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あいつが閃光の勇者か!
俺達は、ユウの獅子奮迅の活躍のおかげで、もうすぐ一階への階段という所まできた。
「ユウ! 先頭変われ!」
「大丈夫です! それよりも気づいてますか?」
「なんだ?獣人の数か?」
「違いま⋯⋯ なんだテメエ!」
一瞬カメラのフラッシュのような、大光量の瞬きがにユウの前方で起こった。
「確か⋯⋯ お前はゾッドの犬だったな⋯⋯ 」
目を凝らすと、ユウの前にロン毛の男が立っていた。
――あいつが【閃光の勇者】か!!
「誰が犬だ、この野郎がァァァ!」
ユウは、並みの武術家では目視不可の槍捌きで【閃光の勇者】を攻撃した。
「おっと⋯⋯ 少しは速くなったじゃないか!」
ユウと向き合っていた【閃光の勇者】の姿が一瞬霞んでから突然消えた。
どこへ行った !?
気感を最大限に研ぎ澄まして【閃光の勇者】の気配を探す⋯⋯




