服どうした?
どうしたものか⋯⋯
案内役の狼男との約束もあるし、怪我をさせる気は無い。
とっさに一計を案じ、俺は行動に移した。
まずは【七星神槍】の能力を全解放するマントラを唱える。途端に俺の体が眩く光る。
加速能力を限界まで発動させ、一瞬で音速の世界へ入った。世界は静寂に包まれ、時が止まる。
驚きの表情を浮かべて固まっている【閃光の勇者】の嫁が着ている花柄のワンピースを【七星神槍】で切り裂いた。
ワンピースだった布が落ちると、下着が見えた。これも躊躇なく切り捨てる。
現れたのは熟れた大人の裸体だった。
思わず触れたくなる柔肌と、丸みを帯びた体のラインが男の欲情を刺激する。
俺は動きを止め【閃光の勇者】の嫁と距離をとって向き合う。
「服どうした?」
雰囲気を変えるために、少し冗談ぽく言ってみた。
「ちょっと!! 何したの?!」
「いや、話を聞いてくれないからさ」
手で胸と股間を隠しながら【閃光の勇者】の嫁は、顔を真っ赤にして座り込んだ。
「危害を加えるつもりは無い。話を聞いてくれないか?」
俺は返事を待たずに【閃光の勇者】を捕まえるために協力を要請した。




