んでいる。
「仙人様しか扱えない武具ばかりです」
シズさんの説明によると仙人以外が所持しても武器の性能が開放されないように強力な古代魔術で封印されているそうだ。